限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 6405
レビュー : 757
  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061315310

感想・レビュー・書評

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  • ヒリヒリと痛む。腐ったパイナップルの酸い臭い、煙草の煙、蒸発した汗を纏った熱気。

    リリィと2人でドライブした嵐の夜、トマト畑の爆弾と吹き荒ぶ暴風雨に打たれ光を見た。

    潰れた蛾の体液、近く巨大な黒い鳥の影、ガラスの破片。

    痛いくらいに世界が遠のいていた。

  • わたしはこれを中学時代に読んで人生観が変わった。そのくらい当時のわたしには衝撃的だった。

  • 最低

  • この作品が発表された当時はこういう雰囲気の小説が流行ってたのかな……と最初に思ったのは、最近読んだ村上春樹の「風の歌を聴け」にどことなく近い空気を感じたから。ただ、綴られている内容は比べものにならないほどエログロバイオレンス。
    酒にドラッグにセックスに溺れまくる若者たちの中で唯一、主人公(という表現も正しいのかどうか)のリュウだけは、なんというか……もちろんやってることは社会から逸脱しまくりなんだけど、その中で唯一まともというか、常に自分を冷静に客観視できるだけの力を持っているように感じた。
    そんな彼が生を実感するラストは嫌いじゃないし、そこかしこに散りばめられた文章の表現力がとんでもないってのも分かる。そもそもつまらなかったら最後まで読んでないだろうから。
    でも、やっぱり、ダメだ。圧倒的に読みづらい……。ドラッグ決めてる人間の主観視点だからあえて読み取りづらい表現を用いてるってわけじゃなさそうだし、とにかく肌に合わなくて読み進めるのが苦痛だった……。

  • 迂闊にもデビュー作を未読であることに気づき慌てて読む。頭をガツンとやられる。暴力、セックス&ドラッグ&ロックンロールが渦巻く狂騒の中、主人公リュウのもう一つの眼差しが鮮烈にオーバーラップされてくる。その瞬間毎に私は息を呑む。「濡れている外は優しい。風景の輪郭は雨粒を乗せて霞み、人間の声や車の音は落ち続ける銀の針に角を削られて届く」やり場のない若者の焦燥が限りなく透明に近いブルーへと移りゆくあわい、切り裂ける叫び声が暖かい光に包まれ優しい起伏となることを願う。これを書き上げた24才の著者が堪らなく愛おしい。

  • リュウ リリー オキナワ レイ子 モコ ヨシヤマ カズオ ケイ ヘロイン ニブロール マリファナ

  • 文体に癖がある。だらだらと続くこの文体は主人公たちの生活や思考を表現しているように思った。
    ゴキブリを潰すシーンにぞっとした。
    また、最後の硝子を見つめるリュウに芸術的なそれを彷彿とさせた。

    セックス、暴力、ドラッグのシーンが多々あるのに、エネルギーよりも気だるさの方が際立っていて、そこもよかった。

  • 芥川賞がいろいろと話題になっているので、昔、受賞したこの本を読んでみようと思ったのがきっかけ。

    一人称の話なんだけど、第三者的な視線で語られていて、冷めた印象を受けた。主人公に掴みどころがない。

    まぁ、言ってしまえば、だめ人間たちの話。排他的といえばかっこいいかもしれないけど、私は何も感じなかった。もっと若い時に読めば、何か違う感想だったかもしれないけど、カチカチ頭の大人になってしまった自分は、麻薬はダメだろう、とか人に迷惑かけちゃいけないよ、とかそういうことしか思わなかった・・・。

    特に女の人の扱いに虫唾が走った。情けない男ばっかり出てくる・・・ムカムカ。

  • ビビットな生のイメージと暗い死のイメージが混在する、若者たちの生活を描いた小説。虫と鳥の対比が鮮烈。緑の体液を流す虫と同一視された人間は、大きく黒い鳥に啄まれてしまうのだろう。
    ケイとヨシヤマの関係が良い。物語の主題を表しているような気がする。

  • ドラッグとセックスと暴力。
    他の世界みたいな非日常が日常
    主人公の語りが淡々としていて、ストーリー自体に何の進展もない。

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著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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