限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 6402
レビュー : 757
  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061315310

感想・レビュー・書評

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  • 痛みは死を感じる分だけ生を感じる。
    快楽は死を感じない分だけ生を感じない。
    「限りなく透明に近いブルーのガラスになりたい」とは、マゾヒストからサディストへの移行なのでは。(生を感じさせる優しさの権化への移行という表現のが正しいかも)常軌を逸した文章に陶酔。没主体の文学ならではの奇妙な静けさ。こんな青春、私には考えられない。これは、常人には書けない。

  • ボクの人生観を一気に変え切ってくれやがった作品。読みながら圧倒的な解放感を味あわせてくれるのは、村上龍しかいないと思う。名台詞も多いので、時間があったら、引用もしたいと思う。心の本ベストワンから下がることは恐らくないと思う。

  • 中学くらいの時に読んで、衝撃うけました。最後のリリーへの手紙で、この本のすべての印象が裏返りました。

  • 面白いと思います。物語自体は非常にシンプルなのですが、そこに作者の表現力、特に読み手に情景、状況を想像させるような文章力は素晴らしいと思います。高校生の時に読んだときにはこんな世界もあるのだなと思い、いまいち理解できない部分も多かったのですが、今読んでも古びていなく、逆に新鮮なのはこの本が持つ魅力なのだと思います。あと、ドアーズを聞きたくなりますね。ジムモリソンの人生について思い出してみたり。。。これも作者の意図するところにはまっていうるのかも?

  • この物語は、リュウの実体験を元に書いているのか。
    想像で創られたストーリーなのか。僕にはわからない。

    少なからず実話に近いのだろうか。


    ◆麻薬とセックス、現実と非現実

    ストーリーは、簡単だ。
    リュウは、19歳で、日々、セックスと麻薬に明け暮れる。
    それだけ。

    しかし、彼は、生きている感じがしない。
    非現実的な描写がそうさせる。
    夢の中にいるみたいだと思う。
    小説で、僕が行なう行為の殆どが理由を記されていない。
    強いドラッグで死にそうになっても、
    黒人の精子を口に含んでも、
    乗っている車が衝突しても、
    友人が腕を切っても、
    本当のリュウはそこにいなかった。

    ダチとの部屋での宴が終わると、
    不意に現実的になる描写がある。
    それが、この小説のクライマックスだと思う。

    僕はリュウが覚醒していると思う。
    または、撹乱していると思う。
    幻想が見えるが、それはメタファーだ。
    本当の村上龍が世の中に投げかけるメッセージなのかもしれない。

    詩的な描写で綴られたこの小説は、
    スキャンダラスな事柄を描きたかったんじゃなくて、
    自分らしさを描きたかったんじゃないかと僕は思う。

    最後に、僕がこの小説で好きな行を紹介します。

    恐怖を感じ始めたリュウが自分に言い聞かせるシーン。

     いいかよく見ろ、
     まだ世界は俺の下にあるじゃないか。
     この地面の上に俺はいて、
     同じ地面の上には木や草や砂糖を巣へ運ぶ蟻や、
     転がるボールを追う女の子や、
     賭けていく子犬がいる。
     この地面は無数の家々と山と河と海を経て、
     あらゆる場所に通じている。
     その上に俺はいる。
     恐がるな世界はまだ俺の下にあるんだぞ。 」

    リリーと別れるシーン。

     僕は床を転げ回る。
     リリーは走って外へ出た、
     車の音がする。
     電球がぐるぐる回っている。
     鳥が飛んでいる、窓の外を飛んでいる。
     リリーはどこにもいない、
     巨大な黒い鳥がこちらへ飛んで来る。
     僕は絨毯の上にあったグラスの破片を拾い上げた。
     握りしめ、
     震えている腕に突き刺した。」

  • まず、朝に読むべきではなかったような気もする。 性描写と暴力描写のオンパレード。気持ち悪くなりながらも止まることなく読めるのはなぜだろうか。嫌々言いながらも、惹かれてしまう何か。こんな生活だったらと、心のどこかですこーしだけ憧れていたりするようなしないような。 読んだ後不快感と爽快感が入り混じる不思議な感触です。

    というか、主人公の名前リュウだし思いっきり体験談だよね。いや、小説の中の描写にしてはあまりにもリアルすぎるとは思っていたけど、、セックス中に回転させるところは頭おかしい。こんなドラッグ暴力セックスまみれの生活を経験してきて、堂々と小説に書いて、芥川賞取ってしまうなんて。普通に犯罪でしょ?天才かよ。カッコ良いなほんと。。

  • 好き嫌いがあると思うけど、熱量のある本が好きな人は面白く読めると思う。峻烈な青春の一冊。ぴりぴりする。

  • 激しいモチーフと対称的に、静かな詩的表現が美しい。パイナップル、飛行機、虫、黒い鳥、それぞれが何を表しているのだろう。

  • 十回くらい読んでいるが。

  • わたしはこれを中学時代に読んで人生観が変わった。そのくらい当時のわたしには衝撃的だった。

著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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