限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 6384
レビュー : 755
  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061315310

感想・レビュー・書評

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  • 「コインロッカーベイビーズ」から村上龍作品にはまりだし、代表作と聞いて手に取った一冊。「69」を読んだときにも感じたが、正直、一読した今でも物語の概要を説明しろと言われたら簡単には説明できないと思う。特別なことは沢山起こるけれど物語が何か進展するわけでもないし、このレビューを書くのもとても難しい。けれど、ただ感じた書いてみると、この作品が強烈なのはテーマが刺激的だからという理由だけでなく、やっぱりその文体や表現にあると思った。映像でもないのに目をそむけたくなるようなシーンもあって、だけどその体験をする度、うわあと感じると同時に著者の表現の豊かさや伝えようとしている鮮烈なイメージをひしひしと感じた。「鮮烈」という表現は背表紙にある表現を借りたが、村上龍作品にぴったりな言葉だと思った。

    もっと村上龍作品に触れてその真意をくみ取れるようになりたい。

  • 青年たちが繰り広げるドラッグ、酒、乱交パーティ、音楽、暴力を、その雰囲気のまま包み込みながも、その行為自体を透明感にあふれて描写した青年群像小説。
    彼らの過激な言動は生々しくエロ・グロな描写も表現豊かで細にいるのだが、なぜか躍動感が感じられず、流れるように読める。リアルな情景を再現させる「動」を題材としながら、どこか入り込むの余地がないほどの「静」を描き、そこに登場する人間たちがまさに透き通っているように感じる。安定感を求める彼らの意識を柔らかく受け止めることができるようだ。
    ところで、あの表紙の横顔はリリーなんだろうか?

    • lacuoさん
      この小説は、私も、なんだか好きなんですよね。

      ありきたりの表現だけど、瑞々しい感性が、気持ちいい。

      私にとっては、エロティックで...
      この小説は、私も、なんだか好きなんですよね。

      ありきたりの表現だけど、瑞々しい感性が、気持ちいい。

      私にとっては、エロティックでもグロテスクでもなく、純粋に、気持ち良い小説でした。

      この、過去の小説の、現在形が『蛇とピアス』だと思うんだけど、私にとっては、こちらのほうが、はるかに空恐ろしい、グロテスクなものに思えたんです。
      2016/11/14
    • mkt99さん
      lacuoさん、こんにちわ。
      コメントいただきありがとうございます!(^o^)/

      なるほど確かに瑞々しい感性の作品でしたね。
      エロ...
      lacuoさん、こんにちわ。
      コメントいただきありがとうございます!(^o^)/

      なるほど確かに瑞々しい感性の作品でしたね。
      エロ・グロな内容でありながら透明感があり、なぜか生々しさを感じずさらさらっと受け入れることができた不思議な作品だったように思います。

      『蛇とピアス』も読みましたが、自分には生々とした異物に対する気持ち悪さを感じた作品でした。

      ちなみに『ヌーベルヴァーグ』という作品のDVD特典映像で、ジャン=リュック・ゴダールと若かりし村上龍との対談を観たことがあるのですが、こちらの方は逆にゴダール=蛇に睨まれたカエルのように硬直していた村上龍をみて、本来的には突拍子もないグロテスクなものには弱いんだなと思いました。(笑)
      2016/11/18
  • 村上龍の作品は 生理的に あわなかった。
    この作品を 最初に読んだ時に 3ページくらいで
    断念した。あかんな。これは。と思った。
    それ以来 村上龍を 小説家として認めていなかった。

    サカキバラ事件が おこった時に 村上龍が
    なんか言っているな。と思って、ミソインザスープなどを
    よみはじめた。狂気が その中に混じっているとおもった。
    時代をとらえる 感覚が 突出している。
    そして、最近 愛と幻想のファシズム を読んだ。
    それで 村上龍は 制度に対する嫌悪感がそこにある。
    と思って、最初の作品から 読み直したほうがいいと思い
    読み始めたのだ。

    絵画のように というか 映画の一シーンを 
    文字で固定しようと 努力していると思った。
    感覚が するどいが、
    色合いが 薄汚れていて、きれいではないな。

    読み終えて 感じたのは やはり生理的にあわないな。
    雑然とした感情が 漂流していて、青春の荒れた原形がうずくまっている。

    読み終えることができたのは 読書力の強化にあるだけだ。
    昔ならば、最後まで読むことはできない本のたぐいである。

  • 読むのが早かったみたい……。

    村上龍さんの作品はまだ全然読んだことがないんですが、
    とりあえずデビュー作だし凄い名作みたいだし、と思って購入した一冊。

    あきらかに他の小説と違うことは分かりました。

    ドラッグや乱交パーティーに明け暮れる若者たちの
    崩壊していく様を描いた作品…ですよね?

    正直、目を背けたくなるような描写ばかりでした。
    ここから何かを見いだしていくのは、私にはまだ無理みたい。

    もうちょっと勉強してからまた挑戦しようかな?機会があれば。

  • 20代のころ村上龍作品をたくさん読んでいた。暴力/エロ/快楽/思想/アルコール/麻薬/狂乱/パーティーなど刺激的な要素が盛りだくさんで、まだ子供で田舎者だった自分にはワクワクドキドキするような内容の話が多かった。
    けどデビュー作である本作は何故か手に取っていなかったなぁ~おそらく当時の僕は映画化されたのも知っていたし話題作だったのも知っていた。けれど題名が琴線に触れなかったんだろうと思う。
    見城徹氏の「読書という荒野」で紹介されていて興味が湧き、今更ながらに読んでみるとバブル期の退廃小説のような印象を受けたが、時代的には70年代半ば頃の安保闘争や学生運動やベトナム戦争などの残滓が残る時代の話なんだよね。バブルより一昔前なんだな…そんな時代の大音量で騒々しく破天荒な青春を謳歌する仲間たちとの日常に、熱を持たない主人公が漂っているような、そんな印象を受ける作品でした。目に映るモノ、感じるモノを文学的な言葉で描写する能力には非凡な才能を感じるし、現世と幽世を行き来するような理解の難しい感性に魅力を感じる作品でした。
    面白かったです。

  • 2009年2月4日~5日。
     出来事は物凄いのに、タンタンと眺めているような視線。
    「静観している」という感じでも「凝視している」という感じでも無い。
     多分、何を見ているのかは判っているんだけど「それが何なのか」は判っていないんじゃないか。
     そんな感じ。
     以前読んだときは打ちのめされたのだが、今回読んでみて僕には不要な作品だとわかった。
     ただ、これから先は判らない。
     再び必要な作品になりそうな可能性を秘めている。
     そういう意味では怖い作品。

  • P42まで読みました。次に読む気になったらここから…

    芥川賞を取った作品なのと薄いので読んでみたけれど、のめり込めなかった。

    セリフを「カッコ」で囲んでいるのと囲んでいないのの違いが気になりました。

    この内容をこんなに細かく描写?書けるのは、村上さん経験者・・?と思った。

  • 透けて見えないみっしりとつまった空間。
    一秒が数日にも感じられるような密度感。
    だが実体は空虚で儚く、霧散して残らない。

  • 放蕩をひたすら文学的表現で綴る。
    龍は好きだが、ただキ◯ガイが乱れた生活を送っているだけにしか思えなかった。
    それでも、不思議と読ませられてしまった。
    これこそが筆力なのだろうか。

  • 痛みは死を感じる分だけ生を感じる。
    快楽は死を感じない分だけ生を感じない。
    「限りなく透明に近いブルーのガラスになりたい」とは、マゾヒストからサディストへの移行なのでは。(生を感じさせる優しさの権化への移行という表現のが正しいかも)常軌を逸した文章に陶酔。没主体の文学ならではの奇妙な静けさ。こんな青春、私には考えられない。これは、常人には書けない。

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著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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