雪明かり (講談社文庫)

  • 講談社 (1979年1月1日発売)
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本 ・本 (367ページ) / ISBN・EAN: 9784061315396

感想・レビュー・書評

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  • 頁を繰り初めて始めてしばらく、以前に読んだことがあるなと思い出したが本は閉じなかった。
    やはり藤沢周平さんの作品は引き込まれる。
    もちろん読書には読むたびに新しく得るところがあるということはよく聞くのですが、新しい発見でなく、以前も感じ取ったと同じ感動を得ることができるというのが藤沢周平作品の素晴らしさだと思いますね。
    病に伏せる義理の妹を救い出し、彼女と後の人生を共にする決意をする表題作「雪明かり」、好きだなあ。

  • 藤沢周平の真骨頂を感じます。

  • 4-06-131539-0 2001.4.27 49刷

  • 2005.7.26〜8.1読了
    "雪明かり"・・・映画「隠し剣 鬼の爪」原作

  • 娘たちを捨てた父親が最後に娘たちのための一太刀が感動を呼ぶ「入墨」。とあるところでの武家の妻女との出会いから救うための算段をする町人・浅次郎と武士・塚本伊織の物語「穴熊」は爽やかさと、割り切れなさがそこはかとない叙情を感じる。従姉との心の絆が微笑ましく、色っぽさを感じさせる「恐喝」など。「冤罪」は道すがら会う女性に魅かれ、その父親の冤罪を追う源次郎。「暁のひかり」は病気から立ち上がろうとする小娘に会う都度優しい心になるやくざの市蔵。「遠方より来る」は招かざる客が押し掛けてきた何とも言えない滑稽な状況が可笑しい。主人公の人の良さが見事に描かれている。 表題作は血の繋がらない義妹との心の通い合いと、新しい世界へ跳ぶ決断のときを見事に描き出している。どれも登場する人物、特に女性たちの描きが秀逸で、魅力的。そしてそこはかとなく哀しい無常感が美しい。

  • 1970年代に書かれた短篇を収録したもの。個々の作品はいいのだが、武士を主人公としたものと、町人の世界を描いたものとが混在しており、やや雑多な印象が残る。しいて、共通項を探すならば、人生の哀切さだろうか。もっとも、これは藤沢周平の作品全般に言えそうなこと1なのだが。なお、篇中では、やはり表題作の「雪明かり」が、読後感に優れている。

  • 雪明かりが映画の原作のベースとなっているのが読んで
    解った。背景は少し変わってはいたけど、大筋には映画の
    一部に取り込んでいた。面白いねこの人の本は!

  • 2011.12.11(日)¥250。
    2012.1.17(火)。

  • 読み終わった後のやるせない感がたまらん。
    「恐喝」特に好き。竹二郎愛しい。

  • 短編集。どれもしんみりと沁み入る。
    なかでも「穴熊」「冤罪」が良い。
    そして特に胸に沁み入るのは、表題でもある「雪明り」。
    これは映画「隠し剣鬼の爪」の原作。
    (映画の原作はこれと「隠し剣鬼の爪」で共に短編)
    由乃と菊四郎の二人にはしあわせになって欲しい。
    読了後に、じんわりと余韻が残る。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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