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- 本 ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061315587
感想・レビュー・書評
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過去の恋人に会うために、しばらく仕事を休んでパリに旅立つ中年作家の千葉。その千葉に恋心をいだいている若いラジオアナウンサー弓子は見送りに行くくらいしか手がなかったが、ひょんなことからラジオ局の企画で、格安でパリに旅立つことができることになる。昔の恋人、しかし人妻の淑子と会うことができた千葉は、弓子がパリに向かっていることを知る。
重いわけではないが、ユーモアとは違うタイプの遠藤周作。ズシンと来るキリスト教の話とはまた違い、新聞か雑誌の連載小説というような読みやすい文体で、流れるようにストーリーが進んでいく。
弓子たち3人がたった10万円でヨーロッパまで(少し前の飛行機代と変わらんが)たどり着くため、かなり無理をする部分を広げていくのかと、ほんの少しだけ期待したが、そこはお友達の北杜夫の得意分野であるためか、思ったより盛り上がらずに終わってしまった。
一方で、千葉の叶わぬ恋や弓子のちょっと少女漫画的な刹那的な恋が綴られていく。全体にメリハリの少ない作品で、女性向けなのかなあ。
旅のもう一つの目的である、同行者の元水泳部員のドーバー海峡横断レースが、なんかこう別の作品に見えてしまった。
全体に、現代でも漫画やドラマになりそうなテーマであったが、すごくおもしろいかといわれるとちょっと…。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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