- 本 ・本 (407ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061317024
感想・レビュー・書評
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十数年ぶりの再読だが、変わらぬ面白さに一気読み。若いころに読んだ時よりも、社会と時代の歪みに押し潰されたフキの哀れさが身に染みて、少し泣いた。考証的な部分はわからないが、公家を描いていてもこれほどしっかりと御所言葉を用いている歴史小説は少ないと思う。
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はじめまして。
有吉佐和子さんお好きなんですね。
素晴しいレビューを読んで、私も読みたくなりました。
私も有吉さんが大好きなんですが、...はじめまして。
有吉佐和子さんお好きなんですね。
素晴しいレビューを読んで、私も読みたくなりました。
私も有吉さんが大好きなんですが、まだまだ未読本がたくさんあります。
今後ともレビュー参考にさせて下さいね。
よろしくお願い致します。2014/02/20
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和宮降嫁の話。
とにかく御所言葉というか公家言葉というか 慣れない言葉や言い回しに悪戦苦闘だった。 これがアノ「ぶぶ漬けでもどうどす?」の原点か…。
しかし慣れてくると今まであまり馴染みがなかった公家のしきたりや文化が事細かに描かれていて面白かった。
この作品には自分の人生を生きる事ができなかった3人の女性が登場する。
この時代 皇女にしろ孤児にしろ名主の娘にしろ自分の生き方を自身で選ぶことが女性には難しかっただろとは思うけれど他人として生きなければならないとは。中でも不憫だったのがフキだ あんなに健やかだったのに…。
読了後 あとがきを読んで更に興味を持った。この話がまるっきり作り物ではないかもしれないのである。〝歴史の闇に葬られた真実〟というものが本当にあるのかも。
御所言葉にも多少免疫ができたし これはいつか再読せねば。 -
おもしろかったぁ!
活字は小さいし読めない漢字はあるし厚いしで、ともすれば挫折するかなと思ったけど、とってもおするするでした!
御所言葉やしきたりは興味深いし、フキちゃんがハツラツとしていて楽しかった。
でもフキちゃんのまさかの事態で、この小説はフキちゃんだけのものではなくて、替え玉やそれをとりまく人々を含めた大きなくくりの和宮の話なんだとわかった。れっきとした歴史小説だと思って読み始めた私にとっては驚きの連続。
茶道を習う場面は滑稽だった。ほんとに当時はあんな感じだったのだろうか?
「源氏物語」も皇室を扱っているけどあれは全くの架空だからいいとして、こちらは実在する人物や事柄に、架空の人物を加えてまるでほんとにあったことみたいな話になって(替え玉説もあるとはいえ)て、いいのかな?といらぬ心配をしてしまった。あとにも先にもこういう小説って、ないんじゃないかなとも思う(未確認)。
とても読み応えがありました。 -
和宮替え玉説を採り、替え玉となった女性の苦悩と、周りの思惑を描いた小説。替え玉フキの健気さに胸打たれます。
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瓦解目前の徳川将軍家に降嫁を命ぜられた皇妹和宮の身替りとなって、歴史の波の赴くままに運命を弄ばれた少女フキの数奇な一生と、その策謀の陰で、時代への抗いを貫き通した女たちの、苦悩にみちた境涯。無力であった者への鎮魂の思いをこめて描き上げた有吉文学渾身の長編歴史小説。毎日芸術賞受賞作。
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【読了メモ】淡々とした幕切れ描写が恐ろしく生々しい。題材は幕末の有名な話なのに、同じようなポケット(落とし穴)が誰の日常にも潜んでいそう、と思わせる。
著者プロフィール
有吉佐和子の作品





