孤愁の岸(上) (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061317451

感想・レビュー・書評

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  • 財政難の薩摩藩に突如下った、濃尾川普請手伝いの幕命。「濃州、勢州、尾州川々御普請御手伝い仰せつけられ候間、その趣き存ぜらるべく候。もっとも此の節、参府に及ばず候。恐々謹言。」
    総奉行に命ぜられた勝手方家老、平田靱負と薩摩藩士の壮絶な闘い。

  • 作家がお亡くなりになられたニュースを見て再読、★評価は読了後に。
    怨念の連鎖ですな。しかし鹿児島って怖いね、島津の歴史が何年続いてるんですか。小豪族ゆえって気もしなくはないけれどそれにしてもねぇ。この異常とも言うべき閉鎖性というか強靭性を考えるとやはり為政者たる徳川のやり方は拙かったんだろうね、結局。まぁ遅かれ早かれという話はあるかもしれないが、明治維新に繋がっていく訳だから猶更です。

  • 自分の人生を超える困難な状況を、自らの立場にとどまりながらひとりですべて受け止める重さが、丁寧に、そして冷静な筆致で描かれています。

    勝ち目がない勝負に、一筋の光を見いだしながら挑み、闘い続ける覚悟を持ちたいときによい本です。

  • 薩摩藩がなぜ美濃の地で治水工事を引き受けなければならなかったのか。
    引き受けたはいいが,費用はどうするのか。
    薩摩藩の苦悩を描きだした傑作。

  • 平田が幕府からの短文による命に打ちのめされたのに始まり、また「もう自分はこれで自分は人生を終えるのだ」と悟る情景が続くように、
    「武士としての心意気や絶望」や「幕府(あるいは村役)との折衝・勝負」が生々しくつづられている。一方で、美濃の地域の人々を想う様子も随所に描かれ、しかし他方で故郷である薩摩を想う(寂しく思う)様子も十分に記述されている。平時の戦との表現も印象的。感情に満ち、時代背景にも満ちた、とても充実した一冊を終えての読後感に浸っている。

    (下巻にも共通したレビュー。ただし下巻のレビューには一言付言)

  • 地元と薩摩では、必ず教えられるこの治水事業も、全国的にはあまり大きく取り上げられてこない歴史事実。薩摩側に立った書き方で、賛否は分かれるかもしれないが、これでは、美濃、尾張の扱われ方があんまりだと思う。

  • 141

  • 2014/1/6(月)

  • (欲しい!/文庫)
    朝日Leader as Reader 2013/2/21東京建物社長・佐久間一氏お薦め

  • 義父のススメ
    江戸時代
    直木賞

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著者プロフィール

1925年東京都生まれ。「燐の譜」で第4回「サンデー毎日」懸賞小説に入選。『孤愁の岸』で直木賞、『滝沢馬琴』で吉川英治文学賞、『穢土荘厳』で女流文学賞を受賞。1987年紫綬褒章、1995年文化功労者、2002年文化勲章、菊池寛賞を受賞。著書に『傾く滝』『春日局』『埋み火』『マダム貞奴』『檀林皇后私譜』『散華』など。2017年逝去。

「2018年 『伯爵夫人の肖像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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