密航船水安丸 (講談社文庫)

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  • 講談社 (1982年5月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784061317826

感想・レビュー・書評

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  • 『密航船水安丸』は、新田の『アラスカ物語』のスピンアウト作品。『アラスカ物語』では、宮城県石巻出身のフランク安田(安田恭輔)をとりあげていた。
    『密航船水安丸』は及川甚三郎(1855-1927)の生涯を淡々と描いている。フランク安田と同じく、及川は宮城県の山村の出身。1907年、82人の仲間と帆船でカナダへ密航。ヴァンクーヴァーの無人島を開拓し、日本人移住者の基礎を築いた。
    ジョン万次郎や悲惨な移民の話の類かと思って読んだら、そうではなかった。及川はカナダに渡る時にはすでに42歳。150人がはたらく製糸工場の経営者だったのに、そんな途方もない冒険に乗り出した。波乱万丈、根っからの冒険的起業家だったのかもしれない。
    単行本は,新田が亡くなる前年の1979年の刊行。巻末には、50ページほどの「取材記 黄金色のカナダ」が付いている。本文よりも、こちらのほうが貴重かもしれない。

  • 新田さんによる、山ではなく海の小説。冒険、挑戦という意味では山も海も異国も変わらない。
    ネットで検索すると、及川甚三郎氏は飢饉に苦しむ人を救うために人を募った、という文脈が多いが、この本ではもっとリアルな実業家としての姿が描かれている。晩年、帰国のきっかけの事件と帰国後は旅の終わり感が出ている。絶頂期で終わらせず、あえてここまで書いたのが素晴らしい。

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著者プロフィール

新田 次郎(にった・じろう):1912-80年。長野県上諏訪生まれ。旧制諏訪中学校、無線電信講習所(現在の電気通信大学)を卒業後、1932年、中央気象台(現気象庁)に入庁。1935年、電機学校卒業。富士山気象レーダー(1965年運用開始)の建設責任者を務めたことで知られる。1956年『強力伝』で、第34回直木賞受賞。1974年、『武田信玄』ならびに一連の山岳小説に対して吉川英治文学賞受賞。

「2024年 『火の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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