おじさんのかさ (講談社の創作絵本)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (31ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061318809

作品紹介・あらすじ

雨の日におじさんが出会った素敵なできごと
りっぱなかさがぬれるのがいやで、かさをさそうとしないおじさん。ある雨の日、子どもたちの歌をきいたおじさんは、はじめてかさを広げてみました。すると……。

厚生省中央児童福祉審議会推薦文化財/全国学校図書館協議会選定図書
/日本図書館協会選定図書

感想・レビュー・書評

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  • おじさんは、とてもりっぱな傘を持っていて、でかけるときは必ず持って行く。
    少しの雨ならぬれたまま。
    たくさん降るとあまやどり。
    急ぐときは、しっかり抱いてはしる。
    雨がやまないときは、人の傘に入る。
    大ぶりの雨なら出かけない。

    ある日、公園でいると雨が降ってきて、小さな男の子が傘に入れてってとおじさんに言ったけど聞こえないふり…。
    ともだちの女の子がきて、いっしょに帰るときに
    「あめが ふったら ポンポロロン あめが ふったら ピッチャンチャン。」とうたう。
    おじさんは、ほんとかなあと思い、とうとう傘を広げ雨の中へ。
    傘に雨があたると音がして…。
    上からも下からも楽しい音がする。

    やっと傘をさすことができたおじさん。
    最後言ったことばが良い。
    「ぐっしょり ぬれたかさも いいもんだなあ。
    だいいち かさらしいじゃないか。」

    大人になるとなかなか子どもの声なんて聞き逃しがちだけど。
    凄いね。ちゃんと聞いて確かめてる。
    子どもって表現が豊かなぶん、なおさら心にすんと響いてくる。
    おじさん、子どもに教えてもらったじゃないか…。

  • 児童館にて。

    この頑なさ、うちの夫級!!
    と心の中で大爆笑してしまいました。

  • 小学一年生の教科書に登場するらしい。
    授業では解説というものがあって、子どもは心から楽しめないものだが、この作品は違った。
    雨のリズムの楽しさと、おじさんのふるまいが大げさに描かれていて、何度読んでも面白い。

    立派な傘を大事にするあまり、雨がふっても使えないおじさん。
    その設定が、子どもにも分かる面白さだ。
    通りすがりの子が歌う、パンポロリン♪というリズミカルな歌に誘われて、つい開いてしまうというのも、なかなか楽しい。
    開いたあとで、大勢のひとの群れにはいって雨を楽しむ見開きの絵も楽しい。
    物は使ってこそ物。なんていう説教はいらないね。
    何しろ家に帰ってから傘を見ると、りっぱなかさはりっぱにぬれていた・・そうだから。
    大のお気に入りのものって、古びても汚れてもお気に入りなんですよね。
    あっぱれです、佐野洋子さん。
    約5分。低学年から。雨の季節にぜひ。

    • アセロラさん
      こんにちは♪

      このお話、小学校の国語の教科書に載ってました!確か、一年生の頃かな?懐かしいです。
      佐野洋子さんだったんですね~。
      ...
      こんにちは♪

      このお話、小学校の国語の教科書に載ってました!確か、一年生の頃かな?懐かしいです。
      佐野洋子さんだったんですね~。

      教科書は文学への入り口ですよね♪
      2014/01/10
    • nejidonさん
      アセロラさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      お返事が遅くなってしまってごめんなさいね。
      どうして遅くなったのかは、次の...
      アセロラさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      お返事が遅くなってしまってごめんなさいね。
      どうして遅くなったのかは、次のコメントのお返事に書きますね。

      「おじさんのかさ」は、佐野洋子さんなのですよ。
      一年生になる頃には、佐野さんのお話もいくつか聞いてきてるので、名前を見ただけで「あ!」って言ってくれます。

      【教科書は文学への入り口】って素敵な表現です♪
      学校に通っているときに、そのことに気づけたら良かったのに・・
      あ、これはワタクシのことなんですけどね。
      大人になった今読んでも楽しい一冊だと思います。
      2014/01/13
  • おじさんは黒くてぴかぴかの傘を持っていました。出かけるときはいつも持って出かけます。でも、雨が降ってもささないのです。傘が濡れるからです。
    ある日おじさんが公園のベンチで傘に見とれていると、雨が降ってきました。「その傘に入れて」という男の子。おじさんは聞こえないふりをしますが、そこへ男の子の友達の女の子が来て、二人で歌を歌いながら行ってしまいます。
    「あめがふったらポンポロロン あめがふったらピッチャンチャン」
    本当かなあ?
    おじさんはついに傘をさしてしまいます。

    誰にでもある独自のこだわりと、それを手放した時に得るものを描いた作品。大人でも十分楽しめます。

  • 中古購入

    おじさんの気持ちがわかりすぎる
    レア物・限定物という言葉に弱い私は
    未開封のオモチャを開けずに眺めている
    一昔前にフィギュアが流行った時に
    スターウォーズとプレイモービルを
    集めまくった
    未開封や美品は後に高値で売れる
    そう知ったら開けづらくなる
    じゃあ後で売るのかと聞かれたら
    答えはNOだ
    だけど
    その物の価値を守りたい 高めたい
    そんな思いからの行動だ
    いい大人がオモチャなんか…と思われるだろうが
    いい大人が真剣に考えて作ったオモチャ
    私にはとても魅力的なのだ
    おじさんはこれが傘なわけだが
    いつも持ち歩き
    雨が降ったら人のを借りる
    私の上をいかれた(笑)
    しかしある時に
    使うことの楽しさを教えられる
    私の場合は友人から
    おじさんと同じく
    周りにうらやましがられることはない
    でも自分の中だけでのこの高揚感
    小さな果てしない幸せ

    この絵本の凄いところは
    みんなの目
    文章が無くても
    なんであのおじさん傘貸してくれないのかしら?
    というような心の声が聞こえてきそう
    こんなにデフォルメされているのに
    とてもリアルだ
    まさに目は口ほどに物を言うというやつだ
    おじさんの気持ちもダダ漏れ
    最後に白ネコが
    濡れた傘を見るのがまたいい
    奥さんの寛大さもステキ

  •  出かける時はいつもかさを持って出かけるのに、その立派なかさが濡れてしまうのが嫌で、雨が降ってもかさをさそうとしないおじさん。

     あめが ふったら ポンポロロン
     あめが ふったら ピッチャンチャン

     子どもたちの声につられて、とうとうかさをひらいてしまったおじさん。おじさんの気持ちは……

    使うためにある物なのに、大事だと思うとなかなか使えない気持ち、良く分かる。でもそれってどうなの?

  • 使わずに綺麗な状態が保たれている、おじさんの傘。
    汚れてしまうので、雨が降ってもおじさんは傘を開きません。
    しかし、公園で出会った子供たちの雨の歌が気になってしまい…。
    面白い変わったおじさんを楽しめる絵本です。

    • goya626さん
      素晴らしい絵本ですね。子どもへの読み聞かせにぴったり。
      素晴らしい絵本ですね。子どもへの読み聞かせにぴったり。
      2020/01/14
  • あまり興味を持たなかったので
    ミュージカル調に読んでみた

    おじさんが傘を大事にしてる姿がかわいい
    大切なものは汚したくない
    でも傘をさすと素敵な音がする

  • 大切な傘
    雨の日の音

  • 大人にもひびくぜ【おすすめ】
    子供がどう思うかは知らん!
    私のヒット絵本!!! 心に染みるからいいのだよ!!

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著者プロフィール

1938年、北京生まれ。絵本作家。ベストセラー『100万回生きたねこ』のほか『おじさんのかさ』、『ねえ とうさん』(日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)など多数の絵本をのこした。
主なエッセイ集に、『私はそうは思わない』、『ふつうがえらい』、『シズコさん』、『神も仏もありませぬ』(小林秀雄賞)、『死ぬ気まんまん』などがある。
2010年11月逝去。

「2021年 『佐野洋子とっておき作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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