森の絵本 (講談社の創作絵本)

  • 講談社 (1999年8月9日発売)
3.77
  • (60)
  • (53)
  • (77)
  • (6)
  • (6)
本棚登録 : 801
感想 : 92
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (31ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061322370

作品紹介・あらすじ

あなたのいちばんたいせつなものをさがしにゆきませんか?

「森へ ゆこう」
その声は いいました。
「いちばん だいじなものが 森のなかに ある。
きみの いちばん たいせつなものが そこに ある」――本文より

ほんとうに大切なものについて考える絵本。きみのだいじなものって何?それはたとえば水のかがやき、花のいろ――。ともすれば忘れがちな大切なものだいじなものを、いっしょにさがしてみませんか……?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 森のどこかでよぶ声がします。

    「きみのだいじなものを、たいせつなものを、いっしょにさがしにゆこう」

    森に入り、先に先にすすみます。
    森のみどりが読者を包み込みます。

    柔らかい色合いの絵と、長田弘さんの詩が癒やしとともに大切なものを届けてくれます。

  • 長田弘さんの詩の絵本ですね。
    絵は荒井良二さん『空の絵本』のコンビです。

     どこかで よぶ声が しました。
     でも 見まわしても だれもいません。

     すると また よぶ声が しました。
     こんどは ずっと すぐ近く です。

     でも やっぱり だれもいません。
     木のうえに ひろがる 青い空。
     風がはこんでくる 日の光。

     「ここだよ」その声は いいました。
     小さな声なのに とても 澄んだ声でした。
     でも こえのほか すがたは見えません。

      声にさそわれて、森のなかを探検に行きます。
    自然の美しさや清らかさ、穏やかさに大切なものを感じます。
     長田さんの詩は、最後まで呼び掛けています。

     どこかで よぶ声が します。
     ーーーだいじなものは 何ですか?
     ーーーたいせつなものは 何ですか?

     長田弘さんの詩に誘われて、森のなかを訪ねてみてください!
     荒井良二さんの緑豊かな色調と、温かでユーモアのあるイラストがゆったりと詩を彩ります。
     穏やかに、ファンタジーを感じながら愉しく伸びやかな絵本ですね。

    • ひだまりトマトさん
      メメさん、こんばんは♪ヽ(´▽`)/
      『森の絵本』は、長田弘さんの詩で森を感じることができると思います(´ー`).。*・゚゚
      メメさんの言わ...
      メメさん、こんばんは♪ヽ(´▽`)/
      『森の絵本』は、長田弘さんの詩で森を感じることができると思います(´ー`).。*・゚゚
      メメさんの言われるように、森の中の涼やかさを思い浮かべて、楽しめますね(*^▽^)/★*☆♪
      引き続き、暑さがピークになって来ますので、気を付けて週末を過ごされますようにp(^-^)q
      2024/08/02
    • メメさん
      ありがとうございます。(*´︶`*)
      ひだまりトマトさんも、ゆっくり身体を休めてくださいね。明日も良い日になりますように。♪
      ありがとうございます。(*´︶`*)
      ひだまりトマトさんも、ゆっくり身体を休めてくださいね。明日も良い日になりますように。♪
      2024/08/02
    • ひだまりトマトさん
      ありがとうございます(’-’*)♪
      善い週末になりますように(⌒0⌒)/~~
      ありがとうございます(’-’*)♪
      善い週末になりますように(⌒0⌒)/~~
      2024/08/02
  •  「空の絵本」「水の絵本」と読んで以来、ずっと忘れていた、詩人の長田弘さんの文と荒井良二さんの絵による、このシリーズ最後の一冊。

     森の絵本と聞くと、森の素晴らしさだけを問い掛けていると思われるかもしれないが、本書については、『きみの大事なものや大切なものを探しに行こう』ということに繋がることによって、改めて、私達人間にとって、かけがえのない大切なものを与えてくれる、それは森の存在意義を感じさせてくれると共に、決して自ら失わせるようなことをしてはいけないことを教えてくれる。

     また、人物等にはファンシーなイメージのある荒井さんだが、改めてそれらの無い、剥き出しの自然だけを描いた絵には心奪われるものがあり、本書の幹まで緑色に染め上げた森の景色には、心象風景としての心地好さを感じられて、ずっとそこに留まっていたい気持ちにさせられながらも、青で描かれた木々から見下ろすことによって、川の流れの淡い水色のきらめきが際立つ描き方や、最初の見開きから三番目のそれまで、ずっと右方向に移動しながら同じ森の景色を描いていること等、奔放な感覚で描きながらも緻密な計算をしている、そんな絶妙な凄みを感じられた。

     そして長田さんの文章は、所々、森から逸脱したものもあるけれども、言いたいことは分かるように思われたので気にはならず、そこで語られていたのは、時に人間は森を必要としたくなるような、私たちにとっての理想的生き方が垣間見られるようであった。


     世の中は常に忙しなく目まぐるしく変わり続けるけれども、そんな中でも森は、静かにゆったりとした呼吸で数え切れないような壮大な時を生き続けており、そうした幽玄さは実際に行ってみれば感じられるであろう、言葉にできない感覚、それはおそらく原初の頃から人間が本能的に求め続けてきた、心に溜まった蟠りを解放させて、それと引き換えに何者にも囚われないゆとりを持つことなのだろうと、私には思われたのであった。

    • りまのさん
      たださん、真夜中にごめんなさいm(_ _;)m
      きっと、熟睡してらっしゃいますように。

      『森の絵本』を読み終えて、レビューを考えていたので...
      たださん、真夜中にごめんなさいm(_ _;)m
      きっと、熟睡してらっしゃいますように。

      『森の絵本』を読み終えて、レビューを考えていたのですが、どうしても、最初の言葉が出てこないのです。そこで、私の心の師匠である、たださんのレビューを読んでみることにしました。
      とても素晴らしかった!頭の中でいろいろと考え、感じとった すべてのことが、気持ち良く表現されていました (≧∇≦)b

      きっと、とても推敲されたのだと思います。

      『空の絵本』では、現在公開しているレビューを、だいぶ削り、たくさん付け足して、何とか読んでハズカシイ けれども、自分で納得できるものが仕上がりました!
      この後、もう眠りますが、また明日から、頑張ります! たださん、遠くから見守っていてくださいね 〜 ♡
      ぐっすり眠って、ステキな夢をも、見ることができますように! ♥
      おやすみなさい (*˘︶˘*).。.:*♡
      2024年7月21日 AM 4:07 りまの
      2024/07/21
    • たださん
      りまのさん、こんにちは。
      私は寝る前にサイレントにしているので大丈夫なのですが、もしまだお休みでしたら、ごめんなさい<(_ _)>

      思いも...
      りまのさん、こんにちは。
      私は寝る前にサイレントにしているので大丈夫なのですが、もしまだお休みでしたら、ごめんなさい<(_ _)>

      思いもかけないお誉めの言葉、畏れ入ります。大した語彙や表現も知らずに書いているので恥ずかしいのですが、とても嬉しく誇りに思います。
      ありがとうございます(*'▽'*)

      この絵本は荒井さんらしさいっぱいの、家から手が伸びて握手する描写も印象に残り、とてもメッセージ性に富んだ素敵な絵本だなと感じまして、おそらく、りまのさんがコメントをくれなかったら忘れたままでいたと思います。ありがとうございます。
      りまのさんのレビュー、楽しみです(^o^)

      「空の絵本」、完成されたのですね♪
      一度書き上げたものを見直して、改めて完成させるというのは、思いの外、大変であるのかと思います。お疲れさまでした♡
      私でよろしければ、ぜひ千葉から見守っております。
      今日も、りまのさんにとって、素敵な一日でありますように(´▽`)

      2024年7月21日11時27分 ただ
      2024/07/21
  • 長田弘さんと、荒井良二さんの素敵な絵本
    長田さんの言葉がこころに沁みる
    ページをめくるたびに、一面に広がるみどり!
    疲れた時に読みたい本

  • 緑色ってなぜか落ち着きます。
    森の中で、深呼吸するイメージでこの絵本を読みました。

    長田弘さんの素敵な詩に、荒井良二さんが描いた絵。素敵です。このシリーズに今回も、とても癒されました。

  • だいじなものは、 何ですか?ー
    たいせつなものは、 何ですか?ー

    深い

    ずっと 響く

    『ほら、あの 花々の色』のページが好き。

  • 森の中、記憶の中でなぜだかずっと好きである。
    それは、きっと何かに、誰かに、出会えるかもしれないと思っているからかもしれない。

    この絵本も教えてくれる。
    森の中へと導かれて…
    いちばんだいじなもの
    たいせつなもの

  • 詩人長田弘が亡くなり、行き付けの図書館でも、本屋にも追悼コーナーが展示されていました。読書記録を振り返ると、幾つかの詩編、絵本を読んでいた。岩波新書の「なつかしい時間」、いせひでこさんとの絵本「最初の質問」は手元にあり繰り返し親しんでいる作品です。

    森の絵本、
    「森へゆこう」
    「いちばん だいじなものが 森の中にある」
    「きみの いちばん大切なものが そこにある」

    流れる水のかがやき、微笑む花の色、明るい子供の笑い声、懐かしいあまいクッキーのにおい、とてもすきだった本、夢、大好きな人と重ねた手のあたたかさ。

    大切なもの、忘れてはいけないものは、これまで過ごしてきた時間や日々のささいな出来事が織りなす森の中に、静かに隠れている。なにかのひょうしに思い出し、心の深い森から顔を出す懐かしい感覚。

    長田さんの多くの作品には、大きな樹が人の思いを映した人生そのもののようにシンボリックに出ている気がします。長田弘「全詩集」も出ていますが、高い!

  • 先日森林浴をして気持ちよかったので、こちらの絵本を選んでみた
    絵本は音読するとなお一層楽しめる
    長田弘さんの詩に荒井良二さんの絵が豊かさを深めてくれる

    「きみの だいじなものを さがしにゆこう」
    「きみの たいせつなものを さがしにゆこう」

    花々のいろのページの鮮やかさに心が踊ったり、本のなかにはきみのだいじなものがある、という文にじんわり感動が広がったりします

    しずかな森の中で、ゆたかな沈黙を感じて小旅行をした気分になりました

  • 他の方の本棚で見かけて、久しぶりに再読した。
    十数年前、画家の荒井良二先生のワークショップに参加させていただき、絵本を持ち込んで、こっそりサインして頂いた。挿絵まで描いていただき、大切すぎて読めなかったかも。
    表紙から数ページ、圧倒的なグリーンに、この本を選んだ。大切なものも、きっとここにある。

全92件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1956年山形県生まれ。『たいようオルガン』でJBBY賞を、『あさになったので まどをあけますよ』で産経児童出版文化賞・大賞を、『きょうはそらにまるいつき』で日本絵本賞大賞を、『こどもたちは まっている』で日本絵本賞を受賞するほか、2005年には日本人として初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞するなど国内外で高い評価を得る。また、NHK連続テレビ小説「純と愛」のオープニングイラストを担当、2018年まで「みちのおくの芸術祭山形ビエンナーレ」芸術監督を務めるなど、その活動の幅を広げている。

「2023年 『みんなたいぽ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

荒井良二の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×