新装版 八方にらみねこ (講談社の創作絵本)

著者 :
制作 : 清水 耕蔵 
  • 講談社
4.28
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本棚登録 : 70
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061322653

感想・レビュー・書評

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  • レビュー数が少ないのが、とても残念。こんなに面白いのに。
    序盤懐かしさに心がふわっと和み、中盤は迫力で圧倒され、粋なラストにはまたもやほんわかとする。第19回ボローニャ国際児童図書展エルバ賞受賞作品。このエルバ賞というのは子どもたちが選考するらしい。
    そして第4回絵本にっぽん賞受賞作でもある。
    福音館の「母の友」という本の、昭和55年3月号に掲載されたという作品の絵本化。

    捨て猫の小さなミケが、雪道をひとりでとぼとぼ歩く絵から始まる(もうここだけで切ない)
    ミケを拾って可愛がってくれたのは優しいおじいさんとおばあさん。
    せめてもの恩返しにと、養蚕の季節に蚕を狙ってやって来るネズミ退治に挑むミケだが。。

    3ページ目の小正月(1月15日)の部屋のしつらいが、とても懐かしい。
    柳の繭玉飾り、丁寧に飾られた神棚、囲炉裏で炙られる魚、山盛りのミカン、背負い籠にまでしめ縄が飾られている。
    よくよく考えてみればこのような風景は私の思い出には存在しないはずなのに、「郷愁」というのはどこから湧き出るのだろう。もしや遺伝子に組み込まれているのだろうか。
    ラストから2ページ目の里山の風景にも、じわぁっと小さな涙が出そうになる。これは山桜、これは菜の花、これは蒲公英、馬小屋の屋根のナズナにまで不思議な親しみを感じるのだ。

    さて、あべこべにネズミに退治(?)されて散々な目にあったミケは、「こんなことではなさけない」と、山に修行に行く。ネズミたちの歌で唄われていたヤマネコ様に、にらみの術というのを教わりに行くのだ。
    ここからはうって変わって大迫力の絵が続いていく。それがこの表紙絵。
    鮮やかな色彩と、ミケのらんらんと燃える眼。ヤマネコ様の、もう怖いこと怖いこと。ほとんど劇画タッチ!さぁ、弱虫で小さなミケは辛い修行に耐えて、無事元の家に戻れるのか・・?

    「猫の恩返し」の話と言ってしまえばそれまでなのだが、それだけではない奥深さがある。
    養蚕業が盛んだった頃の話でもして、ぜひ子どもたちの興味など惹きつけたい。
    美しい絹糸を紡ぎだすまでの、ご先祖様たちのそれはそれは大変な苦労。
    桑の木を育て(地図記号にあった、アレです)休みなく綺麗な葉を与え続け、一家総出で蚕たちのお世話に追われただろう日々。
    繭玉を煮て中のサナギを死なせるところでは、必ず「可哀想=」と声が上がるかも(笑)。
    そして、自分たちの暮らしを支える大事な「お蚕様」を狙うネズミを退治するために、猫もひと役かっていたこと。作者の後書きによれば、養蚕農家は猫の絵馬を神社に奉納していたらしい。

    本当に残念なことに、私は養蚕の過程をこの眼で見たことがない。
    説得力に欠けることこの上ないので、この際もう少し蚕について学んでおくことにしよう。
    可愛いだけじゃなく、賢さと凛々しさもある猫のお話。描きこまれた日本の風景にもご注目。
    ネズミたちの歌にメロディを付けて歌うともっと楽しいだろうなぁ。練習しようっと。
    約10分。幼児から大人まで。

    • nejidonさん
      5552さん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!
      150年以上も風雪に耐えている家というだけで驚きで...
      5552さん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!
      150年以上も風雪に耐えている家というだけで驚きです。我が家の倍以上の年月ですよ。
      建築技術が確かなものだったのでしょうね、羨ましいです。一度ぜひお邪魔したいわ・笑

      暮らしを支える大切なものだから、「蚕」と呼ばずに「お蚕様」と呼んだらしいですよね。
      そうですか、そんな思い出のある家、今では貴重です。
      天井が黒くなっているのはその名残なんでしょうね。
      と言うと、ごく近くにまだ桑の木が残っていたりして。
      私は田舎育ちなので桑の実はずいぶん食べましたが、養蚕は知らなくてすごく残念です。

      そうなのです、このミケはとってもいじらしいんですよ。
      いいよいいよ、お前は猫なんだからと、かばってあげたくなります。
      でもちゃんと、たくましくなって帰りますので、立派な姿を見てやって下さいね。
      談話室の「猫の表紙の本」にも5552さんはレビューを載せてらして、思わずニッコリしました。
      私も二回載せましたよ。でもね、まだあるのです!
      自分が読みたい本もなかなかクリア出来ないのに、皆さんのお薦めも魅力的で。
      ああ、忙しくて楽しいです・笑!!
      2018/01/23
    • 杜のうさこさん
      nejidonさん、こんにちは~^^

      この本、面白そうですね!
      早速読みたい本に登録しました。

      今高田郁さんのシリーズで呉服商...
      nejidonさん、こんにちは~^^

      この本、面白そうですね!
      早速読みたい本に登録しました。

      今高田郁さんのシリーズで呉服商の話を読んでいて、お蚕に興味があったので勉強になりました。
      ありがとうございます!
      お蚕というと、昔ドラマや映画で見た「あゝ野麦峠」を思い出します。
      女工さんたちが過酷な環境でお蚕から糸を取り出している場面は衝撃でした。

      nejidonさんの本棚は、ネコちゃんはもちろん、
      自分では手に取らないであろう本がたくさんあっていつも勉強させていただいてます。

      比べるのもおこがましいんですが、私の子どもっぽい感想にいつもいいね!を下さって、ありがとうございます!嬉しいです!

      連日の氷点下、おからだの調子はいかがですか?
      ネコちゃんも寒くて大変ですよね。
      道端の子たちがとても気になる季節です。

      前回のコメント、さっき読み返したら少しグロかったかも…
      慌てて書き直ししました。(小心モノです^^)
      忘れて下さいね~
      では、今年も素敵なレビュー楽しみにしています。
      よろしくお願いいたします。(*^-^*)
      2018/02/01
    • nejidonさん
      杜のうさこさん、こんにちは(^^♪
      ポチとコメントをくださり、ありがとうございます!
      ちょうど風邪をひいてしまい、ぼーんやりした頭で書き...
      杜のうさこさん、こんにちは(^^♪
      ポチとコメントをくださり、ありがとうございます!
      ちょうど風邪をひいてしまい、ぼーんやりした頭で書きこんでいます・・
      そうそう、このコメントは二度目かと思いましたが書き直しですか。
      グロいというのは、もしや煮た時にすごいにおいという部分かな?
      ぜーんぜーん気にしてません・笑 じゅうぶん想像がつきますもん。
      お気遣いいただいて、かえってすみませんでした。
      「あゝ、野麦峠」はずいぶん前に見ましたが、確かに過酷な境遇で働いてましたよね。
      映画であれだけということは、現実はもっともっとだったことでしょう。

      私のレビューは、子どもたちに読み聞かせるのをシミュレーションしているのです。
      何度も読みこんで、関連する本も読んで、大体20回くらい読みの練習をします。
      それでも失敗するときはするんですよね・笑
      読み聞かせがなかったら、きっとこれだけ読み込まないかも、です。
      杜のうさこさんのレビューはいつも作品への愛情が感じられてとても好きです。
      みな人それぞれの持ち味なので、比べるのは意味がないと思いますよ。
      何しろ、お名前を見なくても文章だけで「あ、これは○○さんだ!」って分かりますから。
      同じ本を読んでも視点が違うのも面白いところです。

      「八方にらみねこ」を読まれたらぜひ感想をお聞かせください。
      とにかく楽しんでくださったら本当に嬉しいです!
      2018/02/01
  • フォローしている方のレビューで知り、その迫力ある表紙の猫の絵にものすごく惹かれました。
    近くの図書館にたまたまあったのでラッキーでした。(でも閉架資料でした。もったいない!)

    見開きで描かれる山の村の雪景色。
    その雪の白と木々やおうちの茶色のあたたかみのある絵にほうっと目が奪われ、文章を読んで目を下の方に向けるとそこにはトボトボと歩くみけらしい姿が!

    もうここで愛情がぎゅいーんと(笑)

    みけの真上に描かれている木に一枚だけ赤い葉っぱが残っていて、みけの心細さを表すと共に、読んでいる人がみけを見つけやすいようなアイキャッチになっていてその絶妙な配置に唸った。

    たどり着いたおうちには優しいおばあさん、おじいさんがいてみけがおじいさんの膝で安心して寝ている姿に思わず涙が。

    ふたりは養蚕業をやっていて、千も、万もの‘おかいこさま’のためにせっせと桑の葉を食べさせてやる。昼も夜も。その場面を想像すると本当に無垢な生命力に溢れていて、人々が蚕に‘さま’をつけているのももっともだと思ったし、それをした昔の日本人のメンタリティに敬意を感じる。

    その‘おかいこさま’の命を狙うねずみどもに勢いよく挑んだものの惨敗したみけ。
    ねずみどもが恐れるやまねこさまの‘八方にらみの術’を教わりに山の深きところにのぼることに。

    この場面のみけは最初のページとおなじように人の小指の先程の小さな姿で描かれる。でも黒と灰色の山の景色にも関わらずその姿は凛々しく雄々しく見える。
    そしてみけの修行が始まるのだが...。

    もう最初から最後までみけが愛しくて愛しくて...。
    パステルで描いているのかな、みけの毛並みが柔らかそうで触りたくなる(笑)
    キャラクターもおじいさん、おばあさんの穏やかかな表情から、みけややまねこさまの迫力ある姿までの描き分けがすごい。
    うちの仏間にみけの‘八方にらみ’のページを開いて飾っておきたいくらい。(恥ずかしながらねずみが出る)

    素敵な絵本の紹介ありがとうございました!

    • 5552さん
      chikako0420さん、こんばんは。
      コメントありがとうございます!
      たぶん同じ方のレビューを読んだのですね。
      本当に素敵な絵本で...
      chikako0420さん、こんばんは。
      コメントありがとうございます!
      たぶん同じ方のレビューを読んだのですね。
      本当に素敵な絵本でした。
      絵もお話も大満足。
      でも、私、何回「みけ」って書いてるんでしょう?もう夢中ですね(苦笑)
      猫好きな方ならみけにノックアウトされちゃうと思います(^-^)

      またいつでもお越しください!
      2018/03/30
    • nejidonさん
      5552さん、こんばんは(^^♪
      わぁぁぁ!何だかとっても嬉しいです!
      感動が伝わる素敵なレビューですね!
      そうそう、この絵がね、良い...
      5552さん、こんばんは(^^♪
      わぁぁぁ!何だかとっても嬉しいです!
      感動が伝わる素敵なレビューですね!
      そうそう、この絵がね、良いんですよねぇ。
      小さな小さなミケが本当に愛らしくていじらしくて。
      自然描写も味があっていいですよね。
      仏間ににらんでいる猫絵を飾りたいというおうちは、きっとたくさんあると思います。
      ネズミが出る家はこちらにはたくさんありますし。ネズミって移動しますからね。
      よく「猫を貸してほしい」というお願いをされます。
      でもいまどきの子たちなので、全然お役に立てないみたいです(大笑い)

      一冊の本が、レビューから色々な方に広がっていく。感激です。
      作者でもないのですが、本当にありがとうございました。
      2018/03/30
    • 5552さん
      nejidonさん、こんばんは。
      コメントありがとうございました!
      この絵本最高でしたよ~。
      最初のページでみけがトボトボ歩いている姿...
      nejidonさん、こんばんは。
      コメントありがとうございました!
      この絵本最高でしたよ~。
      最初のページでみけがトボトボ歩いている姿を見つけた時から他猫とは思えなくなりした。
      ダイナミックな構図の絵の連続に興奮しつつ、みけの気持ちを想像して何とも言えない気持ちになるという贅沢な時間を過ごしました。

      うちにも猫が三びきいるのですが、ねずみのカサカサっという音にもびくともしません。
      現代っ猫はお腹と心が満ち足りているので、あんまりがっつかないのかもしれません。
      猫なのに草食系...(^-^)

      この絵本のご紹介ありがとうございました!
      だからブクログは止められない!!
      2018/03/30
  • ★★★★★
    私の定番読みきかせ絵本です。
    にぎやかでも読み始めるとみんなお話に引き込まれます^^
    みけといっしょに修行しちゃうみたいで、目がイタイとか、にらみの術で目つき悪くなったりする副作用が・・
    (まっきー)

  • 図書館で見かけたとき、小さかった頃に読んで面白かった記憶が一瞬で戻った。みけのいじらしさや、にらみの術を身につけるスポ根ぽい要素や、一度コテンパンにされた相手(ねずみ)に打ち勝つ成長譚に、子供ながらに萌えたのだと思う。
    いま、自分の子どもが何度も読み聞かせをせがんでくるのが嬉しい。
    きっと、ストーリー的にも魅かれる要素が多いんだろうな。
    絵も、みけが成長するにつれ、精悍に変わっていくところがかっこいい。やまねこや成長したみけ、迫力があって引き込まれる。

  • ねずみにバカにされる子猫。
    「八方にらみ」の術を伝授され必死に練習します。
    ものすごい迫力の絵でぐいぐいひきつけられ、思わず力が入ってしまいます。
    つらいときに読むと元気が出るかも。読み聞かせにも最適です。
    表紙絵からすごい迫力。

  • 研修で知り、借りてよんだ。

    捨てねこだった子ねこを拾ってくれた、
    ばあさとじいさ。恩返しのつもりで、
    おかいこをねずみたちから守ろうとしても、
    ちびねこのみけでは力不足。みけは
    「八方にらみの術」を会得するために、
    山に修行に入りますが!?
    (カバーそでより)

    表紙がかわいい。
    地の文もセリフも、わかりやすい方言。
    「八方にらみ」という言葉を初めて知った。
    はじまりは小正月で、おわりは春。
    懐かしい日本の風景と養蚕業。
    「やまねこさま」が妖怪みたいで、それもまた、子どもにうけるのかもしれない。
    本編のみけの目はぎょろぎょろしすぎていて、マンガ『NARUTO』を思い出した。

  • おじいさん、おばあさんに助けてもらったこねこ。恩がえしをするため、ねずみとたたかいます。「八方にらみ術」を手に入れるため、山に修行に入りますが・・・

  • 4,5分

    むかしばなし。
    蚕を食い荒らすねずみを睨んで追い払うねこ。
    むかしばなしとして読んであげるには良いと思います。

    ねこが八方にらみねこになるために
    すごく頑張って修行しますが、
    それほどの恩義をじいさんばあさんに
    感じるようになったという描写がないので
    少し物足りなく感じました。

    長いバージョンの話があるのかな・・

  • かわいがってくれるおじいさんとおばあさんの役に立ちたい、子猫のみけ。

    「おかいこさま」によって来るネズミにバカにされ、追い払うこともできない子猫は、
    厳しい修行に出る。


    血のにじむような努力をして、立派に成長するみけの姿が、感動です。


    11~12分くらい。

  • "キュー バタン"が気に入ったらしい。。。

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