キャラメルの木 (講談社の創作絵本シリーズ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (34ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061322998

作品紹介・あらすじ

夏休みに初めてきいた戦争のおはなし

「おばあちゃんはね、むかし、うそをついたの」それは戦争中、物がなかった時代のお話。小学生のしんのすけの胸に、おばあちゃんの言葉がコトリと落ちてきました。

感想・レビュー・書評

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  • 「おばあちゃんはね、むかしうそをついたの。
    その右がわの大きな木が
    まだとっても小さな木だったころ、
    せんそうがあってね」
    「せんそう‥‥」
    ぼくはおばあちゃんを見た。
    「そう、おばあちゃんのおとうとのたかしは
    しんちゃんとおなじ6さいだったの」
    (略)
    (病気でガリガリに痩せたたかしに)
    「いったの。
    『たかし、あの木、見えるでしょ。
    にわのあの木、キャラメルがなるんだって。
    キャラメルの木なんだって』って。
    たかしの目がキラッてかがやいた」

    その夜たかしは死んでしまう。
    その嘘をおばあちゃんはずっと悔やんでいた。
    でも、ホントに悔やんで悔しかったのは
    多分「嘘」じゃない。

    今年6月、終戦当時7歳だった女性から空襲の話とかいろいろ聴く機会があった。その時、戦争が終わった後で覚えていることを聞いたら、こんなことを真っ先に話してくれた。
    「アメリカ人がやってきて、チョコいっぱい持ってきて、大きいチョコ板を一枚貰った。みんな涙を流して喜んだよ」
    事情があって3回同じ話を聴いたのだけど、3回やはりこの話が出た。それほどまでにチョコの甘さは衝撃的だったのだろう。77年間事あるごとに思い出しているのである。吉沢久子さんの日記でも、自分の1か月の給料は120円なのに、闇では、砂糖一貫(3.75キロ)400円したとあった。7歳だった女性は、砂糖なんてその時まで食べたことがなかったのかもしれない。都会で食べていたキャラメルが、急速に無くなる前、たかしの記憶に残っていた味はどんな味だったのだろう。

    おばあちゃんはずっと悔しかったのだろう。
    砂糖が手に入らない悔しさをどうにも出来なかったから。
    戦争はどうにかしたいけど、
    どうにもできないことの根本だ。
    とうにもできなかったことを悔やんで、
    たかしにずっと謝っていたのだろう。

    しんちゃんは、そのあと死にゆくおばあちゃんのために
    やさしい嘘をつく。

    cinejazz0906さんのレビューで読ませていただき紐解きました。

  • キャラメルの木 | 「木の絵本と森の童話」をあなたといっしょに。木のことばを聴く 杉原梨江子が贈ります
    https://ameblo.jp/sugihara-rieko-tree/entry-10607474944.html

    キャラメルの木 | フリーアナウンサー&Happyハンター! 菊地喜美子の幸せ発見♪
    https://ameblo.jp/sunandsunflower/entry-11526114466.html

    [彩職賢美]児童文学作家の上條さなえさん|書き続けることが私のメッセージ|fun okinawa~ほーむぷらざ~
    https://fun.okinawatimes.co.jp/columns/life/detail/9376

    『キャラメルの木』(上條 さなえ,小泉 るみ子)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000138117

  • おばあちゃんの嘘は優しい嘘だった。
    弟さんだってちゃんと分かってた。
    でも残された方はいつまでも心残りになってしまうよね。
    こんな悲しい事が起こってはいけない。二度と。

    この話とは関係ないけど、「サンタさんのプレゼントってどうやって用意してるのかな?」という下の子に対して上の子が「世界中の武器をオモチャに変える魔法の力を持ってるんだよ!」と言っていた。
    母もその考えを支持します。
    世界中の兵器が玩具に変わりますように。
    子ども達の笑顔になりますように。

  • もうすぐ妹が生まれる小学1年生の<しんのすけ>が、夏休みに田舎のお婆ちゃんから聞いた〝秘密〟それは、お婆ちゃんが戦争中に病気で苦しむ弟についた、一つの嘘のお話しだった・・・「姉ちゃん、キャラメルが食べたいなあ」 食べ物も薬もなくて、日に日に痩せていく弟を不憫に思い「たかし、庭のあの木、見えるでしょ。キャラメルがなるんだって。キャラメルの木なんだって」「ほんと、姉ちゃん、ほんと?」「もう少しでなるのよ。キャラメルがいっぱいなるのよ」・・・その夜、たかしは死んだ、6才で・・・。 涙を誘う家族の物語絵本。

  • 優しさが溢れる絵本

  • なんだか悲しくなる話だったので娘はちょっと残念そうだった。大人には染みる。

  • おねしょを正直に言う男の子と、木にキャラメルがなると嘘を言ったまた弟が死んでしまったおばあちゃん。

  • しんすけが、夏休みにきいたおばあちゃんの秘密。それは、戦争中におばあちゃんがついた、一つのウソのおはなし。
    戦争の時、おばあちゃんの弟、たけしは しんすけと同じ、6才だった。食べる物がなくなってきて、みんなお腹をすかせていた。病気で寝ていた たけしは、キャラメルが大好物。寝ながら、「キャラメルが食べたいなあ・・・」って言ってた。だから小さかったおばあちゃんは、庭から見える木をさして、「あれはキャラメルの木だよ。もう少しでキャラメルがいっぱいなるよ」と言った。そして、その夜、たけしは死んだ。おばあちゃんのウソは、ちゅうぶらりんのまま。
    おばあちゃんは、お仏壇のたけしに、キャラメルを供える。
    そして、そのおばあちゃんが病床にいた。しんすけはパパと、おばあちゃんの庭の木にキャラメルをつけたあげる。「おばあちゃんはウソをついてないよ」って。
    おばあちゃんは亡くなり、しんすけは、お仏壇のおばあちゃんに、キャラメルをお供えする。

  • 「にわの あの 木、キャラメルが なるんだって」

    おばあちゃんがついたひとつの嘘。
    それは戦争中の悲しい嘘でした…

    大事な人に嘘をついたことはありますか。
    それがどんなに仕方のない嘘でも、
    心のどこかに小骨のようにひっかかっていること
    ありませんか。

    どうしようもなかったんだと心に言い聞かせてみるけど、
    それでも消えない、嘘をついた事実。
    いつ誰がその黒い塊を取り除いてくれるのでしょう。

    しんちゃん、君はおばあちゃんのその塊を
    ちゃんと取り除いてあげたんだ。
    おばあちゃんの涙がそれを証明しています。
    おねしょはするけれど…でも、立派なお兄ちゃんだね。

    やわらかな色あいの、色鉛筆で描かれたような優しい絵本。

  • ”嘘”のキャラメルの木を、紙で作った孫。よく覚えてたなぁ。よく作ろうとしたなぁ。それだけ、おばあさんの苦しい胸の内が、心に刻まれていたのだな。

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