新装版 むぎわらぼうし (講談社の創作絵本)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 105
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061323339

作品紹介・あらすじ

ぼうしの中には、まだ夏がある。みんなであそんだ、あの海が。「絵本にっぽん賞」受賞、「よい絵本」選定の名作を、新装版で。

感想・レビュー・書評

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  • わたしの なつは、
    どこへ いって しまうの?


    主人公「るるこ」の、おねえさんが秋だと言っても、まだ夏だと言い張り、むぎわらぼうしを被ろうとする、その一途な思いとは、いったいなんなのか?

    それは、るるこの、繊細な心に触れる美しい物語。

    表紙の、るるこの印象的な立ち姿は、決して恥ずかしがっているわけではなく、物語を読むと、その意味するところが分かり、背景の美しい海の光景が、まるで幻想味を帯びてくるような気がしてしまい、より切なさが増す。

    むぎわらぼうしは、むぎわらの匂いであるとともに、ひなたの匂いがする。

    それは、ちょうどあの時、飛んできたぼうしが、お日さまと重なった瞬間への入り口でもあった。

    むぎわらぼうしさえあれば、夏は何処へもいかないと思っていたのに・・・背景の色の変化が、そのまま、るるこの心の思いを表している。

    いや、無くたって、夏は毎年来るに決まっているじゃないかと、思われるかもしれないが、そうではなく、るるこにとっては、そのむぎわらぼうしと共にあった夏こそが、夏なのである。

    繊細な少女が、かけがえのない一瞬のひと時を、どれだけ愛おしく大切に過ごし、かつ、それを、ずうっと思い続けているのかを教えてくれる物語は、いせさんの、きらきらした、美しくも胸に刺さる絵柄と共に、少女の心象風景も瑞々しく表現された、安易に「また夏は帰ってくるよ」とは言えないような、るるこ本人にしか分からない、るるこの感傷の物語でした。

  • 〝夏の初めに買ってもらった、<るるこ>の大好きな麦わら帽子・・・麦わら帽子の中には、みんなで遊んだ、あの夏の海がある・・・〟<竹下文子サン>作、<いせひでこサン>絵による「絵本にっぽん賞」を受賞した、懐かしい夏の日の思い出といじらしい子ども心が描かれた名作絵本。

  • 【9月の絵本】◆夏の名残り。ひなたの匂い。楽しい思い出があるから、大切なむぎわらぼうしなのです。深くかぶって、思いのたけ夏に浸って、今年の夏を卒業します。外には新しい季節が待っています。
    ◆青が美しい。絵:いせ ひでこ
    ◆瀬川康男の絵本『ぼうし』を読んで、無性に一緒に読みたくなって借りてきました。
    【2013/09/28】

  • 寂しげな少女、波のしぶき、風の描き方が良かった。

  • 絵本を読んで、ほぅーっと久しぶりに息をついた気がした
    波も麦も、いせひでこさんにかかればこんなにも新鮮でうつくしく見える
    最後の結末にがっかり拍子抜けしつつ、でもホッとする

  • 過ぎ行く夏に抵抗する女の子の葛藤を麦わらであらわした幻想的な雰囲気がとてもすてきな絵本。

  • おねえさんの呼ぶ声が聞こえます。もう秋なのに麦わら帽子かぶって行くなら連れて行かないとおねえさん。妹のるるこは大好きな麦わら帽子を深く深くかぶって、夏の海辺の世界へと入って行きます。やがて気がつくと、帽子は縫い目が大きく破れてもう被れません。「るるこはやく」おねえさんの呼ぶ声が聞こえます。なんとも言えない雰囲気ですが、いい場面でした。

  • 色使いがきれいで、色による夏から秋へと季節が移り変わるさまの表現がよかったです。むぎわらぼうしに思い出のつまった夏が終わる切なさが感じられました。もう少しあとの季節に読むのにいいと思います。(メイ)

  • 帽子の中に、海がある。

    夏が終わってほしくないけど、すぐそこまで秋が来ている。

  • 懐かしくぼやけた自分の中の過去と再会できた。

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著者プロフィール

1957年、福岡県に生まれる。東京学芸大学在学中に童話集『星とトランペット』でデビュー。「黒ねこサンゴロウ」シリーズで路傍の石幼少年文学賞を、『ひらけ! なんきんまめ』で産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。『なまえのないねこ』で講談社絵本賞など6つの賞を受賞。主な作品に「のりものえほん」シリーズ、『まじょのむすめワンナ・ビー』『トリケラトプスのなんでもないいちにち』『しゃっくりくーちゃん』『ねえだっこして』『にげろ! どろねこちゃん』『なんでもモッテルさん』などがある。静岡県在住。

「2022年 『三日月島のテール 行くぜっ! 海の宅配便(全5巻)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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