大きな木のような人 (講談社の創作絵本)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 593
レビュー : 91
  • Amazon.co.jp ・本 (54ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061323926

作品紹介・あらすじ

人はみな心の中に、一本の木をもっている。パリの植物園。植物学者との出会い。少女の心に、小さな芽が育ちはじめる-。

感想・レビュー・書評

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  • 植物が大好きで、毎日のように植物園に通い絵を描く子(さえら)と植物園の人達とのお話。
    途中この植物園で研究をしていたソフィーが登場し、さえらに「わたしの植物図鑑、見る?」と語りかけます。
    さりげない一コマですがグッときます。「ルリユールおじさん」を先に読んでいて良かった!

    54ページの中に68種類の植物が描かれていたのには流石に気が付きませんでした。
    最後のページは、さえらが育てていた枯れたひまわりの絵。
    でも、この絵がとてもいいんです。来年咲くための種がいっぱいつまっているから。

    余談ですが私も時々植物園に行きます。
    見せるための人手を加えていない以下の2か所が好きかな。
    行く目的の半分は、どんな鳥に会えるかですが(^^♪
    今度行く時は、もっと草木をちゃんと見なくては!
    ・国立科学博物館附属自然教育園(白金台)
    ・東京大学大学院 理学系研究科附属植物園(小石川植物園)

    • nejidonさん
      kazuさん、こんにちは(^^♪
      懐かしさに思わずポチしました。
      私の古い古いレビューも(笑)見つけて下さってありがとうございます!
      ...
      kazuさん、こんにちは(^^♪
      懐かしさに思わずポチしました。
      私の古い古いレビューも(笑)見つけて下さってありがとうございます!
      読書ブログに載せていた記事をそのままコピペしたもので、あまりの
      拙さに自分でも笑ってしまいました。(でも添削はしませんが)
      小石川植物園はよく行きます。寺田寅彦さんも行っていたところで、
      それを知ってからなお一層行くようになりました。
      また興味深い本に出会いましたら教えてくださいね。
      今年もよろしくお願いします。
      2020/01/04
    • Kazuさん
      nejidonさん、こんにちは。
      正月休みになって、「愛なき世界」とこの本と、立て続けに植物が大好きな人達の物語に浸ってホッコリしています。...
      nejidonさん、こんにちは。
      正月休みになって、「愛なき世界」とこの本と、立て続けに植物が大好きな人達の物語に浸ってホッコリしています。
      実際に植物園に行くとなぜか空気が違うように感じますよね。
      光合成のおかげで酸素密度が違うせいかなと思ったりします。
      今年もレビューを拝見させてもらいますので、よろしくお願いします。
      2020/01/04
  • 人はみな心の中に
    一本の木をもっている…。


    パリの植物園を舞台に
    日本から来た
    絵を描くことが好きな少女『さえら』と、
    植物学者の『わたし』が出会い、
    やがて少女の心に
    小さな芽が育ち始める…。


    パリにある
    2本の樹齢400年の
    アカシアの木。

    その1本は
    同じ作者の名作
    『ルリユールおじさん』で描かれ
    (今作では主人公ソフィーも成長した姿で登場します)

    今回はもう1本の
    植物園で大事に育てられた木にまつわる
    暖かいストーリーになっています。


    孤独な少年と3本足の犬との出会いと別れを描いた『あの路』も
    いせひでこさんだったけど、
    この人の描く絵は
    どうしてこうも
    心に響くんだろう…。


    まるで上質な
    フランス映画を観ているかのような
    叙情的で詩情あふれる
    美しいカット割りと

    フランス国立自然史博物館をモデルに
    沢山の植物を
    その生態と共に
    丁寧に丁寧に描いた
    淡いグリーンを主とした
    繊細で優しい絵。


    孤独な少女が
    デッサンに来た植物園で
    向日葵の種をもらい
    育てることの楽しさと意味を知り、
    出会いと別れを経て
    少しずつ成長していく…。


    愛を知った
    植物を愛する少女
    『さえら』の
    健気な姿が
    本当にいとおしくてまぶしい。


    人間よりも長く長く生き
    沢山のものを見てきたであろう
    アカシアや
    プラタナスの木。


    自分の高校にも
    樹齢100年の木がありました。


    木は何も語らないけれど、
    沢山の季節やモノをずっとずっと
    見続けてきたんですよね。

    懐かしくて切なくて
    心のどこかに必ずある
    誰もが持つ記憶と共に。


    自分もいつか
    自然に還っていくその日まで、
    心の中の木を大事に育てていきたい。


    どちらかというと
    大人向けの絵本ですが、
    いつまでも心に残る
    ストーリーは勿論、

    とにかくため息が出るほど
    美しい絵を見るだけでも
    充分に価値のある作品です(^_^)


    是非とも続編で
    大人になった『さえら』を
    見てみたいなぁ〜♪

  • いせひでこさんの「木の三部作」2冊目です。

    日本の少女「さえら」と植物園で木の研究をしている先生との出会いの物語。植物園のあちこちに表れてデッサンしたり触れようとしたり、花を引っこ抜いたりする、おてんば少女「さえら」。そんな少女を見守ってきた木の先生が彼女に話しかける。樹齢400年のアカシアの木や3300万年前の木の化石を少女に見せてあげたり、植物について先生は少女にいろいろ教えてあげるうちに、少女はもはや植物園の一員のようになってしまう。嬉しいことに、「ルリユールおじさん」で出てきた少女「ソフィー」が成長した姿で研究員の一人として登場し、あの植物図鑑を「さえら」に見せようとする場面がでてきてほっこりしてしまう。そんな「さえら」がいよいよ日本に帰ることに。

    そうか、きみは日本に帰るのか。。。
    木の先生と「さえら」が樹齢250年のプラタナスを中心に互いに背を向け、語り合うシーンがとても印象に残る。実に美しい印象的な絵で、フランス映画のワンシーンのような寂寥感と優しさが漂う。

    この春夏の経験で、木の先生と共に過ごした少女はきっと、生きとし生けるものを慈しむ大切な心の中の芯を、まるで大きな木の根のようにしっかりと育てられたんだろう。

    • kanegon69 さん
      麻里さん、コメントありがとうございます。これです^ ^ この絵本も大好きなんですよねー。気を挟んで先生と少女が想いにふけるシーンが最高です...
      麻里さん、コメントありがとうございます。これです^ ^ この絵本も大好きなんですよねー。気を挟んで先生と少女が想いにふけるシーンが最高です。^_^
      2020/01/13
  • 大きな樹のような人
    Saera et le Botaniste

    扉を開けると語りかけてくる。
    「その木は、何も語らない。でも、たくさんの物語を知っている」

    夏のひととき、パリの植物園にやってきた少女さえら、フランス語の
    発音では「Ca et la あちこち」という意味の言葉と同じだそうです。
    植物園の中を飛び回りながら、輝く目をもって木々や、花を観察して
    行きます。スケッチブックには花の絵がいっぱい。

    水彩画の淡いタッチで描かれる、長い時を生きた木々は、その周りを
    楽しそうに巡るさえらを静かに見ています。

    400年も生きたアカシアの木。多くの物語を見てきた中、短い夏の間の
    少女の物語も、記憶の中にとどめたのでしょう。

    ルリユールおじさんのゾフィーも研究者になって登場。夏の終わりの
    プラタナスの木を背に、寂しそうに俯くさえらと先生の静かな風景が
    印象に残ります。

    「人はみな心の中に、一本の木をもっている」

  • 大きなプラタナスにもたれているふたりが、このお話の登場人物。
    右が植物学者さんで、左は「さえら」という名の日本人の女の子。
    お話は、植物学者さんの語り口で進みます。

    舞台はパリの植物園。その中の研究室に通う彼(お話の中では“わたし”という一人称です)が、園内のあちこちに出没する女の子を見つけます。
    好きなときに来て、好きな花をスケッチしているのですが、庭師さんたちにとっては迷惑な存在。ある日、一本の花を引き抜いてしまったことから、彼と触れあっていきます。

    「さえら」というその少女に、園内の木々や花を見せながら「あたらしいいのちが生まれている」ことを語りかけます。そして、さえらに、ひまわりの種を手渡すのです。。。

    いせひでこさんは「ルリユールおじさん」の作者さんでもあります。
    「もう一度繋げる」という意味の「ルリユール」の仕事が、にわかに注目を集めるようになったのは、いせさんの作品によるところが大きいでしょう。

    「ルリユールおじさん」の中で、世界にたったひとつの植物図鑑を作ってもらったのは、「ソフィー」という少女でした。
    その「ソフィー」が大人になって、今日ご紹介した「大きな木のような人」の中にも登場します。まるで、植物学者さんへの友情出演のような形ですが、ちゃんとあの図鑑を手にしています。胸がどきっとしますよ。なんて素敵なルリユールでしょうね。

    「ソフィー」の中に植物図鑑が根を下ろしたように、「さえら」の心の中にも、育てたひまわりがしっかりと根を下ろしていきます。
    それだけでなく植物学者さんの心にも、「さえら」の存在は根をおろしたのです。

    目が追いつかないほど四季折々の木や花や芽を観察したという作者が、実際に歩いて、見て、聞いた絵本です。すべてのページからあふれるような色彩に、目が奪われそうになります。

    表紙になっているのは樹齢250年というプラタナス。秋に、そこで語られる言葉の美しさ。ひまわりの種の、芽生えを待つ「さえら」の愛らしさ。わたしが特に好きなのは、雨の日の植物園の描写です。

    後書きには、いせさんのこんな言葉があります。
    『パリには2本の樹齢400年のアカシアがある。その一本の大樹のある物語はすでに描いた。もう一本の樹ははじめから植物園で大切にされ、樹齢を重ねていた。私の足が、植物園に向かうようになったのは自然のなりゆきだった。』
    当然、樹齢400年のアカシアも、「さえら」の前に登場します。

    絵本の中に登場した木々や花も、巻末に名前が載せてあります。どれがどの絵か、探す楽しみも残されていますよ。

    「人はみな心の中に、一本の木をもっている。」

    前半に現れる一行の比喩が、読み終えた後でしみじみと心に沁みる、美しい一冊です。

  • 子供が読んでももちろんいいのですがこれぞ大人のための絵本、ですね。

    絵の力がすごい。心が洗われるようです。彼の視線が暖かい。さえらちゃんの抱えているものをその周りごと掬い上げるかのような暖かさを感じさせられます。

    「さえら」ってそういう意味があったのだな、と思います。
    子供が出来るならそんな名前をつけたいなと思いましたね。産まれる予定は全くないのですけれども。

    こういう人と人の関わりがあったとしたならお互いの心に一生残るでしょうね。なかなか「大きな木のような人」には巡り合えないものです。

  • 人はみな心の中に、一本の木をもっている。

    フランス語で「あちこち」という意味の「さえら」。
    その意味通り、さえらは植物園のあちこちに出没しては庭師達をてこずらせる。

    広大な植物園の中にそびえ立つ400歳のアカシアの木や250歳のプラタナスの木。
    こんな大先輩達に囲まれ見守られていると思うと何とも心強い。
    さえらが生まれてはじめて育てたひまわりも、さえらの心の中にしっかりと根をおろす。
    今日も大先輩の木々が静かに優しく植物園を訪れた人間達を見守ってくれている。
    いせひでこさんの淡い水彩画がとても優しい。

  • いせひでこさんの絵は美しいな。特に木々のみどりが。
    いせさんの作品は、子どもだけじゃなく、大人でもじゅうぶんに楽しめる絵本だと、胸をはって勧めたい。

    短い夏のあいだフランスにやってきていた日本人少女、サエラと植物学者の先生との、なんのことはないやりとり。
    サエラに干渉し過ぎない、植物園のスタッフたちのスタンスがとても好ましい。

    サエラが大人になったら、植物に携わる仕事をしてるのじゃないかしら。
    (前後してしまったけれど)ルリユールおじさんのソフィーが成長した姿を見せてくれたように、いつか、成長したサエラがちらりと出てくるお話が読めるかも!

  • "植物園。門をはいると、空気がかわる。"

    という始まり。そうそう!私の好きな植物園も、門を入ると空気が変わる!などと思い嬉しくなる。

    パリの植物園の木々が本当に美しく、優しく描かれている。木を描かせたら、いせひでこさんの右に出る人はいないだろう。他の作品と同じく、植物のもつ静かなエネルギーがじんわりと伝わってくる。

    色使いにハッとし、構図に驚き、物語を味わう間に終わってしまう。絵本だけど、もっと10倍くらい分厚くてずっと見ていられたらいいのにと、ワガママなことを考えてしまう。植物園好き、樹木好き、生き物好き、庭好きとしては、ものすごく好みな一冊。

    • naosampoさん
      10倍くらい分厚いいせさんの絵本に出会えるといいですね。^ ^
      10倍くらい分厚いいせさんの絵本に出会えるといいですね。^ ^
      2017/05/02
  • 日本からやってきて植物園に通いつめる女の子さえら。そして、優しく見守りながら植物の事をさりげなく教えてくれる植物学者さんとの交流。ルリユールおじさんに出てきたソフィーの成長した姿も見られました。一夏の出来事を木は確かに見つめて記憶している。表紙の木を挟んで背中合わせの二人がすごく好き。

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著者プロフィール

1949年北海道生まれ。東京藝術大学卒業。
『マキちゃんの絵日記』で野間児童文型新人賞、『水仙月の四日』で産経児童出版文化賞美術賞、『ルリユールおじさん』(講談社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。
このほか、おもな作品に『まつり』『大きな木のような人』『あの路』(文・山本けんぞう)(いずれも講談社)、『1000の風1000のチェロ』『チェロの木』(ともに偕成社)、『わたしの木こころの木』(平凡社)など。
また長田弘の詩集『最初の質問』『風のことば 空のことば』(ともに講談社)も手がける。

「2020年 『けんちゃんのもみの木』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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