まつり (講談社の創作絵本)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 129
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061324459

作品紹介・あらすじ

人と木は、ずっといっしょに生きてきた。
まつり――。わたしたちが知と技で伝えてきた、「日本のこころ」の結晶。

パリの植物園を舞台にした『大きな木のような人』のあと、身体が「描きたい」と要求するものをなかなか見つけることができないでいた。そんなとき、私は何かに呼ばれるようにして秋祭りに出かけた。私を呼んだのは、鎮守の森の1本の老ケヤキだった。お囃子にさそわれてか、子どもたちが湧くように現れては、大樹の根やこぶこぶに抱きついたりのぼったりしはじめた――。その中にさえらがいた。私は一気に「まつり」にのみこまれていった。(いせ ひでこ)

感想・レビュー・書評

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  • いせさんの新作「わたしの木、こころの木」を拝見して、いっしょに「まつり」を再読。まだレビューを書いていませんでした。

    パリの植物園で出会い、帰国したさえらと木の先生のその後。舞台は懐かしい山間の町。

    木と寄り添い生活の道具として蓄積した知恵と技が、職人の世界に脈々と受け継がれている。群馬県鹿沼市に伝わる彫刻屋台は日光東照宮の彫師たちの技を受け継いでいるそうです。

    柔らかなイチョウやヤナギは彫刻に、堅いカシやヒノキは台車に生まれ変わり、華やかな舞台を作り上げる。

    村の鎮守の神さまの
    今日は楽しいお祭り日
    ドンドン ヒャララ ドン ヒャララ

    こんな唱歌を習った人はふるーい人ですね。


    「秋祭り 神ノ木にあそぶ ホタルの子」
    鎮守の森、大きな御神木の周りにわらわらと遊ぶ子供たちの風景、この1枚がとても好きです。

  • いせひでこさんの木の三部作、三冊目。

    物語は木の先生が世界中を旅する中で、「さえら」に会いにに日本へ秋にやってくるところから始まる。世界中の変わりゆく自然を見ながら自然保護活動もする木の先生。日本の四季への憧れをもちながら「さえら」のいる日本へやってきた!やっと会えた!

    「さえら」の故郷では秋をむかえ、鎮守の森の祭りが始まろうとしている。職人たちが伝統の技を駆使して、彫刻屋台を組み立てていく。その木材にはヒノキ、カシ、トチ、イチョウ、シラカシ、ケヤキなどが適材適所に使われており、釘一本もなしに彫刻屋台を組み上げていく。まさしく森羅万象を敬って生きてきた日本人の魂、自然を敬う心を形にしたような彫刻屋台、そして秋のお祭りだ。

    ドンスクドンドン スクドンドン、 祭りは始まりだす。さぁ祭りだ祭りだ!ワッショイワッショイ、、その夜は鎮守の森は眠らない。

    疲れて眠ってしまった「さえら」を木の先生はおんぶし、おじいちゃんとともに帰る。さて、「さえら」の心の木はどんなふうに育つかな。。

    世界中の自然破壊、気候変動から木を守る活動をする木の先生が目の当たりにした日本の伝統的な秋のまつり。そこには古来、様々な木を大切にしながら、ご神木として祭ってきた日本人の姿を目の当たりにする。鎮守の森の華やかな秋の祭り。そこには木の特性を見極めてたくさんの木の種類を組み合わせて彫刻屋台を組み合わせる職人技が冴えわたる。きっと木の先生の心の中にも、日本人の木を大切にしてきた伝統、森羅万象を敬う心が伝わっただろうし、我々日本人が忘れてはいけない大切な心だと思います。フランス人の木の先生に教わった「さえら」。きっと自然を大切にし、自然とともに生きていく、大切な木が大きく大きく心の中で育っていくことでしょう。

  • 『大きな木のような人』の続編です。パリの植物学者さんはさえらの住む日本へ。国や住む人が違っても木々はそこに存在し人々を見つめ続ける。「龍が舞い 鳥が翔ぶ 灯が踊る 森羅万象に神が宿る」前のフランスの雰囲気も好きでしたが、この日本の風景、祭りの躍動感が教えてくれた。私は確かにこの国に生まれ育ったのだと。みんな、見た事のない物、知らない事に憧れるけど、今暮らしているこの国にもいい所はたくさんある。人と自然はこんなに見えない伝統の中で支え合って共生していたんだ。

    • 綾里 未優さん
      8minaさん
      はじめまして。
      いせ ひでこさんの本はルリユールおじさんが最初でしたが、それとはまた全然違った雰囲気で描かれていて、引き...
      8minaさん
      はじめまして。
      いせ ひでこさんの本はルリユールおじさんが最初でしたが、それとはまた全然違った雰囲気で描かれていて、引き込まれました。
      いせさんの本はまだ少ししか読んだ事がないので少しずつ読んで行きたいです。
      コメントありがとうございました。
      2014/01/02
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「いい所はたくさんある。」
      いせひでこの確かな目を通してだから、眺めるコトが出来たのかも。でも心にストンと落したものは、ずっと働き掛けて呉...
      「いい所はたくさんある。」
      いせひでこの確かな目を通してだから、眺めるコトが出来たのかも。でも心にストンと落したものは、ずっと働き掛けて呉れるから。今まで以上に、この国の良いところを見る機会が増えるでしょう。
      2014/05/01
    • 綾里 未優さん
      nyancomaruさん。
      身近な物とか祭りとか、目を向けるきっかけになってくれたお話でした。
      nyancomaruさん。
      身近な物とか祭りとか、目を向けるきっかけになってくれたお話でした。
      2014/05/01
  • 『ルリユールおじさん』『大きな木のような人』の続編。『ルリユールおじさん』でいせひでこさんを知ったからか、日本が舞台なのは珍しいなと思いました。個人的に34〜37頁の、提灯の明かりに照らされた祭の場面が好き!いせひでこさんは寒色系の色使いが素敵だなと思っていたけれど、暖色系も素敵ですね(*^^)v

  • 「大きな木のような人」の続編。繊細で鮮やかな水彩画。
    ああなんてきれい。と思いました。
    いせひでこさんの絵のイメージで「まつり」
    どんなものになるんだろう?と思いましたが、
    日本のお祭りの絵がこんなに綺麗に表現されるなんて。
    木は日本文化の様々な所に使われていますね。
    いせひでこさんの絵本は、知らないこと、忘れていたことを教えてくれます。

  • 『ルリユールおじさん』、『大きな木のような人』に続く、最終作。

    このお祭り、本当にあるんです。
    光の子供達を見に、行ってみたい!と思っています♪

  • 『木』をテーマに、生き方・在り方が見事に描かれている。すてきな一冊だった。今度、借りて読み聞かせしようと思う。

  • 「大きな木のような人」の続き。
    二人の関係が途切れていなかったことにまずホッとしました。
    今回は日本の祭をテーマにダイナミックな絵で描かれています。
    ゆっくりじっくり読みたい絵本です。

  • 美術館展覧会のごあんない
    開催日: 平成25年7月20日~平成25年9月1日
    開催時間: 9:30~16:30
    開催場所: 黒部市美術館

    いせ ひでこ展
    黒部市美術館では、ご家族で楽しんでいただける展覧会として、身近な美術作品でもある、絵本原画の展覧会を開催しています。
    このたびご紹介する、いせひでこ(伊勢英子)さんは、1949年札幌に生まれ、東京芸術大学デザイン科卒業後、絵本にっぽん賞や野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞美術賞、講談社出版文化賞絵本賞などを受賞しており、日本の絵本をリードする作家の一人です。
    本展覧会では、これまでに出版された多くの作品の中から、4冊の絵本(『にいさん』、『あの路』、『はくちょう』、『まつり』)の原画を中心に創作段階のスケッチや資料なども含めてご紹介いたします。
    この機会に柔らかなタッチや淡い色彩、心に残る物語によって紡がれた、いせさんならではの大人の心に深く届く、世界をお楽しみください。
    なお、会期中は、展示作品の絵本やその他書籍、関連グッズの販売もありますので、そちらもぜひお楽しみください。
    黒部市美術館
    住所:〒938-0041 黒部市堀切1035(黒部市総合公園内) TEL:0765-52-5011 FAX:0765-52-5011

    • はるかわさん
      祇園祭や天神祭で賑やかですが、この暑さの中を出て行く勇気はなく今年も預けになってしまいそうですので、この絵本を見て、少しでも祭の雰囲気を味わ...
      祇園祭や天神祭で賑やかですが、この暑さの中を出て行く勇気はなく今年も預けになってしまいそうですので、この絵本を見て、少しでも祭の雰囲気を味わいたいと思います^^
      2014/07/25
  • 自然と文化を大切にしたい気持ちが強くなった。

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著者プロフィール

1949年北海道生まれ。東京藝術大学卒業。
『マキちゃんの絵日記』で野間児童文型新人賞、『水仙月の四日』で産経児童出版文化賞美術賞、『ルリユールおじさん』(講談社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。
このほか、おもな作品に『まつり』『大きな木のような人』『あの路』(文・山本けんぞう)(いずれも講談社)、『1000の風1000のチェロ』『チェロの木』(ともに偕成社)、『わたしの木こころの木』(平凡社)など。
また長田弘の詩集『最初の質問』『風のことば 空のことば』(ともに講談社)も手がける。

「2020年 『けんちゃんのもみの木』 で使われていた紹介文から引用しています。」

いせひでこの作品

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