ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 968
感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (56ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061324657

作品紹介・あらすじ

パリの路地裏に、ひっそりと息づいていた手の記憶。本造りの職人から少女へ、かけがえのないおくりもの。講談社出版文化賞絵本賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • ルリユールおじさん
    2011.04発行。字の大きさは…大。

    いせ ひでこさんの素晴らしい本の再生の物語を、絵本で描いています。

    最初本を手に取り絵だけを追って見ていきました。
    いせ ひでこさんの絵は、青の使い方が素晴らしいです。
    2度、3度と絵を見ていきます。
    文字を読まなくても絵だけで物語が心の中で感じ取れます。
    1冊の女の子が大切にしている植物図鑑が、ルリユールの手職人としてのお爺さんの人生と、小さい女の子の人生が重なっていきます。
    いせ ひでこさんは、「本は時代を超えてそのいのちを何度でもよみがえるものだと」言っています。
    私は、いせ ひでこさんのファンになってしまいました。

    【豆知識】
    「ルリユール(フランス語: Relieur)」は、主にフランスで製本・装丁を手作業で行う職人を指す言葉です。また、その工程自体もルリユールと呼ぶことがあります。

    現在、ヨーロッパの製本術の正しい伝統は、主にフランスやフランス語圏においてのみ受け継がれています。フランス・パリ市内でも、今でも約50軒のルリユール製本の工房が現存しています。
    多いものでは60余もの工程があるルリユールも存在します。
    17世紀末に、活版印刷の発明によって出版・印刷・製本の境界が曖昧になった状況を背景に、フランス国王のルイ14世が下した「出版・印刷・製本業者は互いの職分を越えてはならぬ」という勅令により、製本の権利を失った出版・印刷業者が仮綴じ本を作られるようになました。この仮綴じ本や希少本の購入者が装丁や製本を依頼するのがルリユール職人です。

    日本でも栃折久美子さんが「ルリユール工房」を開くなどして技術自体は広まってきています。
    その影響もあって、日本でも伊藤篤さんなどを始めとして、数は少ないものの、ルリユール職人自体は存在しています。
    《Wikipediaより》
    2020.09.23読了

    • nejidonさん
      やまさん、おはようございます(^^♪
      素敵なレビューですね!
      いせさんの本というと、真っ先にこれを挙げる人が多いです。
      好きな人がそれ...
      やまさん、おはようございます(^^♪
      素敵なレビューですね!
      いせさんの本というと、真っ先にこれを挙げる人が多いです。
      好きな人がそれだけ沢山いるということでしょう。
      やまさんも同じように思われた、そしていせさんのファンになられたということが、とても嬉しいです。
      不思議ですよね、絵本て。大人でも虜にしてしまう。
      また良い本に出会えましたら教えてください。
      朝から清々しい気持ちになりました。ありがとうございます!

      2020/09/24
    • nejidonさん
      やまさん、追伸です。
      「大きな木のようなひと」には、すっかり成長した少女が出てきます。
      あとワタクシは次の言葉が一番印象に残りました。
      ...
      やまさん、追伸です。
      「大きな木のようなひと」には、すっかり成長した少女が出てきます。
      あとワタクシは次の言葉が一番印象に残りました。
      「名をのこさなくてもいい。
      ぼうず、いい手をもて。」
      2020/09/24
    • やまさん
      Nejidonさん♪おはようございます(^-^)
      ありがとうございます(*^_^*)
      朝一番で、Nejidonさん♪のコメントを見て、心...
      Nejidonさん♪おはようございます(^-^)
      ありがとうございます(*^_^*)
      朝一番で、Nejidonさん♪のコメントを見て、心がほがらかになります。
      きょう一日笑顔で過ごせるように頑張ります。

      「大きな木のようなひと」
      ありがとうございます、図書館に予約します(*^_^*)
      「名をのこさなくてもいい」
      私は、前によく歴史に名前を残したいと思ったことが有ります。
      あ、あぁ、よい意味でですよ(笑)
      いまは、もう思っていませんが(^-^)
      「ぼうず、いい手をもて。」
      こんなふうに師匠であり、父親から言われると人は真っ直ぐ育ちますね。
      そして、いい仕事をする人になりますね。
      いい子弟、いい親子関係が見えて来ます。

      いせ ひでこさんの本を今後も読んで行きます。
      Nejidonさん♪素敵な一日を(⌒-⌒)ニコニコ…
      2020/09/24
  • 大切な本が壊れちゃったんだって?それならルリユールのところへいってごらん。

    本を修理する「ルリユール」の仕事は一つ一つが手作業だ。
    バラバラになった紙を糸でかがり、表紙の裏紙を付け、モスリンで背中を貼って、皮を薄く薄く削って表紙にして取り付け、最後は背中の皮に金箔でタイトルを打つ。
    作家のように名前は残らない。だが良い手をもち、人々の思いを繋げていく。
    <本には大切な知識は物語や人生や歴史がいっぱい詰まっている。
    それらを忘れないように、未来に向かって伝えていくのがルリユールの仕事だ。(P45)>

    そんなルリユールおじさんの魔法の手で大切な本を直してもらった女の子は、その本をずっと大切にしている。

    ==
    これはまあなんと贅沢なお話し。
    仕事のことを「〇〇の手から成った」というように「手」というけれど、まさに人の手が繋いでいく。
    ルリユールは「もう一度繋げる」という意味だそうです。

  • パリの古い街並。その一角で、ルリュールおじさんは、その父親の代から本の修復の仕事を続けている。少女はおじさんの工房で、おじさんの仕事をつぶさに観察。おじさんの仕事への思いを聞き、少女の大切な本の話をする。少女のボロボロになった本はおじさんの手で一針一針閉じ直され、取って置きの表紙が巻かれる。
     芸術の街パリは、物を大切にし、古い物を直し、それがまた新たな芸術品となる文化なんですね。その思いが息づいているのですね。心洗われる本です。

  • フォローしてる方の本棚で見つけた。

    光村図書の中学2年の国語教科書の読書案内でも紹介されていて、学校図書館にも購入した本だった。
    しかしながら、未読。レビューを読んで「これは読まねば!」と、灯台下暗しを反省。

    水彩画の柔らかいタッチが、パリの美しい風景をどこか懐かしさを感じさせるものにしている。
    かつて、本は高級な知の財産であった。
    何度も修復され読み継がれてきた。
    それを支える職人達がいた…それが今ではごく僅かに。
    手仕事は尊い。それをきちんと分かっている人々がいる。

    大量生産・大量消費の影で失われていくもの。

    富を築くことではなく、己の仕事の尊さに誇りをもつこと。拝金主義が跋扈する世の中では、そのような基本的なことでさえ忘れ去られてしまいがちだ。2020.1.4

  • (きみが生まれた日)パリの小窓、出会った工房 ソフィー×いせひでこさん:朝日新聞デジタル(有料記事)
    https://www.asahi.com/articles/DA3S15560168.html

    【書評】『ルリユールおじさん』いせひでこ - 横丁カフェ|WEB本の雑誌(2010年12月16日)
    http://www.webdoku.jp/cafe/yamanoue/20101216100649.html

    『ルリユールおじさん』(いせ ひでこ)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000138282

  • 「ルリユール」という、これまで大事に読んでいた本に新しいいのちを与える、パリの歴史ある手職人の仕事を、この絵本で初めて知ったことで、本の素晴らしさを改めて実感し、ますます本が好きになりました。

    更に、ルリユールということばには、「もう一度つなげる」という意味もあり、それは木が大好きで、世界中の木を見て歩きたい夢を持つ少女「ソフィー」と、ルリユールおじさんとのつながりが一つ。

    ソフィーが新しいものでなく、今読んでいる植物図鑑が好きな思いに答えて、ルリユールおじさんが直したのは、アカシアや森の色や表紙など、ソフィーの愛着が更に強くなる、世界にひとつだけのもの。

    もう一つは、ルリユールおじさんと父とのつながりで、そこには父子愛や伝統職人としての揺るぎない誇りを感じられ、「名を残さなくてもいい。ぼうず、いい手をもて」には、名声よりも本を第一にという強い思いと、仕事に対する確かな情熱と愛情を感じられて、胸を打たれました。

    また、いせひでこさんの絵柄は、相変わらず味のある素晴らしさで、ソフィーとルリユールおじさんの、本を直している接近した描写も良いのですが、私的には、パリの街並みの中で、人を小さく引きで描いているパターンが印象に残り、特に公園に向かう途中の、ソフィーとルリユールおじさんの後ろ姿には、なにかハッとさせられるものがありました。

    56ページの大作ですが、登場する全ての要素が、いずれも必要不可欠で、内容も飽きることなく、物語としての完成度も素晴らしいものになっており、子供だけでなく、大人が読んでも何か心に残るものがあると思います。私がフォローしている方々が、よくこの作品を読んでいるのも納得いたしました。

    冒頭にも書きましたが、私にとっての、いちばんは本の愛しさが込められていること。

    「本には大事な知識や物語や人生や歴史がいっぱいつまっている。それらをわすれないように、未来にむかって伝えていくのがルリユールの仕事なんだ」

    「本は時代を超えてそのいのちが何度でもよみがえる」

    この作品を読んだ後、ますます好きな本たちを、できるだけ末永く大切にしたい思いに駆られました。

  • 水彩で描かれたパリらしき街の風景が美しくお洒落な絵本です。ソフィーは、お気に入りの図鑑の修復をルリユールおじさんに依頼します。ページの綴じ直しから、新しい表紙の素材選びといったプロセスが詳しく語られていて、ソフィーと一緒にワクワクしました。おじさんは、同じく職人だった父親を思いながら仕事を進めます。敬意と誇りを持って。大切なものを大切に伝えていく姿勢に心打たれます。

  • 『名をのこさなくてもいい。「ぼうず、いい手をもて」』60以上ある製本の工程をひとつひとつ教えながら、お父さんはルリユールおじさんにそう言った。なんて素敵な言葉なんだろう。
    ルリユールおじさんの製本工程を見ているだけでほふってなる。
    それは、彼が憧れのお父さんと同じ魔法の手を持てたからだと思う。
    ルリユールおじさんとソフィーが会うまでの間がいい。
    そして、噛み合っているのかわからない二人の会話もほのぼのとしていい。
    淡い水彩画がまたいい!

  • 図書館でも見つけたいせひでこさんの本、不思議だな。絵の力なのか、涙してしまう。

  • 日本にはない文化かなと思った
    心温まる 本好きにはたまらなくいい話だ
    もったいないとか 物を大事にするとか
    そういう感覚とはちょっとチガウ
    直しの哲学 アルチザンアート
    おごらない姿勢もよかった

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著者プロフィール

[著者紹介]いせひでこ(伊勢英子)
画家、絵本作家。1949年生まれ。13歳まで北海道で育つ。東京藝術大学卒業。創作童話『マキちゃんのえにっき』で野間児童文芸新人賞を受賞。絵本の代表作に『ルリユールおじさん』『1000の風 1000のチェロ』『絵描き』『大きな木のような人』『あの路』『木のあかちゃんズ』『最初の質問』『チェロの木』『幼い子は微笑む』『ねえ、しってる?』『けんちゃんのもみの木』『たぬき』など、単行本・エッセイに『旅する絵描き』『七つめの絵の具』『わたしの木、こころの木』『こぶしのなかの宇宙』『猫だもの』『見えない蝶をさがして』『風のことば 空のことば』など多数。


「2022年 『愛蔵版 グレイがまってるから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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