ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)

著者 :
  • 講談社
4.51
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本棚登録 : 506
レビュー : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (56ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061324657

作品紹介・あらすじ

パリの路地裏に、ひっそりと息づいていた手の記憶。本造りの職人から少女へ、かけがえのないおくりもの。講談社出版文化賞絵本賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • フォローしてる方の本棚で見つけた。

    光村図書の中学2年の国語教科書の読書案内でも紹介されていて、学校図書館にも購入した本だった。
    しかしながら、未読。レビューを読んで「これは読まねば!」と、灯台下暗しを反省。

    水彩画の柔らかいタッチが、パリの美しい風景をどこか懐かしさを感じさせるものにしている。
    かつて、本は高級な知の財産であった。
    何度も修復され読み継がれてきた。
    それを支える職人達がいた…それが今ではごく僅かに。
    手仕事は尊い。それをきちんと分かっている人々がいる。

    大量生産・大量消費の影で失われていくもの。

    富を築くことではなく、己の仕事の尊さに誇りをもつこと。拝金主義が跋扈する世の中では、そのような基本的なことでさえ忘れ去られてしまいがちだ。2020.1.4

  • 素敵な話でした。今は廃れようとしている本の製本・装幀の手仕事をこなすパリのおじいさんと、木の本を大切に大切にする少女の話。

    いせひでこさんの作品をきっかけに、大人でも絵本ってものによっては心に沁みるかもと思ったのがきっかけでした。子供の頃は、次々と繰り出される大きな絵に足りない想像力が補完され、そして短いストーリーに胸を躍らせたり、喜んだりしていた記憶があります。大人になってからの絵本というのは、また違うものですね。長編小説でも読破できる力、数々の映像作品も見て目が肥えている状態で、あえてこのシンプルな絵本に戻ってみる。そうすると、子供の頃とは全く逆のことが起こる感じがします。頭の中にいつもなら浮かんでくる余計な情報、余計な想像、余計な景色が見事にすぅーっと溶けてなくなってしまい、ある意味、無に近い状況になって絵本の世界へ入れます。これは新しい体験で、素敵だなと思いました。

    この絵本、ストーリーがとっても素敵なんですよね。かわいい少女がどうにかして自分の大切な「木の図鑑」を直せないか奔走する、、昨今はデジタル化が進んでおり、そもそも電子デバイスで見ることも多いですし、壊れた本は捨てられ、Amazonで翌日には配達される。物を大切にする心をおじいさんとともに教えてくれます。おじいさんが大切に大切に製本しなおし、うつくしく装幀しなおしたから、きっとこの少女は自分の植物への興味そのものも大切にされたと感じたのではないでしょうか。

    この絵本ではいせさんが、パリで今はすくなくなったルリユール(製本・装幀する職人)を観察し、非常に素敵な絵の数々を描かれています。パリを訪れたことがある人は、「あっ!こんな景色見たことがある!」と必ず思うはずです。パリの小道、アパルトマン、冬の街の様子、きっと屋外でデッサンされたんでしょうね。いせさんの淡い水彩画がなんとも、美しいパリとかわいい少女、年老いた職人のおじいさんにぴったりだったと思います。

    • まことさん
      この絵本私も、お友だちから、2冊あるのでといってプレゼントされて持っています。
      お隣に夏にフランスからバカンスにくるご一家が住んでいるので...
      この絵本私も、お友だちから、2冊あるのでといってプレゼントされて持っています。
      お隣に夏にフランスからバカンスにくるご一家が住んでいるのですが、おみせしたら、「昔のパリだ!」とフランス人のご主人が、感激しておられました(*^^*)
      2019/10/20
    • kanegon69 さん
      まことさん、コメントありがとうございます。ほんと飾っておきたい素敵な絵と話でした!
      まことさん、コメントありがとうございます。ほんと飾っておきたい素敵な絵と話でした!
      2019/10/20
  • 日本にはない文化かなと思った
    心温まる 本好きにはたまらなくいい話だ
    もったいないとか 物を大事にするとか
    そういう感覚とはちょっとチガウ
    直しの哲学 アルチザンアート
    おごらない姿勢もよかった

  • 図書館でも見つけたいせひでこさんの本、不思議だな。絵の力なのか、涙してしまう。

  • 2018/8/17 19:00

  • 最近読んだ『ルリユール』の参考図書にあったので読んでみました。

    すごくいい。 うん。


    淡いタッチの絵。
    バラバラになった図鑑を直したい少女ソフィーと
    ルリユールのおじさん。
    左右のページでそれぞれの時間軸が進み、
    出会ってからは二人の構図。

    ソフィーの自由な感じがおもしろくて、
    二人のやりとりが微笑ましい。


    あたらしい本がいっぱいあっても、この本を直したいの。
    わたしの本。わたしだけの本。
    大きくなってもずっと大切な本。


    丁寧に、丈夫に心を込めて作られたんだもの。
    そんなに大事で愛しい本。
    手にしてみたいな。


    でも実は、一番好きなフレーズは、
    あとがきにあった
    ”旅がひとつの出会いで一変する”。

  • 大人になってから、惚れた絵本です。
    はじめて、いせひでこさんの絵本を手にしたのも、この作品。
    私が初めて手にしたのは、安曇野の絵本美術館『森のおうち』にて。

    青の深さ、ひとつのものを大切する心の豊かさに、引き込まれました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ひとつのものを大切する心の豊かさ」
      職人さんの素晴しさ、その心が受け継がれる感じが素敵でした。。。
      「ひとつのものを大切する心の豊かさ」
      職人さんの素晴しさ、その心が受け継がれる感じが素敵でした。。。
      2013/02/01
  • ルリユールおじさんが街に自然に溶け込んでいる、そんな街は私の理想郷かもしれない。淡くて静かで色彩豊かな絵と、可愛い女の子とルリユールおじさんの噛み合っていたりいなかったりする会話が可愛い。
    ルリユールおじさんみたいな仕事ができているだろうか。憧れ。

  • 絵本

  • 何とも温かい気持ちになれます。内容も文句なしですが、この作品で気に入っているのは、やはり装丁がうつくしいこと!
    だいたいの絵本は、子供向けということもあり、原色や分かりやすいキャラクターが全面に出ており、正直、部屋の景観を壊します。
    この作品は飾るにしても、抜群の仕上がりだと思います。

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著者プロフィール

1949年北海道生まれ。東京藝術大学卒業。
『マキちゃんの絵日記』で野間児童文型新人賞、『水仙月の四日』で産経児童出版文化賞美術賞、『ルリユールおじさん』(講談社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。
このほか、おもな作品に『まつり』『大きな木のような人』『あの路』(文・山本けんぞう)(いずれも講談社)、『1000の風1000のチェロ』『チェロの木』(ともに偕成社)、『わたしの木こころの木』(平凡社)など。
また長田弘の詩集『最初の質問』『風のことば 空のことば』(ともに講談社)も手がける。

「2020年 『けんちゃんのもみの木』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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