- 本 ・本 (36ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061325173
作品紹介・あらすじ
本書は、りんご農家の1年を、美しい安曇野の自然とともに見せていく絵本です。季節の移ろい、そして暁の静けさや広大な星空のもと、作り手によってりんごがどのように育てられていくかが見事に描かれています。
全編が伯父から甥への手紙の形をとり、子どもにやさしく語りかける文体となっています。農作業のなかで感じる哀歓、自然の美しさと怖しさを、みずみずしい感性で描き上げる本作は、年少の読者から大人まで広くとらえる魅力をもっています。嵐を乗りこえて実った真っ赤なりんごの愛おしさ、収穫の歓びを追体験できるはずです。
巻末には、それぞれの場面の農作業の解説もあり、日常の食卓にのるりんごが、いかに多くの愛情を注がれて作られているかを実感させてくれます。また本作は、困難を極めると言われる、りんごの低農薬栽培に取り組む中武氏によって描かれているだけに、どんなに手間がかかっても、食の安全を担うものとしての誇りがにじみ出ています。美しさとおもしろさに加え、食育、環境教育にも最適の内容となっていると考えます。
<あらすじ>
冬――始発電車の動き出すころ。やすおじさんは、まだまっくらな中、働き始めます。りんご畑の土は凍っていて、木の枝も固い。パチンパチンと剪定する手が痛みます。
緑が芽吹き、りんごの白い花が咲くと安曇野にも春がやってきたと実感します。けれど、こわいのは遅霜。籾殻を焚いて、りんごの木々を暖めてやります。
夏は、農薬をほとんどつかわないので、毎日が草との戦い。草の生命力はほんとうに凄い。仕事がおわり、ふと見上げると空いっぱいに広がる天の川。
そして、秋。りんごが丸々とふとってくるのを見るのは、楽しい。けれど、怖ろしいのは台風。明日、直撃の予報がでています。でも、何もできないのです。被害が出ないことを祈りながら……。
感想・レビュー・書評
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2020.06.24
子供も大人も楽しめる本
大ちゃんのお母さん(康さんの姉)への手紙は大人向け
農家の大変さ、きびしさ、たのしさ
そういうのを伝えてくれる
ラストページ、りんご畑にかけだす大ちゃんがいい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
978-4-06-132517-3 33p 2012・8・28 1刷
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おじちゃんから だいちゃんへの 手紙風の 文章も良かったけれど、何といっても 絵が素晴らしい✨特に 遠近感が ステキ✨
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★★★★★
たけおじさんから、だいちゃんへ。りんご畑からの月毎の手紙。
雪に閉じ込められた山での作業、りんごの花の白、りんご畑のまん中にねっころがって見上げる青い空。
りんご農家の四季を生き生きと描いた絵本。
・りんごの接ぎ木の仕方
・大変なことも、嬉しいことも、手紙に
(まっきー) -
あれ、絶対、有明山でしょう。
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安曇野のりんご畑の1年。おじさんからおいっこへの手紙という形で。
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リンゴ農家とリンゴを楽しみにしていることの現状の往復書簡。
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長野県の安曇野でりんご農家をしているおじさんから大ちゃんへの手紙。1年の間、どんな仕事をして、おいしいりんごができるのか、わかりやすく教えてくれます。大人でも知らないこともいっぱい。最後には、大ちゃんのお母さんあての手紙がついていて、さらにくわしく教えてくれるのです。
読み終わってりんごが食べたくならない人はいないんじゃないかな。 -
絵が、とても美しいです。
夕暮れの山々。
春のりんごの花。
夏の草。満天の星空。
そうして、秋。
つやっつやの真っ赤なりんごの実に、思わず手を伸ばしたくなります。
読んだあと、りんごが愛おしくなるかもしれません。
ゆっくり、じっくり読んでほしいな、子どもたちに。
著者プロフィール
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