最初の質問 (講談社の創作絵本)

  • 講談社 (2013年7月26日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061325234

作品紹介

詩人長田弘氏の代表作のひとつであり、中学3年生の国語の教科書(東京書籍)にも掲載されている「最初の質問」を、『ルリユールおじさん』などで人気の画家・絵本作家のいせひでこ氏が、「絵本」として構成します。
 詩の言葉を表面的に捉えて絵をつけるのではなく、いせ氏が自分の中で一度消化し、新たな作品として表現した力作です。
 いせ氏の絵本を多く手がけている岡本明氏による清々としたブックデザイン。子どもから大人まで味わうことのできる美しい絵本です。
 「最初の質問」は、卒業や結婚等、新しい道を歩む人へ贈る言葉としても引用されることの多い詩でした。本書は、大切な人への贈り物としてもふさわしい作品です。

最初の質問 (講談社の創作絵本)の感想・レビュー・書評

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  • 中三の国語の教科書にも載っている有名なこの詩を、実はずいぶん前から机の前に貼ってある。
    【今日、あなたは空を見上げましたか。
     空は遠かったですか、 近かったですか。】
    はい、と即答出来る日と、出来ない日と。
    考えて考えて、いまだに答えの出ない質問と。
    【いちばんしたいことは何ですか。
     人生の材料は何だとおもいますか。】

    何を今更この名詩に絵などと思ったが、「いせひでこさん」の淡い水彩画に、胸をぎゅっと掴まれてしまった。
    【何歳のときのじぶんが好きですか。】
    というフレーズには「大きな木のような人」や「ルリユールおじさん」を彷彿とさせる大木が登場し、こちらの涙腺もゆるみそうになる。
    無理に答えを引き出そうとせずに、詩のもつ深い味わいと、絵からかもし出される美しい世界観を、静かに味わうのも良いだろう。
    いつ、どんな時にこの本を開くかによって、答えも違ってきそうだ。
    でも、それで良いのかもしれない。
    心にも深呼吸が必要だと、思いなおすだけでも貴重なことだ。
    そもそも、全ての質問の末尾に、クエスチョンが付いてはいないのだからね。
    ゆっくりとかみしめて、約8分。やはり中学生以上に。

  • 私達は
    (自分とは何者か?)
    を知りたいが為に
    透明な質問を
    自分自身に投げかける。
    そして
    透明な答えを出す。

    この心の中のやりとりが
    まったく理解不能な為
    私達はいつまでたっても
    自分の正体がよくわからない。

    知りたいのに。
    いつの間にか現れて
    いつの日かさっぱりと消えてしまう
    この摩訶不思議な  が
    一体何者であるかを知りたいのに。

    絵本の中では
    透明な質問が言葉化されていた。
    あれ、
    なんと簡単な事!
    今度ははっきりと答えが出せる。

    シルエットが少しずつはっきりしてくる。
    自分自身がこちらへ向かってやってくる。

  • まず表紙の女の子の、横向きでも後ろ向きでもない、気にかけて欲しそうな微妙な立ち方、「どうしたの?」と覗き込んで訪ねたくなる様なたたずまいに惹きつけられます。
    手にとって見ると文章は長田弘さん。これは読まずにいられません。

    たくさんの質問があります。どの質問にもぐっと心を持っていかれます。でも私はやはり最後の質問に一番捉れました。

    子供の頃抱く質問は希望と好奇心にあふれています。
    大人になるにつれて質問は、不条理さや諦観から出てくるようになると私は思います。

    子供は子供なりの、大人は大人なりの読み方のできる文章です。絵を観ているだけでも心が揺れますね。
    借りて読みましたが、手元に置きたい一冊です。

  • 絵本を時たま手に取りたくなる。

    「最初の質問」

    絵本だから子どもに向けての質問だろうな・・・と頁をめくる。

    大人にこそ響きそう...ううん、大人だけでもない。
    すべての人に質問を、言葉を伝えたくなる。

    1冊、家において、時たま頁をめくりたくなる本でした。

  • 世界はこんなにも美しいもので満ち溢れている。同じものを見ているはずなのに、詩人の目には、耳には届いて、我々には届かない。

    子供の頃、雨上がりの水溜りに映る青空を楽しげに眺めていたはずなのに。屋根に登って、青空に高くゆっくりと形の変わっていく、白い真綿の塊を飽きず眺めていたはずなのに。

    長田さんの詩でもう一度、かつて感じたことがあるはずの優しさと、尽きない自然の不思議さとに満ち溢れた感覚をとりもどしたような気がします。
    最初の質問、それは私たちが通ってきたはずの問いです。

    詩に寄り添う風景として、伊勢英子さんの柔らかなタッチの絵がすばらしい。”チェロの木”や、”大きな木のような人”で感じたような、自然や木との交わりが素敵です。草花に包まれるように幼子がまどろむ姿も柔らかです。

    詩の一行より

     問いと答えと、今あなたにとって、必要なのはどっちですか。

  • 優しい語り口で書かれた数々の問いは、ふと立ち止まり、自分の心とゆっくりと向かい合う時間を与えてくれました。
    長田弘さんの詩は心を解きほぐし、狭まった視野を空へ、その先へと押し上げてくれます。いせひでこさんの絵は柔らかなのにどこか孤独で、ひとりで居ても良いと、優しく寄り添ってくれるようです。
    ひとり静かにページをめくりたい絵本。

  • 長田弘さんの詩「最初の質問」は中学3年生の国語の教科書(学校図書)に掲載されているとのこと。
    これにいせひでこさんが絵を描いたのが本書。

    >今日、あなたは空を見上げましたか。
    空は遠かったですか、近かったですか。

    という詩から始まる絵本。

    問いかけはすぐに答えの出ない難しいものもけっこうあり、一つひとつの詩と対話するような気持ちでゆっくり読みました。
    大きな木と空の絵がとても素敵。

    >時代は言葉をないがしろにしているー
    あなたは言葉を信じていますか。

    最後の詩・・・言葉を軽く扱っているつもりはないけれど重く響きました。
    改めて言葉を大切に使っていきたいと思いました。

  • よく行く図書館のYAコーナーの数少ない絵本のなかにあり、タイトルと装丁が気になったので、借りた

    教科書にも掲載されているという詩「最初の質問」の絵本

    よみはじめてすぐ、これは泣いてしまうかも、と感じさせるトーンだ
    いろいろな質問が続き、そのたびに、立ち止まって思いをめぐらす
    あれはいつのことだったかな? それはどうしてなんだろう? 私って、みんなって、何なんだろう?
    季節的なものなのかわからないままの数年ぶりの落ち込みが少し軽減されるよう
    まだ図書館への返却期限まで間があるので、何度か読み返してみようと思う

  • 何気ない飾らないことば。
    なのに、こころの底を見透かされているようで、ぐっと心を掴まれる。
    今日、朝日を見たけど綺麗だと思えただろうか、
    当たり前に感じていた感情を、
    ふと立ち止まって振り返らせてくれる、気づかせてくれる、そんな本だと思う。
    絵も柔らかな色と線で描かれていて、柔らかで暖かな印象。
    疲れてしまっているときに読んだら元気が出そうな一冊。

  • 一番最初に知ったのはこの本でした。この本を見て、この方に興味を持ちました。ことばが大変美しく、ああ、好きだなとしみじみ思えました。こんな素敵な一冊にめぐり合えて本当に良かった。知らなかったら後悔するだろう、個人的にそういう一冊です。

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