最初の質問 (講談社の創作絵本)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061325234

作品紹介・あらすじ

詩人長田弘氏の代表作のひとつであり、中学3年生の国語の教科書(東京書籍)にも掲載されている「最初の質問」を、『ルリユールおじさん』などで人気の画家・絵本作家のいせひでこ氏が、「絵本」として構成します。
 詩の言葉を表面的に捉えて絵をつけるのではなく、いせ氏が自分の中で一度消化し、新たな作品として表現した力作です。
 いせ氏の絵本を多く手がけている岡本明氏による清々としたブックデザイン。子どもから大人まで味わうことのできる美しい絵本です。
 「最初の質問」は、卒業や結婚等、新しい道を歩む人へ贈る言葉としても引用されることの多い詩でした。本書は、大切な人への贈り物としてもふさわしい作品です。

感想・レビュー・書評

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  • どれだけ眺めていても飽きることのない絵は、ふんわりと優しい
    次々に投げかけられる質問と淡い色彩に心を奪われ、
    私は体を置き去りにしたまま、内側の部分だけ時空を超えていく

    表紙になっている女の子の絵は、
    「雲はどんなかたちをしていましたか。
     風はどんな匂いがしましたか。」
    の質問のページに描かれています。
    このページを目にしたとき、私はまだ息子が小さかった頃に連れ戻されました。
    この絵と同じ黄色の長靴を履き、じっと水たまりをのぞき込んでいました。
    また他の日には、草むらの中にしゃがんで小さな虫たちを観察し、手を伸ばしていました。
    川は好きなのに湖を恐がり、近寄れなかったのはなぜでしょうか。
    次々に思い出します。

    「いちばんしたいことは何ですか。
     人生の材料は何だとおもいますか。」
     ……今まで夢中で生きてきた
     これからの自分は何をしたいのだろう
     最近よく考えていることで、答えはまだない。

    • ひろさん
      あおちゃん、こんばんは(*^^*)
      「内側の部分だけ時空を超えていく」という表現がとてもしっくりきて、あおちゃんの読んだときの気持ちが伝わっ...
      あおちゃん、こんばんは(*^^*)
      「内側の部分だけ時空を超えていく」という表現がとてもしっくりきて、あおちゃんの読んだときの気持ちが伝わってきました!
      私も読みましたが、人生の真髄に迫る質問でしたよね。同じく答えはまだない、です。
      2023/04/15
    • aoi-soraさん
      ひろちゃんのレビューを見て、この本が気になっていたの。
      そしたら図書館にあったので借りてみました♪
      ひろちゃんが感想に書いていたように、どん...
      ひろちゃんのレビューを見て、この本が気になっていたの。
      そしたら図書館にあったので借りてみました♪
      ひろちゃんが感想に書いていたように、どんなに忙しくても時には立ち止まることって大切かもしれない。
      そして、ほとんどの質問に答えられなかったワタシ……
      詩を手帳に書き写しました(⁠◠⁠‿⁠◕⁠)
      時々読み返して、答えてみようかと(笑)
      2023/04/15
    • ひろさん
      あおちゃん♪私も答えられなかった~
      だから、あおちゃんの答えはまだないって言葉を読んで正直ホッとしたよ。
      手帳に書き写すっていいね!
      私も書...
      あおちゃん♪私も答えられなかった~
      だから、あおちゃんの答えはまだないって言葉を読んで正直ホッとしたよ。
      手帳に書き写すっていいね!
      私も書き留めておこうかな(*´∀`)b
      ほんと自分に問い続けていきたい質問だね♪
      2023/04/16
  • 忙しない日々のなか、ふと立ち止まり、感じることや考えることの大切さを思い出させてくれる。自分を見つめ直すきっかけをくれる絵本。
    長田弘さんの奥深い詩と、いせひでこさんの淡くてきれいな水彩画が合わさることで、より心に情景が浮かんでくる。

    便利で豊かな時代になったことで、見えにくくなってしまったもの。
    きれいだな、かわいいな、好きだな、と日々のほんのささやかなものに感じる心。
    しかし、桜や菜の花、ふきのとうなど、SNSから季節を感じる写真がいっぱい流れてくると、四季折々の自然を美しいと感じる人がたくさんいるんだって嬉しくなる。
    身近な花や鳥の名前をたくさん知っている人も素敵だなぁ。

    小さなそれらを心にたくさん積み重ねていくことが、自分という人間の感性を築いていく。
    まだ幼い子どもらと一緒に感性を磨いていきたいな。

  • 最初の質問 (講談社の創作絵本)
    2013.07発行。字の大きさは…大。
    絵は、いせひでこさん。文は、長田弘さん。

    ページを開けたら、淡い、優しい色が目に飛び込んできました。
    文字を読まず、ただ絵を見て最後のページまで見ていきました。
    いい絵ですね。
    色遣いがいいです。
    2度、3度と見ていきます。
    飽きることがないです、柔らかな、大胆な、見る人を惹きつけずにはいられない様な・・・。

    文章を読んで、う、ぅ・・・、言葉に詰まってしまいました。
    2020.09.21読了

    • nejidonさん
      やまさん、読まれたのですね!
      言葉に詰まる・・良く分かります。私も同じです。
      机の前に、長年この詩を貼っていました。
      これを絵を添えよ...
      やまさん、読まれたのですね!
      言葉に詰まる・・良く分かります。私も同じです。
      机の前に、長年この詩を貼っていました。
      これを絵を添えようと考えたいせさんは、素晴らしいと思います。
      やまさんにとっても良い読書になったようで、何よりです!
      2020/09/21
    • やまさん
      nejidonさん♪こんばんは(^-^)
      ご紹介ありがとうございます。
      一昨日見た「絵描き」のイメージを覆す素晴らしい絵です。
      「絵描...
      nejidonさん♪こんばんは(^-^)
      ご紹介ありがとうございます。
      一昨日見た「絵描き」のイメージを覆す素晴らしい絵です。
      「絵描き」は、本日図書館に返却したため、手元に有りませんが。
      もしかしたら、「絵描き」が私の心に残っていたから、この「最初の質問」が、
      より鮮明に写ったのかもしれませんね。
      この詩を、折に触れ・・・して行こうと思います。
      よい本を、ご紹介くださり、ありがとうございます。
      やま
      2020/09/21
  • みんなもそうしたと思いますが、質問に答えながら読み進めました。
    『樹木を友人だと考えたことがありますか。』
    え~っ!そんなことを訊くの?
    (考えたことあるかな?子どもの頃あったかも知れないけど覚えていない。たぶんないな。)

    答えを絞り出そうにも、きっかけすら浮かばなかったり、質問の意図がわからなかったり。
    今まで考えたことのないことを質問されても…。答えに詰まる。

    「最初の質問」というタイトルは、「あなたがこれまで問われたことのない質問」という意味かなと思った。

    10分もあれば読めてしまうが、質問の連続で一つも模範解答がないんですね。
    いせさんの答えが絵に隠されているのかと見返したがそうでもない。
    『人生の材料は何だと思いますか。』の絵の具の絵は一瞬答えかなと思ったが、人生の一コマを表現する手段だよね。
    答えは、(見たもの、感じた事、経験した事すべて)かな。

    う~ん、と考えを巡らせながら何度もページをめくり直していたら1時間経っていた。
    最初に答えられなかった質問は、1時間頭をひねっても答えがまとまらなかった。

    『問いと答えと、今あなたにとって必要なのはどっちですか。』
    これは(問い)だな。答えはなかったり変わったりする。問いが足りないかも。多すぎるのも困るけど(^^;

    この本を閉じてしまえば、多くのことに無関心で"ぼぉ~"と生きてるいつもの日常に戻るんだろう。

    年に1回くらい、このような"質問に答えられない自分"と向き合う時間を作ることは大切だと感じました。

  • 中三の国語の教科書にも載っている有名なこの詩を、実はずいぶん前から机の前に貼ってある。
    【今日、あなたは空を見上げましたか。
     空は遠かったですか、 近かったですか。】
    はい、と即答出来る日と、出来ない日と。
    考えて考えて、いまだに答えの出ない質問と。
    【いちばんしたいことは何ですか。
     人生の材料は何だとおもいますか。】

    何を今更この名詩に絵などと思ったが、「いせひでこさん」の淡い水彩画に、胸をぎゅっと掴まれてしまった。
    【何歳のときのじぶんが好きですか。】
    というフレーズには「大きな木のような人」や「ルリユールおじさん」を彷彿とさせる大木が登場し、こちらの涙腺もゆるみそうになる。
    無理に答えを引き出そうとせずに、詩のもつ深い味わいと、絵からかもし出される美しい世界観を、静かに味わうのも良いだろう。
    いつ、どんな時にこの本を開くかによって、答えも違ってきそうだ。
    でも、それで良いのかもしれない。
    心にも深呼吸が必要だと、思いなおすだけでも貴重なことだ。
    そもそも、全ての質問の末尾に、クエスチョンが付いてはいないのだからね。
    ゆっくりとかみしめて、約8分。やはり中学生以上に。

    • nejidonさん
      だいさん、たくさんのコメントと「お気に入り」をくださって、ありがとうございます!
      絵本のレビューは絵本のよう、ですか?
      この絵本は特に美...
      だいさん、たくさんのコメントと「お気に入り」をくださって、ありがとうございます!
      絵本のレビューは絵本のよう、ですか?
      この絵本は特に美しさが際立っていたので、そうなったのかもしれません。
      いろいろな本があるなぁというのは、だいさんの本棚で私が感じたことでもあります(笑)
      見知らぬ本が並ぶ他の方の本棚って、新鮮に見えますよね。
      それがきっかけで新しい本の世界も開いていく。
      それがブクログの面白いところだと思います。
      2013/10/28
    • 8minaさん
      nejidonさん
      長田弘の詩には大きな樹のイメージがあり、私も好きです。いせひでこさんの絵本のタッチも好きで図書館の子供たちの横で、ルリ...
      nejidonさん
      長田弘の詩には大きな樹のイメージがあり、私も好きです。いせひでこさんの絵本のタッチも好きで図書館の子供たちの横で、ルリユールおじさん、チェロの木、祭り、に見入っていました。この本も詩の世界と合わせて、何度も読んでいます。少し大人の味わいの本ですね。本当の本棚でも大事にしていきます。
      2013/10/28
    • nejidonさん
      8minaさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      長田さんもいせひでこさんもお好きでしたか。嬉しいです!
      このふたりのコラ...
      8minaさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      長田さんもいせひでこさんもお好きでしたか。嬉しいです!
      このふたりのコラボ、思えばとても自然ですよね。
      考えたこともなかったのに、こうして挿絵になってみると違和感が全くありません。
      大人の味わい、うん、そうだと思います。
      私もずうっと大切にしたい本ですね。
      また素敵な本に出会ったらご紹介くださいね。
      楽しみにしています。
      2013/10/29
  • 何度も何度も読み返したい絵本。

    すべて優しく問いかけてくる。
    ただ、その時々によって気持ちも変わり、だから答えも変わる。
    そして、答えられないこともある。

    今日、あなたは空を見上げましたか。
    で始まる問いかけ。

    いちばん気になったのは、

    何歳のときのじぶんが好きですか。
    上手に歳をとることができるとおもいますか。
    世界という言葉で、
    まずおもいえがく風景はどんな風景ですか。

    これは、今だにきちんと答えられない。

  • 「今日、あなたは空を見上げましたか」

    なかなか、意識的に見上げようと思わなかったけれど、実際にしてみると、何かゆったりと落ち着いた心地で、気持ちに余裕ができた瞬間、周りの景色はこんなだったんだって、気付く。

    「あなたにとって、いい一日とはどんな一日ですか」

    ずっと考えてるけど、何か簡単に言えないな。

    「樹木を友人だと考えたことがありますか」

    これは、過去に出会ったいろんな本が教えてくれて、それに気付いてからは、世界が少し明るくなったように感じられた。
    今日も仕事に行きがてら、家の近くの梅の木が綺麗だったのを、よく覚えている。

    それにしても、本書のいせひでこさんの絵は、以前読んだ、「幼い子は微笑む」とは、また雰囲気の異なる、真に迫った感を私は受けた。

    先程の、樹木のページでの、一人で泣きながら歩く男の子の絵や、表紙の、水に反射した雲のかたちを見つめている女の子の絵にしても、読んでいる側が思わず、手を差し伸べてあげたくなるような雰囲気があるが、それをしては、いけないような気もする。

    そこには、他人が立ち入ってはいけない、その人自身の中にある大切なものを見つめ直そうとしている、その人だけの時間のようにも感じられたからだ。

    「あなたにとって
    「わたしたち」というのは、誰ですか」

    「世界という言葉で、
    まずおもいえがく風景はどんな風景ですか」

    「これだけはしないと、
    心に決めていることがありますか」

    長田弘さんから、淡々と投げかけられる質問たち。

    ぱっと、すぐに答えられないものには、きっと私たち(これを読んでくれている皆さんのことです)の中にある、見えない何かを変えてくれる力があるような気がしてくる。

    それがきっと、言葉の力。
    時代は言葉をないがしろにしていても、私は言葉を信じています。

    「人生の材料は何だとおもいますか」

    それはね・・・・・

  • 私達は
    (自分とは何者か?)
    を知りたいが為に
    透明な質問を
    自分自身に投げかける。
    そして
    透明な答えを出す。

    この心の中のやりとりが
    まったく理解不能な為
    私達はいつまでたっても
    自分の正体がよくわからない。

    知りたいのに。
    いつの間にか現れて
    いつの日かさっぱりと消えてしまう
    この摩訶不思議な  が
    一体何者であるかを知りたいのに。

    絵本の中では
    透明な質問が言葉化されていた。
    あれ、
    なんと簡単な事!
    今度ははっきりと答えが出せる。

    シルエットが少しずつはっきりしてくる。
    自分自身がこちらへ向かってやってくる。

  • まず表紙の女の子の、横向きでも後ろ向きでもない、気にかけて欲しそうな微妙な立ち方、「どうしたの?」と覗き込んで訪ねたくなる様なたたずまいに惹きつけられます。
    手にとって見ると文章は長田弘さん。これは読まずにいられません。

    たくさんの質問があります。どの質問にもぐっと心を持っていかれます。でも私はやはり最後の質問に一番捉れました。

    子供の頃抱く質問は希望と好奇心にあふれています。
    大人になるにつれて質問は、不条理さや諦観から出てくるようになると私は思います。

    子供は子供なりの、大人は大人なりの読み方のできる文章です。絵を観ているだけでも心が揺れますね。
    借りて読みましたが、手元に置きたい一冊です。

  • 世界はこんなにも美しいもので満ち溢れている。同じものを見ているはずなのに、詩人の目には、耳には届いて、我々には届かない。

    子供の頃、雨上がりの水溜りに映る青空を楽しげに眺めていたはずなのに。屋根に登って、青空に高くゆっくりと形の変わっていく、白い真綿の塊を飽きず眺めていたはずなのに。

    長田さんの詩でもう一度、かつて感じたことがあるはずの優しさと、尽きない自然の不思議さとに満ち溢れた感覚をとりもどしたような気がします。
    最初の質問、それは私たちが通ってきたはずの問いです。

    詩に寄り添う風景として、伊勢英子さんの柔らかなタッチの絵がすばらしい。”チェロの木”や、”大きな木のような人”で感じたような、自然や木との交わりが素敵です。草花に包まれるように幼子がまどろむ姿も柔らかです。

    詩の一行より

     問いと答えと、今あなたにとって、必要なのはどっちですか。

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著者プロフィール

長田弘(おさだ・ひろし)
1939年、福島県福島市生まれ。早稲田大学第一文学部独文専修卒業。詩人。65年、詩集『われら新鮮な旅人』でデビュー。98年『記憶のつくり方』で桑原武夫学芸賞、2009年『幸いなるかな本を読む人』で詩歌文学館賞、10年『世界はうつくしいと』で三好達治賞、14年『奇跡―ミラクル―』で毎日芸術賞をそれぞれ受賞。また、詩のみならずエッセイ、評論、翻訳、児童文学等の分野においても幅広く活躍し、1982年エッセイ集『私の二十世紀書店』で毎日出版文化賞、2000年『森の絵本』で講談社出版文化賞を受賞。15年5月3日、逝去。

「2022年 『すべてきみに宛てた手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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