最初の質問 (講談社の創作絵本)

  • 講談社
4.38
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本棚登録 : 325
レビュー : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061325234

作品紹介・あらすじ

詩人長田弘氏の代表作のひとつであり、中学3年生の国語の教科書(東京書籍)にも掲載されている「最初の質問」を、『ルリユールおじさん』などで人気の画家・絵本作家のいせひでこ氏が、「絵本」として構成します。
 詩の言葉を表面的に捉えて絵をつけるのではなく、いせ氏が自分の中で一度消化し、新たな作品として表現した力作です。
 いせ氏の絵本を多く手がけている岡本明氏による清々としたブックデザイン。子どもから大人まで味わうことのできる美しい絵本です。
 「最初の質問」は、卒業や結婚等、新しい道を歩む人へ贈る言葉としても引用されることの多い詩でした。本書は、大切な人への贈り物としてもふさわしい作品です。

感想・レビュー・書評

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  • 中三の国語の教科書にも載っている有名なこの詩を、実はずいぶん前から机の前に貼ってある。
    【今日、あなたは空を見上げましたか。
     空は遠かったですか、 近かったですか。】
    はい、と即答出来る日と、出来ない日と。
    考えて考えて、いまだに答えの出ない質問と。
    【いちばんしたいことは何ですか。
     人生の材料は何だとおもいますか。】

    何を今更この名詩に絵などと思ったが、「いせひでこさん」の淡い水彩画に、胸をぎゅっと掴まれてしまった。
    【何歳のときのじぶんが好きですか。】
    というフレーズには「大きな木のような人」や「ルリユールおじさん」を彷彿とさせる大木が登場し、こちらの涙腺もゆるみそうになる。
    無理に答えを引き出そうとせずに、詩のもつ深い味わいと、絵からかもし出される美しい世界観を、静かに味わうのも良いだろう。
    いつ、どんな時にこの本を開くかによって、答えも違ってきそうだ。
    でも、それで良いのかもしれない。
    心にも深呼吸が必要だと、思いなおすだけでも貴重なことだ。
    そもそも、全ての質問の末尾に、クエスチョンが付いてはいないのだからね。
    ゆっくりとかみしめて、約8分。やはり中学生以上に。

    • nejidonさん
      だいさん、たくさんのコメントと「お気に入り」をくださって、ありがとうございます!
      絵本のレビューは絵本のよう、ですか?
      この絵本は特に美...
      だいさん、たくさんのコメントと「お気に入り」をくださって、ありがとうございます!
      絵本のレビューは絵本のよう、ですか?
      この絵本は特に美しさが際立っていたので、そうなったのかもしれません。
      いろいろな本があるなぁというのは、だいさんの本棚で私が感じたことでもあります(笑)
      見知らぬ本が並ぶ他の方の本棚って、新鮮に見えますよね。
      それがきっかけで新しい本の世界も開いていく。
      それがブクログの面白いところだと思います。
      2013/10/28
    • 8minaさん
      nejidonさん
      長田弘の詩には大きな樹のイメージがあり、私も好きです。いせひでこさんの絵本のタッチも好きで図書館の子供たちの横で、ルリ...
      nejidonさん
      長田弘の詩には大きな樹のイメージがあり、私も好きです。いせひでこさんの絵本のタッチも好きで図書館の子供たちの横で、ルリユールおじさん、チェロの木、祭り、に見入っていました。この本も詩の世界と合わせて、何度も読んでいます。少し大人の味わいの本ですね。本当の本棚でも大事にしていきます。
      2013/10/28
    • nejidonさん
      8minaさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      長田さんもいせひでこさんもお好きでしたか。嬉しいです!
      このふたりのコラ...
      8minaさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      長田さんもいせひでこさんもお好きでしたか。嬉しいです!
      このふたりのコラボ、思えばとても自然ですよね。
      考えたこともなかったのに、こうして挿絵になってみると違和感が全くありません。
      大人の味わい、うん、そうだと思います。
      私もずうっと大切にしたい本ですね。
      また素敵な本に出会ったらご紹介くださいね。
      楽しみにしています。
      2013/10/29
  • 私達は
    (自分とは何者か?)
    を知りたいが為に
    透明な質問を
    自分自身に投げかける。
    そして
    透明な答えを出す。

    この心の中のやりとりが
    まったく理解不能な為
    私達はいつまでたっても
    自分の正体がよくわからない。

    知りたいのに。
    いつの間にか現れて
    いつの日かさっぱりと消えてしまう
    この摩訶不思議な  が
    一体何者であるかを知りたいのに。

    絵本の中では
    透明な質問が言葉化されていた。
    あれ、
    なんと簡単な事!
    今度ははっきりと答えが出せる。

    シルエットが少しずつはっきりしてくる。
    自分自身がこちらへ向かってやってくる。

  • まず表紙の女の子の、横向きでも後ろ向きでもない、気にかけて欲しそうな微妙な立ち方、「どうしたの?」と覗き込んで訪ねたくなる様なたたずまいに惹きつけられます。
    手にとって見ると文章は長田弘さん。これは読まずにいられません。

    たくさんの質問があります。どの質問にもぐっと心を持っていかれます。でも私はやはり最後の質問に一番捉れました。

    子供の頃抱く質問は希望と好奇心にあふれています。
    大人になるにつれて質問は、不条理さや諦観から出てくるようになると私は思います。

    子供は子供なりの、大人は大人なりの読み方のできる文章です。絵を観ているだけでも心が揺れますね。
    借りて読みましたが、手元に置きたい一冊です。

  • 絵本を時たま手に取りたくなる。

    「最初の質問」

    絵本だから子どもに向けての質問だろうな・・・と頁をめくる。

    大人にこそ響きそう...ううん、大人だけでもない。
    すべての人に質問を、言葉を伝えたくなる。

    1冊、家において、時たま頁をめくりたくなる本でした。

  • 世界はこんなにも美しいもので満ち溢れている。同じものを見ているはずなのに、詩人の目には、耳には届いて、我々には届かない。

    子供の頃、雨上がりの水溜りに映る青空を楽しげに眺めていたはずなのに。屋根に登って、青空に高くゆっくりと形の変わっていく、白い真綿の塊を飽きず眺めていたはずなのに。

    長田さんの詩でもう一度、かつて感じたことがあるはずの優しさと、尽きない自然の不思議さとに満ち溢れた感覚をとりもどしたような気がします。
    最初の質問、それは私たちが通ってきたはずの問いです。

    詩に寄り添う風景として、伊勢英子さんの柔らかなタッチの絵がすばらしい。”チェロの木”や、”大きな木のような人”で感じたような、自然や木との交わりが素敵です。草花に包まれるように幼子がまどろむ姿も柔らかです。

    詩の一行より

     問いと答えと、今あなたにとって、必要なのはどっちですか。

  • 優しい語り口で書かれた数々の問いは、ふと立ち止まり、自分の心とゆっくりと向かい合う時間を与えてくれました。
    長田弘さんの詩は心を解きほぐし、狭まった視野を空へ、その先へと押し上げてくれます。いせひでこさんの絵は柔らかなのにどこか孤独で、ひとりで居ても良いと、優しく寄り添ってくれるようです。
    ひとり静かにページをめくりたい絵本。

  • 長田弘さんの詩「最初の質問」は中学3年生の国語の教科書(学校図書)に掲載されているとのこと。
    これにいせひでこさんが絵を描いたのが本書。

    >今日、あなたは空を見上げましたか。
    空は遠かったですか、近かったですか。

    という詩から始まる絵本。

    問いかけはすぐに答えの出ない難しいものもけっこうあり、一つひとつの詩と対話するような気持ちでゆっくり読みました。
    大きな木と空の絵がとても素敵。

    >時代は言葉をないがしろにしているー
    あなたは言葉を信じていますか。

    最後の詩・・・言葉を軽く扱っているつもりはないけれど重く響きました。
    改めて言葉を大切に使っていきたいと思いました。

    • nejidonさん
      はぴさん、はじめまして。
      フォローとお気に入りをくださってありがとうございます。
      長田さんのこの詩が教科書に載っているということを、私も...
      はぴさん、はじめまして。
      フォローとお気に入りをくださってありがとうございます。
      長田さんのこの詩が教科書に載っているということを、私もレビューに書いたのですが、よくよく調べたらこちらの教科書には載っていませんでした。
      出版社によって違いがあるので、全国区ではないようです。
      中学のお話会で読むと、しばらくシーンとなります。
      大人も子どもも誰も、何も、語らなくなる作品です。
      それなのに、「あれ、読んで」と言われる本です。
      こちらからもリフォローさせていただきますね。
      また楽しい作品に出会ったら教えてください。
      2014/09/15
    • はぴさん
      8minaさん、こんばんは。
      長田弘さんといせひでこさんの絵、ぴったりですね^^
      中学生の感想、聞いてみたいです。
      私は今回初めて読み...
      8minaさん、こんばんは。
      長田弘さんといせひでこさんの絵、ぴったりですね^^
      中学生の感想、聞いてみたいです。
      私は今回初めて読みましたが、中学生の頃に読んでいたらまた違った感想になったかなと思いました。
      2014/09/15
    • はぴさん
      nejidonさん 、初めまして。
      こちらこそコメントにお気に入り登録、ありがとうございました^^
      これからよろしくお願いします!
      ...
      nejidonさん 、初めまして。
      こちらこそコメントにお気に入り登録、ありがとうございました^^
      これからよろしくお願いします!

      とてもいい詩なので中学生教科書全部に載っていてもいいのに・・・と思いました。

      nejidonさんは中学生にも読み聞かせされているんですね。
      実際の様子も聞かせていただき、雰囲気が伝わってくるようです。ありがとうございます。
      何も語らないということは、それぞれがじっくり考えていて言葉が出ないのかもしれませんね。
      中学生の柔らかい心にちゃんと届いているんだなと感じました。
      こちらこそnejidonさんの読まれる本、参考にさせてもらいますね。
      2014/09/15
  • よく行く図書館のYAコーナーの数少ない絵本のなかにあり、タイトルと装丁が気になったので、借りた

    教科書にも掲載されているという詩「最初の質問」の絵本

    よみはじめてすぐ、これは泣いてしまうかも、と感じさせるトーンだ
    いろいろな質問が続き、そのたびに、立ち止まって思いをめぐらす
    あれはいつのことだったかな? それはどうしてなんだろう? 私って、みんなって、何なんだろう?
    季節的なものなのかわからないままの数年ぶりの落ち込みが少し軽減されるよう
    まだ図書館への返却期限まで間があるので、何度か読み返してみようと思う

  • 何気ない飾らないことば。
    なのに、こころの底を見透かされているようで、ぐっと心を掴まれる。
    今日、朝日を見たけど綺麗だと思えただろうか、
    当たり前に感じていた感情を、
    ふと立ち止まって振り返らせてくれる、気づかせてくれる、そんな本だと思う。
    絵も柔らかな色と線で描かれていて、柔らかで暖かな印象。
    疲れてしまっているときに読んだら元気が出そうな一冊。

  • 一番最初に知ったのはこの本でした。この本を見て、この方に興味を持ちました。ことばが大変美しく、ああ、好きだなとしみじみ思えました。こんな素敵な一冊にめぐり合えて本当に良かった。知らなかったら後悔するだろう、個人的にそういう一冊です。

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著者プロフィール

詩人。1939年福島市に生まれる。1963年早稲田大学第一文学部卒業。1971-72年北米アイオワ大学国際創作プログラム客員詩人。毎日出版文化賞(82)桑原武夫学芸賞(98)講談社出版文化賞(2000)詩歌文学館賞(09)三好達治賞(10)毎日芸術賞(14)などを受賞。2015年5月3日死去。

「2017年 『エミリ・ディキンスン家のネズミ  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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