- 本 ・本 (28ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061325500
作品紹介・あらすじ
バケツを持って、お母さんと海に遊びにやってきた少女が出会った、「なみのむすめ」。なみのわかものと結婚するため、ひっくり返したバケツの中で、うみのあわのドレスを編んでいる、というのです。少女はバケツを貸してあげました。
夏が終わる日、少女が浜辺に見に行くと、白いドレスの小さな女のひとがバケツのそばに立っていて、少女にお礼をいいました。すると、なみのわかものが、寄せてきて、なみのむすめを海に連れていきました。
バケツの中には、貝がらがひとつ入っていました。少女はそれを、ずっと大切にもっていたのでした。
感想・レビュー・書評
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絵、色彩の美しさに魅かれて図書館で借りました。
文章の上品さも相まって、絵画を眺めているような気分でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
装丁/田中久子
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絵がきれいで、女の子はかわいい。
内容はファンタジーでした。 -
小学校2年生くらいの読書感想文に良さそうな絵本。
楽しいというよりは、幼少期の淡い時間が真空パックされたような作品。ステキです。 -
夏も近いですね。女の子の海の色をしたバケツには、色んなお客さんが遊びに来ます。かに、やどかり、さかな…ある日、ひっくり返ったバケツにはなみのむすめが入っていて………。海に行きたくなる一冊です。(はま)
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女の子は海がそのままバケツになったのではないかと思われるほどの海色のバケツを持っていた。
お母さんと海へ行き、新しいバケツを置いておいて帰りに見てみるとカニの親子が入っていた。
いいよ、貸してあげる、とその日は浜辺に置いて帰る。
次の日見てみると、今度はヤドカリが入っていた。
運動場に貸してあげる、とまた置いて帰る。
次の日には魚が入っていた。
今度も貸して上げ、次の日に行ってみると、バケツが逆さまになっていた。
魚はどうしたのかな、と思っているとバケツの中から小さな声がする。
自分は波の娘で、今は裸である、泡のレースで編んだウェディングドレスを作り夏の終わりの日に、波の若者と結婚するのだと言う。
女の子はいいよ、貸してあげる、と波の娘にもバケツを貸してあげるのだった。
毎日バケツの傍に行ってはバケツの隙間から金色のかぎ針が波の白い泡を掬うのを見る。
そして、ついに夏の終わりの日になった。
女の子はバケツから白いドレスに身を包んだ小さい女の人が海へ向かうのを見る。
バケツの中にはもう何も入っていないと思ったら、海色のきれいな貝殻が入っていた。
女の子はその貝殻をいつまでも大切にするのだった。
波の白い泡のレースを銀の細い細い編み棒で編む。
抒情的で素敵。
立原えりかと永田萠のコンビの絵本は美しい作品ばかり。
著者プロフィール
立原えりかの作品





