絵本 いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日 (講談社の創作絵本)

  • 講談社
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061325616

作品紹介・あらすじ

西日本新聞社から刊行されている単行本『いのちをいただく』は、全国で感動を呼び、10万部を突破したロングセラー。『紙しばい いのちをいただく』も、紙しばいとしては異例の売れゆきを続けています。この名作が、新版として、手に取りやすい絵本になりました。
坂本さんは、食肉センターで牛を“とく”仕事をしています。息子のしのぶくんは、小学校の授業参観で、お父さんの仕事について、うつむきながら「普通の肉屋です」と答えます。担任の先生に、「お父さんが仕事ばせんと、肉ば食べれんとぞ」と言われ、しのぶくんは考えを変えます。「お父さんの仕事はすごかとやね」と言うしのぶくんを見て、坂本さんはもう少しこの仕事を続けようと決心します。
そんなある日、坂本さんが勤める食肉センターに、女の子と一頭の牛がやってきて――。

感想・レビュー・書評

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  • from田舎 to田舎の人生だもの、可愛がってきた牛を売らねばならなかった人の話は、子どもの頃からたくさん聞いてきた。
    その日の朝は餌をあげても全然食べなかったとか、こちらを見ながらぼろぼろと涙をこぼしたとか。
    だから、好き嫌いせず感謝して全部いただきなさいと、そう教わった。
    しかし、大人になってからあらためてこういう話を読むと、やはり辛い。
    一度目はじんわりと泣いて、二度目はしくしく泣いて、三度目はほぼ号泣だった。
    もちろん、泣かせる目的のお話ではない。
    これは食肉解体業に携わるひとの実話で、登場人物も実名のままの、本当にあったお話なのだ。

    食肉センターで働く「坂本義喜さん」が語る講演で、たまたまそのエピソードを聞いて感銘を受けた助産師・内田美智子さんが、本として綴った「いのちをいただく」。
    ヒット作となったその単行本は、その後漫画家・魚戸おさむさんが絵を添えて紙芝居となり、それからこの絵本になったという流れ。
    「いのちを考える」などというとどうしても重くなってしまうが、それはやはり実話の重みだからだろう。
    取材もせずに、頭の中だけできれいごとの理論を展開したものではない。

    ずっと自分の仕事が嫌だった坂本さんを変えた出来事はなんだったのか。
    話はそこを軸に進んでいく。
    生きるために食べる。食べるために働く。
    この当たり前のようなサイクルが、実は多くの命と関わって成り立っているということに気づかされる。
    「いただきます」とは、なんと深い言葉なのだろう。

    それにしても、すべてのものには「魂」があるというアイヌの人々の考え方は、こんなときどんなに救いになるだろう。
    「牛さんの魂は、きっとどこかでまた生まれ変わるよ」と、子どもたちに教えることが出来たならと思うが、それは私のつまらない感傷なのだろうか・・

    約13分。
    低学年からとあるが、出来れば中学年くらいからがベストかと思う。

  • 衝撃的なタイトルのまんまのお話。

  • 普段の生活ではお肉はパック詰めされているものね。
    時々読み返して命をいただいていることに改めて感謝したい。

  • 4歳0ヶ月息子

    読んで聞かせるにも自分が泣いてしまって読み聞かせにならない…汗。言葉を詰まらせながら読みました。

  • 屠殺業をされていた方のお話を絵本にしたもの。
    背表紙のすき焼きの絵が、読み終えた後だと胸にきます。普段何も考えることなくスーパーで肉を選び、煮たり焼いたりして美味しくいただいている。それを支えてくれている方々がいることを、忘れてはならないと教わった気持ちに。

  • 深いテーマなので、余計な事は言わずに淡々と読んでいきました。四年生の息子は、読み終わったと同時に、
    深く頷きながら、ありがたいよね。と、言いました。

  • 普段食べている牛肉=牧場で見る可愛い牛、ということが子供たちにもわかりやすく描かれている一冊。
    牛の表情がそれぞれ違い、子供たちにも伝わるものがあると思う。
    牛だけじゃないけれど、いのちをいただくことの「ありがとう」という気持ちを込めて『いただきます』『ごちそうさまでした』を言う大切さを子供たちに伝えたいと思う。

  • 生きていることに感謝を思い出させてくれる1冊。そう、命をいただいて私は生きてる。女の子がみぃちゃんと寄り添う姿は涙でちゃうよ。
    〇小学校低学年~

  • 自分達の食生活の多くが誰かが代わりにしてくれることによって成り立っています。

    それが当たり前なの社会です。

    だから悪いとは思わないです。

    ただ誰かが代わりにしてくれているということを真剣に考えることはしても良いのではないでしょうか。

    本作では誰かの代わりに坂本さんが牛をといてくれています。

    とくことを平気でしてるわけではありません。

    色々な葛藤があるけど仕事を続けてくれています。

    有り難いことでうよね。

    この作品が多くの人にとって考える機会になってくれると思います。

    さて、これからも感謝して「いただきます」を言おう。

  • もうこれは子どもも大人も一度は読むべきですね。これからもお肉を食べ続けるんですから。

  • [坂本さんは、食肉センターで牛を“とく”仕事をしています。息子のしのぶくんは、小学校の授業参観で、お父さんの仕事について、うつむきながら「普通の肉屋です」と答えます。担任の先生に、「お父さんが仕事ばせんと、肉ば食べれんとぞ」と言われ、しのぶくんは考えを変えます。「お父さんの仕事はすごかとやね」と言うしのぶくんを見て、坂本さんはもう少しこの仕事を続けようと決心します。
    そんなある日、坂本さんが勤める食肉センターに、女の子と一頭の牛がやってきて――。]

  • 娘が選んでくれた絵本。
    いい本や。

    実話ってところがまた素敵。
    いろんな角度で命を感じれるのがいいな、と思った。

  • 「命を解く」という表現の重さを考える。お話の中で、坂本さんが食肉解体の仕事を続けるか辞めるかで気持ちが揺れているのも刺さる。
    食肉解体業に携わっていた坂本義喜さんの講演を、たまたま一緒に演者として聴いていた助産師・内田美智子さんが文章にまとめて本にし、その本が評価されて魚戸おさむさんによる紙芝居になり、絵本に辿り着く。

    原案:坂本義喜、作:内田美智子、絵:魚戸おさむ

    関係のない余談。この絵本、日本十進分類法では「913 小説.物語」とする場合と、「498.5 食品.栄養」とする場合がある。国立国会図書館分類表は「Y1 児童図書(政治・経済・産業・社会)」になる。

  • 中野
    泣かないで読めるかな
    他の本とBOOKトークで

  • 生命尊重

  • いい絵本でした。子どもの時に学んでおきたいことです。小学校では必ず教えてほしいと思いました。

  • 屠殺場に勤める父親を持つ子は、みぃちゃんと言う牛を通して命を繋いでいくことを学ぶ

  • 装丁・本文デザイン/坂川事務所

  • 口蹄疫が蔓延したときに、殺処分と肉の解体業者さんとのやっていることの違いに、悩んだことがありました。「いただく」ということを改めて深く自分に問いなおさせてくれます。文章本も持っていますが、読み聞かせ用に購入しました。

  • 食肉解体業に携わる坂本義喜さんの実話です。子供の読書感想文のひとつとして購入しました。何度読んでも涙の溢れてくるお話です。「命をいただく」ということ、大切な命に感謝して無駄のないようにいただく。私達は子供達に受け継いでいくこと、私たちに課せられた義務だと考えさせられました。

  • 5歳

    悲しい顔をするんだけど
    何やら本人は咀嚼しているようで、何度も読んだ。
    また借りよう
    購入もいいかな

  • 普段いただく命には、様々な人が関わっていることを知った。命をいただくことに感謝して食事をしたい。
    絵がとてもお話に合っていてすてき!

  • 「みいちゃんがお肉になる日」っていうサブタイトルがすごい。表紙に可愛らしい女の子の絵が描かれているが、てっきりこの女の子が「みいちゃん」なのかと思ってしまった。藤子・F・不二雄の「ミノタウロスの皿」かよ、と思ってしまった。

  • 日々のいただいているお肉もこのような経緯があっていただけること。
    感謝です
    このようなお仕事があること
    途中泣かずにはいられないシーンがある

  • 絵も話も素朴だが、心をうつものがある。

  • 2018/8/17 18:45

  • ・まずこの本は、絵本なのでどの学年も命について考えさせられると思います。私は、この本を読む前は普通に牛肉を食べていたけど、本を読んだら牛がかわいそうと思ったので、これからは、牛に限らずどんな命も大切にして、食べ物は感謝して食べたいです。
    ・自分が今まで「おいしいっ」としか思わず毎日食べてきたお肉。でもその裏には命をいただくという悲しい事ともうその牛や鳥と会えなくなるつらさがありそれがあって肉を食べられるという幸せがありました。それを気づかせてくれます。

  • 2014.12.07 オリオン書房で見つける。

  • 私たちが知らない裏で
    素晴らしい仕事だけどとても苦しい思い
    をしている人がいる。
    命の大切さ感謝の気持ちぎゅとつまってるよ。

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著者プロフィール

助産師。
1957年、大分県竹田市生まれ。国立熊本病院付属看護学校、国立小倉病院付属看護助産学校助産師科卒業。福岡赤十字病院参加勤務を経て、1988年、福岡県行橋市にて、産婦人科医の夫とともに、内田産婦人科を開業した。2004年、九州思春期研究会設立。事務局長をつとめる。また、文部科学省嘱託、性教育実践調査研究事業員をつとめ、現在にいたる。九州の学校を中心に、講演活動も続ける。著書に『ここ―食卓から始まる生教育』『いのちをいただく』『紙しばい いのちをいただく』(すべて
共著/西日本新聞社)がある。

「2013年 『絵本 いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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