幼い子は微笑む (講談社の創作絵本)

  • 講談社
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本棚登録 : 101
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061332805

作品紹介・あらすじ

「幼い子は微笑む」は、長田弘氏の詩集『奇跡-ミラクル-』(2013年刊行、みすず書房)の巻頭を飾る詩です。
 この一編の詩に魅了された絵本作家のいせひでこ氏が、生前の長田氏との約束を果たし、ついに絵本として完成させた入魂の一冊です。
 前作『最初の質問』に続く、詩人と画家の奏でる交響曲のような絵本です。

「人がほんとうに幸福でいられるのは、おそらくは、
何かを覚えることがただ微笑だけをもたらす、
幼いときの、何一つ覚えてもいない、
ほんのわずかなあいだだけなのだと思う」(抜粋)

※すべての漢字にルビ付

感想・レビュー・書評

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  • これは深いなぁ。非常に深い絵本だ。
    (詩人)長田弘x(旅する絵描き)いせひでこ 、、すごい組み合わせであーる!

    長田弘さんのこの詩は非常に深い。意味するところをすごく考えさせられる。そう、本当に幼い頃、ただただ何かができるようになったら微笑んだ。きっとそれを見守る親もそうだろう。ただただ微笑んだ。しかし、成長するにすれ、たくさんの言葉を覚え、もっと人間としての知性を獲得していくにつれ、悩みは増えていくし、憎しみ、妬み、ストレス、犯罪、戦争、、ただ無垢に幸せだった時とは真逆にたくさんの苦しみも得てしまう。今一度、赤子の頃に初めて覚えた言葉が、微笑だということを人間は思い出すべきだと言われた気がした。

    いせひでこさんの絵は、今回は淡い水彩画。生まれたての赤ちゃんの様子、野原や川の橋にただずむ幼子の2人、非常に美しく淡く、目を奪われてしまう。一方、この淡さが、なんだか人間が赤子の頃、純粋に得られた微笑という言語を失う危うさを表しているかのように感じました。

    これは大人向けですかね。ズキンとくる長田さんの詩と淡くて美しい伊勢さんの絵。素敵な絵本でした。

  • 「人は言葉を覚えて幸福を失う 得た言葉と同じだけの悲しみを知る者になる」「人がほんとうに幸福でいられるのは、おそらくは、何かを覚えることがただ微笑みだけをもたらす、幼いときの、何一つ覚えてもいない、ほんのわずかなあいだだけなのだと思う」。人はいつからかそれを知っている。それゆえに私達は幸せに形を求め それが何であるのかを知りたくて生きている。一つ知る毎に悲しみが増すのなら、宝石のような言葉で世界を彩りたい。泡沫の夢だとしてもまた何度でも夢を見る。この世は美しい絶望で満ち溢れてるよ。それでも、涙雨に暗れ惑う日を生き抜いてきた人間は、何度でも微笑む為の強さを持っている。君と私が笑って、それを『幸せ』という以外に言葉で言い表すことなど出来ない。

  • ぐさぐさぐさと、刺さる。赤ん坊というものがいかに尊いか。成長しきった私たちが失っているものがどれほどまで尊いものか。柔らかく儚い美しい絵と刺すほどの鋭さを持ちつつ重たく静かな言葉とが見事に織り成している特別な一冊。こども向けの絵本の中で一冊だけ違う空気をまとっているように感じた直感が当たった。

    再読
    もはや詩集であり画集です。絵本というジャンルに収まりきらない良さを皆さんにもお伝えしたい。

  • 「幼い子は微笑む」は長田弘氏の詩集『奇跡-ミラクル-』の巻頭を飾る詩だそう。
    この詩に魅了されたいせひでこさんが、生前の長田さんとの約束を果たし、ついに絵本として完成させたとのこと。

    絵と詩が寄り添っている感じでとても素敵だけど、じっくり読んでいくと、なんて深くて難しいんだろう・・・

    >人がほんとうに幸福でいられるのは、おそらくは、
    何かを覚えることがただ微笑だけをもたらす、
    幼いときの、何一つ覚えてもいない、
    ほんのわずかなあいだだけなのだと思う

    幼い子の微笑みを見て感じるほわっとした気持ちの理由が分かったような気がしました。

  • 長田弘さん・いせひでこさんのコンビは絵本「最初の質問」以来かと思います。ので目に止まってすぐに手に取りました。
    帯のいせひでこさんの一言に今はもういらっしゃらない長田さんを思う気持ちが滲んでいてまず、心が揺れます。

    いせさんの絵は優しく暖かい。透明感のある繊細な赤ちゃんの絵が続きます。
    長田さんの詩は暖かくも厳しく人生の確信をついています。一番最後の絵のないページの長田さんの詩は、長田さんの、詩人としての最後の厳しいメッセージが籠められているかのようです。

    もっとお二人のコンビの作品が読みたかったですね。
    大人にこそ読んでいただきたい絵本です。

  • この世で人が最初に覚える
    言葉ではない言葉が、微笑だ

  • 地元の図書館の大人向け絵本コーナーにあり、気になったので借りた。
    赤ちゃんを見て癒されたり、穏やかな気持ちになるのは赤ちゃんがまだ何も知らず、綺麗なままだからだと認識。
    成長することは大切であるが、それと同時に生まれた時に持っていた幸福が離れていくことに残酷さを感じた。

    2018.07.05

  • 長田弘氏の、詩集、エッセイどれも必読、、、

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    「幼い子は微笑む」は、長田弘氏の詩集『奇跡-ミラクル-』(2013年刊行、みすず書房)の巻頭を飾る詩です。
     この一編の詩に魅了された絵本作家のいせひでこ氏が、生前の長田氏との約束を果たし、ついに絵本として完成させた入魂の一冊です。
     前作『最初の質問』に続く、詩人と画家の奏でる交響曲のような絵本です。

    「人がほんとうに幸福でいられるのは、おそらくは、
    何かを覚えることがただ微笑だけをもたらす、
    幼いときの、何一つ覚えてもいない、
    ほんのわずかなあいだだけなのだと思う」(抜粋)

    ※すべての漢字にルビ付
    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784061332805

  • 子どもというより、おとなへ
    長田さんの言葉が染み入る

  • この世で人が最初に覚える
    ことばではないことばが、微笑だ。
    人を人たらしめる、古い古い原初のことば。

    孫の無邪気な「微笑み」を見ているだけで、
    幸福を味わう。
    孫の「ことばではないことば」を。

    わたしは今日微笑んだかな。
    微笑するにたるだろうか。

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著者プロフィール

詩人。1939年福島市に生まれる。1963年早稲田大学第一文学部卒業。1971-72年北米アイオワ大学国際創作プログラム客員詩人。毎日出版文化賞(82)桑原武夫学芸賞(98)講談社出版文化賞(2000)詩歌文学館賞(09)三好達治賞(10)毎日芸術賞(14)などを受賞。2015年5月3日死去。

「2020年 『誰も気づかなかった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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