絵本 江戸のまち (講談社の創作絵本)

  • 講談社 (2017年5月18日発売)
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本棚登録 : 143
感想 : 7
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  • 本 ・本 (36ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061333185

作品紹介・あらすじ

江戸の町の風景と、そこに暮らす人々のようすを、綿密な絵で紹介する、江戸絵本の決定版。江戸の風景が正確に描かれているのはもちろん、人間の表情やしぐさがひとりひとり、表情豊かにいきいきと描かれているので、眺めているだけでも楽しく、江戸の町を訪ねたような気分になれます。「小さなお子さんが眺めるだけで楽しめる一方、江戸に関心のある大人読者の期待にも応える内容です。さがしもの」絵本としても楽しめます。


 江戸の町の風景と、そこに暮らす人々のようすを、綿密な絵で紹介する、江戸絵本の決定版です。
 江戸の風景が正確に描かれているのはもちろん、人間の表情やしぐさがひとりひとり、表情豊かにいきいきと描かれているので、眺めているだけでも楽しく、江戸の町を訪ねたような気分になれます。

 案内役は、昔から東京に棲みついていて町の移り変わりを見てきたという設定の「妖怪小僧」というキャラクター。
 その妖怪小僧や、他の「隠れキャラ」たちが必ず場面のどこか隠れているという仕掛けもあり、「さがしもの」絵本としても楽しめます。

 江戸の暮らしについての造詣が深い絵本作家の太田大輔氏が、その知識と表現力を結集した、渾身の絵本。
 小さなお子さんが眺めるだけで楽しめる一方、江戸に関心のある大人読者の期待にも応えられる内容です。

 本編は以下の12場面から構成。

・隅田川と両国橋
・火事と火消し
・日本橋と魚河岸
・長屋の正月
・江戸の大通り
・品川宿と御殿山
・高輪の月見
・江戸湊と弁財船
・堀のまち
・雪景色
・浅草の芸人
・両国の花火

 巻末に、それぞれの場面の詳細な解説を収録しています。

感想・レビュー・書評

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  • 絵本「江戸のくらし」「江戸のたび」「江戸のまち」シリーズの1冊。

    最初に手に取った絵本「江戸のくらし」が面白かったので、他の2作も読んでみることに。

    「江戸のくらし」では、庶民の暮らしぷりに焦点があたっており、長屋の外の様子だけでなく、中の様子や道具などの紹介もあった。

    じゃあ「江戸のまち」と、内容かぶるのでは??とおもわれるかもしれないが、「江戸のまち」は、「江戸の大通り」「隅田川と両国橋」「日本橋と魚河岸」など、江戸で栄えていた場所や暮らしに欠かせないものを運んでいる場所、花火などのイベントの様子に焦点が当たっており、違いをたのしむことができた。

    本作も、妖怪小僧が各ページを紹介してくれているだけでなく、「妖怪小僧を探せ!」「カバーの折り返しにある4つのキャラも探せ!」というサブイベントもある。

    ページによっては、「本当に描かれているのか…??」というくらい見つからない。
    夜の風景になると、色調がダークになるので、更に見つからない(笑)

    妖怪小僧は毎回「えっ、ここ??」という場所にいて、人間の動きからは想像しにくい場所にいるので、よ〜くページを見てほしい。

    ちなみに、ギブアップ!または本当にこれで合ってるの…?とおもった方は、カバー裏側に解答があるので、ご安心あれ!

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    驚いたのは「堀のまち」の次のページで、雪景色が描かれたことであった。

    今の東京は、ほとんど雪が積もらないイメージなのだが、こちらの「雪景色」では、しっかり積雪がある。めちゃくちゃ寒そうだ。

    巻末の2色刷りページの解説によると、「江戸時代は世界的に寒い時期で、ロンドンのテムズ川が全面氷結したほどです。」(引用)だそう!
    知らなかった!!

    また、「暖房は火鉢やこたつくらいしかない」「田舎にある囲炉裏(いろり)は江戸にはあまりなく、町内は火事をおそれて内風呂もほとんどありませんでした。」(引用)とのことで、えっ、囲炉裏がないの?!とびっくり…
    なんとまあ、寒すぎる…!
    でもこういうところは、ドラマや教科書ではわからないところなので、おもしろいなあとおもう。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    2025年の大河ドラマは、江戸を舞台にした蔦屋重三郎の物語「べらぼう」であるが、初回の最初は火事が描かれていた。

    江戸のまちでは、建物は燃えやすい材料でできていて、さらに明かりも灯火、喫煙率も高かったので、よく火事が起こったそうである。
    (このあたりは、「江戸のまち」だけでなく「江戸のくらし」でも説明があった)

    今のようにホースでガンガン水をかけることもできないため、火消しというと家を壊して燃え移るのを防ぐくらいしかなかったそう!

    こういう豆知識を知った上で「べらぼう」初回の火事を見たので、「わたし、江戸の火事についてはちょっと知ってるぜ☆」みたいな顔ができたのは、よかったのかもしれない(笑)

  • 豊臣秀吉に関東平野に追いやられた德川家康の江戸城下まち。〝火事と喧嘩は江戸の華〟と言われた絢爛かつ喧騒の庶民の町々の風景を、パノラマ絵図を見ながら楽しく学べる創作絵本です。「隅田川と両国橋」、「日本橋と魚河岸」、「品川宿と御殿山」、「高輪の月見」、「浅草の芸人」など、当時の人々の活気ある生活ぶりがつぶさに描かれています。

  • 江戸の時代物のファンタジー小説大好きなので、
    こういうところにあの小説のあれがあったのかな~
    これはこの小説のこのキャラクターが○○してたな~
    なんて想像しながら。
    他のシリーズも気になります。

  • 7歳からおすすめ。
    江戸に住みたくなります!
    にぎわいと、陽気さと、楽しさに満ちた雰囲気。
    西村繁雄さんの「日本の歴史」が好きなのですが、そこで描かれる江戸時代の様子には、暗さ、不気味さや、おどろおどろしさを感じてしまい、親として小さな子供に読ませるのに、少し戸惑いを感じていました。江戸時代研究の知見も日々進歩しているでしょうから、発行された時代の差なのでしょか。
    個人的には、小さい子への読み聞かせとしては、こちらをおすすめします。

  •  江戸時代に建てられた町家を見学してきたのでその当時の雰囲気がわかる子供向けの絵本を探していて図書館で借りてみました。
     江戸のにぎやかなまちの様子が細かく描かれていて、そこに住んでいる人、仕事をしている人、商売にきている人、遊んでいる子供など表情豊かに描かれています。

    ・隅田川と両国橋
    ・家事と火消し
    ・日本橋と魚河岸
    ・長屋の正月
    ・江戸の大通り
    ・品川宿と御殿山(花見の名所)
    ・高輪の月見
    ・江戸湊と弁財船
    ・堀のまち
    ・雪景色
    ・浅草の芸人
    ・両国の花火

     上記の場面が見開き一面に描かれており、江戸の風物を知ることができます。また、ナビゲーター役?の妖怪小僧が各場面に描かれているので、探す楽しみもあります。他に唐辛子売り、きつね、紙くずひろい、こんぴら参り、竹馬も。そしてこの唐辛子売り、なかなか変わったおもしろい格好をしているのですが、調べてみたら本当にこんな格好で商売をしていたみたいで驚きました。忠実に描かれてあります。

  • 図書館本。庶民の江戸に惹かれている長女の選定本。今週の図書館はヒットした本が少なかったようで、少々不満ありで帰ってきました。

  • このシリーズ大好きです。江戸のことがダイレクトに目に入ってくる。働く人、花火を楽しむ人、、、江戸の活気が伝わってくる。妖怪が混じっているのも楽しい。

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著者プロフィール

1953年、東京生まれ。イラストレーター、絵本作家。絵本作品に『絵本 江戸のまち』(講談社)、『カラクリ江戸あんない』(福音館書店)、『ぼくのいまいるところ』(かこさとし著、童心社)、児童文学作品に『江戸の象吉』(講談社)などの作品がある。

「2021年 『絵本 江戸のくらし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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