花伝書(風姿花伝) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061340121

作品紹介・あらすじ

わが国の古典中、もっとも異色である作品で、申楽者・観阿弥が、その実力を養い発揮する方法を、人間の本性を会得した立場で考究した、稀有の体系的芸術論である。その洞察は、また人間論としても、現代に生きている。校注は、世阿弥研究の第一人者・川瀬一馬博士。平易な現代語訳の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 目次
    口絵

    凡例
    花伝書(付・脚注)
    補注
    現代語訳
    本文
    (序)
    第一 年来稽古条々
    七歳
    十二三より
    十七八より
    二十四五
    三十四五
    四十四五
    五十有余
    第二 物学条々
    (総説)

    老人
    ひためん
    物狂
    法師
    修羅


    唐事
    第三 問答条々
    (一)
    (二)
    (三)
    (四)
    (五)
    (六)
    (七)
    (九)
    第四 神儀に云ふ
    第五 奥義に云ふ
    第六 花修に云ふ
    第七 別紙口伝
    解説
    一 花伝書は観阿弥の著作
    二 観阿弥の新風申楽
    三 花伝書の体系とその内容
    四 花伝書と現代の能楽
    五 花伝書の伝来と本書の本文
    花伝書能楽論(芸術論)の体系組織と内容
    参考文献
    本文語彙索引

  • 定期的に読み返すことで、感じ方が変わったり、内容がしみこむだろうなと思う本。特に、第五 奥儀と第七 別紙口伝が秀逸。 特に印象に残っている内容は、以下2点。 「芸能の本質は、あらゆる階層の人に同じく感動を催させることであり、それが生命を豊かにする人生幸福増進のもとになる。」 「花と、おもしろいということと、珍しいということは同じ意味合いである。どの植物も式の変遷につれて咲いていくものだから、それが時節に調和して珍しく感じられるので、人がおもしろいと思うのだ。」

  • どんな人に同じく感動をもたらすこと、それが芸能

    ずーっと、存在はわかっていて読みたいなーと思っていて手を付けていなかった本を、読みました。

    パンセの時と同様、これは多くの人に読まれるための文章ではないので、こうやって公になってしまって観阿弥さんもかわいそうと感じてしまいます。秘すればこそ花なのに。

    ご存知、能についての教えの本でありますが、現代芸能と照らし合わせてあれこれ考えさせられることとなりました。

    「十七八より

    このころはまた、あまりの大事にて、稽古多からず。まづ声変りぬれば、第一の花失せたり。」

    で声変わりの時期には一切の歌手活動を控えていた三浦大知さんが浮かんだり

    「三十四五

    このころの能、盛りの極めなり。」

    で森高千里さんが「女ざかりは19だ」と言っていたけど能の盛りは34,5なのか、と安心したり。

    「私儀に言ふ。そもそも、芸能とは、諸人の心を和らげて、上下の感をなさんこと、寿福増長の基、遐齢延年の法なるべし。」

    どんな人に同じく感動をもたらすこと、それが芸能なのですと。東日本大震災から、芸能とは?とその意義を考える人が多かったですが、その一つの答えなのではないでしょうか。

    観阿弥さんいわく、とにかく稽古。よそ見しないで稽古。これが大事というところや、どんなに下手な人からも良いところを見つけたらうまい人も見習うべし、とか能以外にも通じる教えは参考になりますね。

    私も稽古で種を育て、花を咲かせるため一意専心しなければ!と勇気づけられる本でありました。

    冒頭、川瀬先生の注釈のポリシーに信念を感じました。
    注釈を見ながら原文を読み、そのあと現代語訳で理解を深めることが出来、非常に読みやすく最後まで楽しむことができますよ。

  • 現代語訳だけに、すらすらと読むことができる。

    日本人必読の古典と言われ手に取ってみるが、前評判の割にはあたりまえのことがあたりまえに書かれていて新鮮な驚きは少なかった。
    伝統芸能に携わっている現代の人の意見が聞いてみたい。

  • (2014.10.07読了)(2014.07.14購入)
    【日本の古典】
    Eテレの100分de名著で取り上げられたついでに放送のテキストを読み、関連書を読んだのですが、
    「秘花」瀬戸内寂聴著、新潮社、2007.05.15
    「世阿弥」白洲正子著、講談社文芸文庫、1996.11.10
    御本尊を読んでいないので、古書店で探していたら、ちょうど見つかったので、読んでみました。
    前半は、原文、後半は現代語訳になっています。解説も詳しく書いてあります。
    『風姿花伝』は、世阿弥の著作と思っていたら、観阿弥が、世阿弥に口述したのを世阿弥が書き取ったもの、ということです。
    内容は、能楽論です。年齢ごとの稽古の心得、役どころの演じ方、新作の作り方、出し物の選び方、出だしの入り方、能楽の由来や歴史、など、能楽を演じるにあたって、心得るべきすべての事が書かれています。
    一般の人が、人生訓として読み取るのは、ちょっと難しそうです。

    【目次】
    口絵

    凡例
    花伝書(付・脚注)
    補注
    現代語訳
    本文
    (序)
    第一 年来稽古条々
    第二 物学条々
    第三 問答条々
    第四 神儀に云ふ
    第五 奥儀に云ふ
    第六 花修に云ふ
    第七 別紙口伝
    解説
    花伝書能楽論(芸術論)の体系組織と内容
    参考文献
    本文語彙索引

    ☆関連図書(既読)
    「世阿弥『風姿花伝』」土屋惠一郎著、NHK出版、2014.01.01
    「秘花」瀬戸内寂聴著、新潮社、2007.05.15
    「世阿弥」白洲正子著、講談社文芸文庫、1996.11.10
    「能の物語」白洲正子著、講談社文芸文庫、1995.07.10
    (2014年10月15日・記)
    内容紹介(amazon)
    本書は、わが国の古典中もっとも異色である作品で、申楽者観阿弥が、その実力を養い発揮する方法を、人間の本性を会得した立場で考究した稀有の体系的芸術論である。その洞察は、また人間論としても現代に生きている。校注は世阿弥研究の第一人者川瀬一馬博士。平易な現代語訳と語彙索引を付した決定版。

  • 最初の短い話のあたりは現代語訳よりも、昔の言葉のほうがイメージ掴みやすかったかも。漠然とした印象だけど、技術って身体を使って覚える。ってことを言ってるようにもみえた。でも古典ってやっぱり読んでて、良い具合に緊張感あるなー!

  • 花伝書は一子相伝の芸術書と思われているが、それ以上に観世座をどう経営していくのか、いかに世に残していくのかが書かれた経営論である。そういう目線で読むとまた多くの発見がある。

  • 読了—2012年3月16日

    【まとめ】
     芸能の本質とは、「衆人愛敬」、つまり社会的階級や知識の有る無しに関わらず全ての人に伝わり感動を授け、その結果として「寿福増長」、つまり人間幸福の原動力と成し諸人の生命を延ばすものでなければならない。それは社会的幸福を増すものでなければならないのだ。
     世阿弥(本書内容は父観阿弥からの伝聞)は、能について「花は心、種は態(わざ)」と言い表す。「種」は引き継がれるものとしての「態」=「わざ」(おそらく技•体を含意)であり、先代の残した「風(体)を継ぐ」ものである。態は特化してはいけない。自分の型を定めた上で、四季折々の花を咲かせるために、場面や状況に応じてあらゆる芸の種類=多様な「種」を習得しなければならない。その上で、年を取っても花が咲き続けさせるには、「工夫」を行なわなければならない。この「工夫」こそ、芸能が停滞することなく発展し続けるための必要不可欠なものであるからだ。
     場面や観客、役と対話し、観衆に新規さと面白さを伝えるよう演出を工夫する力、そしてその様々な要求(季節の変化)に応えられるほどの豊富な種=態としての力量、この両者を有した存在こそが年を経ても枯れない花を咲かせ続ける芸能を行うものの資格である。「家家にあらず、続くをもて家とす。人人にあらず、知るをもて人とす」。

    【感想】
     伝統芸能に携わる人間に必然的に強く求められる、所作や心持ちがまとめられている。そこで強く意図され展開されているのは、家を引き継ぐことの自覚と伝統芸能に携わる者としての心の均衡だと感じる。平安時代以降、自ら賤民に甘んじて来た申楽者の卑俗な道徳律を、伝統芸能であり芸術性をまとった能楽者としての矜持へと昇華させるための芸術体系論である。現代でも色あせない人間の生き方として傾聴に値するものだと感じた。

  • 花は心、種は態

    とても厳しくまた実の詰まった一冊。心に留めておくべきことが沢山ちりばめられてる。

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著者プロフィール

1906年生。1974年まで青山学院女子短期大学国文科教授。文化財保護審議会専門委員。青山学院女子短大名誉教授、大東急記念文庫理事、五島美術館理事、阪本龍門文庫理事長を歴任。1999年没。
【主な編著書】『古活字版の研究』『日本書誌学の研究』『古辞書の研究』『五山版の研究』『江戸時代仮名絵入文学書概論』『古写古版物語文学書解説』『日本文化史』『書誌学入門』『随筆柚の木』ほか

「2019年 『日本における書籍蒐蔵の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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