アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)

  • 講談社 (1974年10月1日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784061360143

感想・レビュー・書評

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  • う〜ん、これは、これは。去年、文庫になって再登場しているのに書籍検索しても出てこないとは…。仕方がないですかね。
    小峰元というと私らの学生時代に一世を風靡したものですが、このサイトでも誰も読んでないですものね(実は私もその頃は読んでなくて、今になって何となく懐かしい香りに惹かれて手にしてみたというところです)。
    次から次と謎めいた事件が起き、そこに高校生の群像が絡むという物語で、まずまず退屈せずに読めます。
    推理物としては小振りで事件の解決も偶然に頼っているところもありますが、そこはまあそんなものでしょう。
    30年以上も前の作品ですがお話的にはそんなに古さを感じません。
    あの頃流行ったのはそういう物語もありますが、多分、そこに描かれた若者たちの姿がある程度共感を持って迎えられたというところがあるのだと思います。
    あの頃って、高度成長期が終わろうとしていた時期で、ある意味閉塞間の漂う世相の中で学生運動が行き詰まり若者たちの鬱屈した気持ちの吐け口が浅間山荘事件やよど号ハイジャックという事件に結びついた時期でした。
    そうした事件を起こすことが良いことではないけれど、誰もがある種の憂鬱な気持ちを持っていた。この物語の高校生たちの考え方や大人に対する接し方は連合赤軍ほど過激ではなくともある種通じるその憂鬱さを振り払いたい若者の気負いとか潔癖さがあるように感じられます。
    しかし、今や、ですね。時代はある意味、似たようなところがあるように思いますが、その中での若者のあり方はあの時ほどの熱さには程遠いものがあるように思います。そしてそうした若者を見る大人のあり方も。
    そうした時代に慣らされてこの本を読むと、良い悪いは別として、この本の高校生たちの姿にはどうしても違和感を抱く自分がありました。
    少年の頃に手に取っていれば多分熱狂したであろう物語を、今こうして読む。時代も変わり、年も取り、いつまでも若くはないという残念さ。

  • 学生運動後の擦れて、「高貴」な理想に燃える「正義」を掲げた高校生たちの騒乱。性に対する考え方も、社会に対する考え方も今の子供達の方がよほど良識的。子供が子供らしくいられなかった時代の話だろうが、どんな背景があったにせよ、深雪に対する行為は胸糞悪い。延命に罪の意識がないことがさらに厭らしい。
    「正義」の名の下に振り下ろされる鉄槌は、行使するものが青臭く愚かなほど醜悪である。

  • 古本屋で買った後で気付いた。
    バーコードが、ない!
    S49年発行の文庫ってこんな感じなのかっ。

    次々に事件が起こり、容疑者への決定的証拠を探し巡る話。

    時刻表とかアリバイトリックは苦手なので特に頭を働かせず読みましたが、あまり考える必要はなかったり。
    時代がらか、ムツカシイ言葉を使う高校生だなぁとか思ってました。
    しかし、その「時代」が時代なら、彼彼女らは果たして手を汚すことがなかっただろうか。

    家族、友人を思う登場人物の思考は、どこまで、誰になら、共通点を見つけることができるだろうか。
    柳生家のかばい合いは、果たして何が真実なのか、、、。

    どの時代の小説も、高校生が出てくると中々興味深いと思いました。

    それともう1個。お前ラストで急に主人公的立ち位置とってポイントあげんなよ。

  • 長さの割には・・・

  • 10月の1冊目。今年の173冊目。

    乱歩賞受賞作品。ミステリーだけど、高校生たちの友情とかなんていうか青臭さとか、彼ら特有の理屈とかの方が強調されてるね。トリック自体はシンプルだと思います。ただ、この時代と現代の違いからくるのかもしれないけど、彼らがときたま高校生っぽくないしゃべり方をするのが気になった。

  • 描かれた物語そのものは悪くないのだろうが、何より構成が面白くない。

  • 内容は、相棒の2時間スペシャルみたいなかんじだけど。
    タイトルがカッコいい。もうとにかくタイトルと章題がまじイカす。

  • 痛快爽やか小説。乱歩賞受賞作

  • (メモ:高等部1年のときに読了。その後、購入。)

  • 東野圭吾さん関連で興味を持って読んでみた少し古い高校生ミステリー。
    トリックや動機が、高校生と大人の意識のズレを利用していて面白い。
    けど、ちょっと読みづらく、読みはじめてから読了まで1週間かかってしまった…。

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