伯林-一八八八年 (講談社文庫 か 6-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061360273

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  • 1888年 ベルリン(伯林)。
    小国の集まりだった地域をドイツ帝国にまとめ上げたビスマルクの晩年期。
    日本からはドイツの医学を学ぶべく、11歳で東大医学部に進学した(!)天才森林太郎、ペスト菌を発見した北里柴三郎が留学していた。
    林太郎は、モテるので踊り子、エリスと付き合っているが、そのエリスに物足りなさを感じている。
    そして、ある時、知り合った知的で影のある女性に惹かれてゆく。
    その二人が招待された洋館で起こる、連続した密室殺人事件。
    偶々そこを訪れたビスマルクと、林太郎が事件解決に向けて、推理合戦を演ずる。 
    林太郎の自信過剰な思い込みは、老練なビスマルクにとっては相手にならない。
    後に陸軍軍医のトップ、総監にまで上りめる鴎外森林太郎の若き日の過ちだ。
    そして、影のある女性こそビスマルクの娘であることが明らかになる。
    歴史上の人物を小説の登場人物とする手はよくあるが、推理小説に宰相ビスマルクを登場させるのは、驚きだ。
    それも、探偵であるビスマルクが犯人だとは!
    身内であっても政敵であれば容赦なく排除する冷徹なビスマルク。
    欧州の平和の維持、国家の安定のためには暗殺も辞さないのが鉄血宰相なのだ。

    ホームズの「ボヘミアの醜聞」は、オーストリア=ハンガリー帝国皇帝フランツヨーゼフ王妃エリーザベトの皇子ルドルフがモデルだと言われている。
    このルドルフ大公は、親ビスマルクのフランツ•ヨーゼフと異なり、反ビスマルクを標榜していた。
    その、次期皇帝が、1889年のある日突然スキャンダラスなピストル自殺を遂げるのだ。
    その死で、一番のメリットを得た者は誰か?
    そこには政治的陰謀の臭いが芬々と漂う。

    1891年、時代設定を1888年としてコナン•ドイルは、「ボヘミアの醜聞」を書き、1975年、時代設定を1888年に設定して海渡英祐は、「ベルリン一八八八年」を書く。
    共に、ルドルフ大公謎の死を踏まえての作品であると言える。

  • 明治20年富国強兵のため欧米との交流を深める政府により独国勤務している森鴎外。欧州情勢、鉄宰相ビスマルク等歴史背景の中、伯林郊外の古城で密室殺人事件に巻き込まれる。独国に渡った日本人達の生き様、青春、恋と共に殺人事件捜査は進み、ラストは驚きの結末へ、申し分ない傑作かと思います。

  • 乱歩賞第13回。鉄血宰相ビスマルクに配するに留学中の森鴎外が密室殺人で推理を競う。
    密室殺人はよかったんだけどトリック平凡すぎる(+_+)
    歴史に弱いのでちょっと読みにくい。裏表紙にネタバレってひどくない?

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