殺しの双曲線 (講談社文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784061361355

感想・レビュー・書評

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  • 「西村京太郎」の長篇ミステリ作品『殺しの双曲線』を読みました。
    『新装版 天使の傷痕』に続き、「西村京太郎」の作品です。

    -----story-------------
    差出人不明で、東北の山荘への招待状が6名の男女に届けられた。
    彼らは半信半疑で出かけて行く。
    雪に埋もれ、幸福感に酔っていた彼らはやがて恐怖のどん底に突き落とされた。
    殺人が発生したのだ。
    しかも順々に……。
    「クリスティ女史」の名作『そして誰もいなくなった』に、異色の様式で挑戦する本格推理長篇。
    -----------------------

    1971年(昭和46年)に発表された作品、、、

    「アガサ・クリスティ」の名作『そして誰もいなくなった』への挑戦、吹雪の山荘ものの傑作… とか、双生児の替玉トリックとクローズド・サークルを主眼とした本格推理の傑作… と呼ばれている作品なので、いつかは読みたいと思っていた一冊です。


    差出人不詳の、東北の山荘・観雪荘への招待状が、六名の男女に届けられた、、、

    東京在住のタイピスト「戸部京子」は、婚約者の「森口克郎」とスキーを楽しみに雪深い観雪荘を訪れた… そこで自分たちと同じように東京から招待された風俗嬢の「太地亜矢子」、サラリーマンの「矢部一郎」、犯罪学を研究している大学の研究生「五十嵐哲也」、タクシー運転手の「田島信夫」と合流した。

    そして、彼らを観雪荘の主人「早川」が出迎えた… ところが、初めから暗く沈んだ顔をしていた「矢部」が内側から鍵のかかった部屋で首を吊って死んでいるのが見つかった、、、

    自殺かと思われたが、壁には「かくて第一の復讐が行われた」という言葉と、奇妙なマークを描いたカードが画鋲でピン止めされていた… さらに電話線が切られ、唯一の交通手段である雪上車も何者かに破壊され、宿泊客全員のスキーが折られてしまい、深い雪に囲まれた山荘は交通も連絡手段も途絶した陸の孤島と化す。

    そして、そこで巻き起こる連続殺人… 雪のために孤立した山荘で順番に殺されてゆく……。


    「西村京太郎」の作品は相変わらず読みやすいですね… もちろん、作品が魅力的だということもあるし、テンポが良いので飽きさせずに一気に読ませる感じ、、、

    東京で起こった連続強盗事件と、雪山の山荘で繰り広げられる連続殺人事件が並行して描かれ、どこでこの二つのエピソードが交叉するのか… 気になって次々とページを捲りました。

    オープニングでいきなり「この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです。」と種明かしされることによりミスリードさせられる… という展開も印象的でしたね… 面白かったです。


    以下、主な登場人物です。

    「戸部 京子」
      「観雪荘」の招待客。鉄鋼会社に勤めるタイピスト。22歳。

    「森口 克郎」
      「観雪荘」の招待客。京子の婚約者。平凡なサラリーマン。25歳。

    「太地 亜矢子」
     ソープランドの風俗嬢。23歳。

    「矢部 一郎」
      「観雪荘」の招待客。サラリーマン。25,6歳。

    「五十嵐 哲也」
      「観雪荘」の招待客。犯罪学を研究している大学の研究生。25歳。

    「田島 信夫」
      「観雪荘」の招待客。タクシーの運転手。25,6歳。

    「早川 謙」
      「観雪荘」の主人。25,6歳。

    「小柴 勝男」
     セールスマン。利男の双生児の兄。25歳。

    「小柴 利男」
     勝男の双生児の弟。25歳。

    「工藤」
     警視庁捜査一課の警部。連続強盗事件の捜査主任。

    「宮地」
     連続強盗事件担当のベテラン刑事。

    「鈴木」
     連続強盗事件担当の刑事。

    「沢木」
     タクシー強盗殺人事件担当の若手刑事。

    「西崎 純」
     中央新聞社の記者。

  • お父さんが持ってた本で気になったので読みました。
    なかなか面白い作品でした。
    この事件のトリックを明かしておきますという前書きが書かれている本は初めてで、最初からインパクトを感じました。
    人物も場所も事件の内容も全く違った2つの視点が、今後どのようにつながっていくのかが読んでいてとても楽しみでした。
    昔のミステリー小説なので少々想像出来る展開もあるのですが、トリックや警察が翻弄されていく姿や、頭のキレる双子などの様子が秀逸に描かれていると思います。
    最後の最後で警察が犯人を追い詰めていくシーンが好きでした。

  • 古い。
    当時はとても衝撃的な作品だったんだろうな。
    本作を参考にした作品は多そう。

  • ミステリそんなに読み込んでない人間にとって、西村京太郎といえばトラベルミステリーのイメージが強く、本格ものを書いている印象はあまりなかった。
    西村京太郎が乱歩賞でデビューしてることもこの解説を読むまでは知らず……。
    有栖川有栖おススメという事で読んでいるんだけど、なるほど!面白い!
    これはめちゃくちゃ面白かった。昭和ミステリ面白いわ。
    いわゆる「本格冬の時代」の前のものなんだろうか?

    女性の会話文の「あたしは信じないワ」みたいな、語尾をカタカナにするような表記だとか、妙に読点の多い文体だとかに何となく古さを感じつつ読み始めたけど、進むにつれてスケールの大きさと二つの事件の関わりの様相の面白さにぐんぐん引き込まれた。
    冒頭いきなり「この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです」と宣言していて、実際早々に双子が出てきて実際その通りだった。しかも、それが、伏線にもなっている。すごくフェアでめちゃくちゃ面白かった。

    物語の途中から少しずつ真相を見せて、「この人が怪しい……」みたいなことを読者に明かしつつ、しかし最後までトリックを見破らせないような、すごい小説だった。
    京子の手記の抜かれたところがもう少しはっきり明かされいたらなあ……。

    最後の犯人と刑事のやりとりなんかは、いかにも昭和の感じがした。あのことさえなければ、しらを切りとおせた犯人の、最後の良心のようなもの……昭和的だし、サスペンスドラマ的でもある。

    傑作と言われるものはなるほど面白いんだなあと思った。もっと読もう。

  • 普通のミステリ。古い。

  • 高校生の頃読んだ本だが、当時かなりの衝撃を受けた

  • 久しぶりに『推理小説を読む』ということを堪能した。

    作者は、メイントリックが双生児であることを利用したものであるということを冒頭で明かしている。これでわたしたち読者に対してフェアであるということなのだ。
    さあ、推理を楽しんでごらんと言っているかのように。
    勿論それを言葉通りに受け取ってしまったのでは、犯人は当てることができない。

    東京で一卵性のとてもよく似た双子であることを利用した強盗事件が起こる。犯人の目星はたっているがある理由から逮捕することはできない。
    もう一方で、宮城県の雪深い山奥にあるホテルに招待された男女とオーナーを含めた計7人が閉ざされた建物の中で次々と殺されていく。そしてその犯行現場には、謎のマークとともに復讐が行われたと書かれたカードが残されていた。

    もちろん、東京と宮城で起こった事件は関連があるに決まっている。
    が、しかしどうやって?
    ちゃんと読めば犯人は分かるようになっている。
    ミスリードもなくどんでん返しもない、読み終わったあとに騙されたという腑に落ちない気持ちにもならない、正統派の推理小説だと思う。分かりそうで分からない、薄々真実が見えてくる(ような気がする)感じがワクワクした。

    太地亜也子の職業が、わたしが読んだ本ではトルコ嬢という記載になっており、セリフの語尾の「~だと思うワ」「ひどいワ」の片仮名の使い方が古さを感じさせたが、内容的には今でも充分に斬新なトリックだと思う。

  • 1971年発表の作品ですが、そんなに古さは感じませんでした。
    最初に双子を使ってると読者に教えてくれるところから一気読み。続きが気になってページをめくる手が止まりませんでした。
    犯人は最初から思っていた人で当たってましたが、それでもめっちゃ楽しめました。

    西村京太郎さんはトラベルミステリーばかり書いてはるイメージでしたが、こんな本格ミステリーも書かれていてやっぱり凄い方ですね。

    ただ「そして誰もいなくなった」のネタバレがちょいちょいあるのは残念でした。
    私は以前読んでいたので大丈夫でしたが、これから読まれる方は楽しめないと思うので・・・
    それ以外は本当に楽しめる作品でした。

  • 総合評価 ★★★★☆
     1971年に書かれた西村京太郎の初期の傑作。「そして誰もいなくなった」のオマージュ
     外の世界との連絡手段が閉ざされた観雪荘に招待された6人の男女が殺されていくというクローズドサークルもの。しかし,それだけでなく,冒頭でノックスの十戒を意識し,「これは双生児を利用したトリックである」ことを告白している。
     クローズドサークルとノックスの十戒という,本格ミステリのガジェットを用意しているが,工藤や沢木という刑事に謎解きをさせている。地道な捜査のシーンも描かれている。本格ミステリ全盛期に出ていたのであれば,名探偵を登場させて,華麗に謎解きをさせたかったところ
     細かい描写や表現に古臭いところはあるが,プロットは今でも通用する。クローズド・サークルものでありながら,途中で外の世界に電話で連絡が取れる。この点がトリックに行かされており,双生児である実行犯の観雪荘のオーナーの早川が,マスコミの西崎と,混乱に乗じて入れ替わるというプロットは見事
     小柴兄弟の連続強盗で,双生児のどちらが犯行をしたかが明確でなければ起訴できないというロジックを,早川・西崎兄弟が最後で使うという構成もよい。
     最後に,真犯人を心理的に追い詰めるというオチも悪くない。ほぼ,このオチのために罪のない少女が犠牲となっており,読後感はよくないが…本格ミステリとはそういうものである。
     「そして誰もいなくなった」に挑んだ作品としてはかなりレベルが高い存在である。西村京太郎自身が,自薦ベスト5に選んでいるのも分かる。傑作といっていいデキ。やや古臭い点と,謎解き部分が警察小説っぽくなっている点のバランスの悪さがマイナス部分。★4で。

    〇 サプライズ ★★★☆☆
     クローズド・サークルものとしては,オーナーが犯人という点でサプライズは薄い。しかし,冒頭の告白文が,小柴兄弟の犯行を指しているとミスリードさせる手腕はさすが。よく読めば分かるように,しっかり伏線も貼ってある。とはいえ,西崎=早川のトリックも見破りやすい。クローズド・サークルものでありながら,サプライズ感は薄め。

    〇 熱中度 ★★★☆☆
     観雪荘と,小柴兄弟の連続強盗が交互に描かれている。この部分で入り込めるかどうかが分岐点。読みにくいと感じてしまうと没入感は割り引かれるだろう。クローズド・サークルものなので,観雪荘の部分のサスペンス感はさすが。小柴兄弟の犯行の描写がやや冗長なのが難点。謎解き部分も,名探偵が華麗に推理…ではなく警察の地道な捜査。捜査部分もやや退屈。総合的には★3か。
     
    〇 インパクト ★★★★★
     冒頭のノックスの十戒を意識した双生児を使ったトリック宣言から始まるクローズド・サークルもの…作品全体のインパクトは抜群。

    〇 キャラクター ★★★☆☆
     工藤・沢木というった刑事の面々の個性がやや希薄。やはり名探偵がほしい。犯人側や被害者は個性的に描かれている。★3か。

    〇 読後感 ★☆☆☆☆
     オチのために小学生の少女を被害者にしているので,読後感は相当悪い。そうでなくても,西崎の犠牲を利用して早川が助かろうとしている点,わざわざ警察に来てそのことを告げている点など,底意地の悪さは相当なもの。読後感は悪い。★1

    〇 希少価値 ☆☆☆☆☆
     大人気作家の初期の代表作。手に入りやすく,希少価値はない。

    〇 メモ
    〇 矢部一郎
     観雪荘での1番目の被害者
    〇 田島信夫(の偽物)
     タクシーを襲った強盗犯。タクシー運転手の田島信夫のふりをして観雪荘を訪れる。観雪荘での2番目の被害者
    〇 森口克郎
     サラリーマン。戸部の婚約者。観雪荘での3番目の被害者
    〇 五十嵐
     大学の研究生。観雪荘での4番目の被害者
    〇 戸部京子
     OL。森口の婚約者。観雪荘での5番目(6番目?)の被害者
    〇 太地亜矢子
     トルコ嬢。観雪荘での9番目(8番目?)の被害者。犯人に仕立てあげられる。
    〇 小柴勝男
     双生児。連続強盗を行う。
    〇 小柴利男
     双生児。連続強盗を行う。
    〇 早川謙
     観雪荘のオーナー。観雪荘での連続殺人の実行犯。西崎とは双生児
    〇 松村進太郎
     犯人達が身代わりにするために殺人した被害者。平凡なサラリーマン
    〇 西崎
     中央新聞記者。早川の双生児。早川と入れ替わり,雪山で死亡
    〇 工藤,沢木
     刑事

    〇 前書き
     この推理小説は,双生児であることを利用したものであるとの告白(ノックスの探偵小説10戒)
     実際は,双子が2組あるところがミソ

    〇 事件の発端。一卵性双生児の二人の生い立ち
    〇 矢野主点での強盗事件
    〇 戸部京子と森口克郎に謎の手紙が届き,スキーに招待される。
    〇 スーパーマーケット,ブルーリボンでの強盗事件
    〇 戸部京子,森口克郎,太地亜矢子が観雪荘を訪れる。
    〇 観雪荘のオーナーは早川。戸部達はボウリングをするがピンが9本しかない。
    〇 連続強盗犯としてが小柴兄弟が捕まるが,双子であり,兄弟のどちらが犯行をしたかが分からない。
    〇 観雪荘で矢部の自殺騒ぎ。これは誤解だったが,テーブルにナイフが突き立てられるといういたずらがされる。
    〇 ボウリング場で強盗。小柴兄弟は,強盗した金を自宅に郵送する方法で警察を出し抜く。
    〇 矢部が死ぬ。「かくて第1の復讐が行われた」というカードが発見される。観雪荘の電話が不通になる。雪上車も故障し,観雪荘に閉じ込められる。森口と戸部は,ラジオで田島信夫という男のタクシーが強盗にあったとの放送を聞き,観雪荘の田島はニセモノではないかと疑う。
    〇 ボウリングのピンが8本しかなくなっている。ピンは森口の部屋から見つかる。
    〇 田島は自分がニセモノであることをばらす。田島がいなくなり「かくて第2の復讐が行われた」というカードが見つかる。
    〇 池袋の映画館で強盗事件が起こる。小柴兄弟の弟が家を出る。
    〇 観雪荘のボウリングのピンが7本になる。
    〇 森口が乾燥室で道具箱が頭に落ちてきて死ぬ。「かくて第3の復讐が行われた」というカードが見つかる。
    〇 小柴兄弟は,今度は郵便を利用せず,警察を出し抜く。連続強盗犯の捜査本部に匿名の手紙が届く。その手紙には小柴達の犯罪計画が記載されていた。
    〇 観雪荘で早川を問いただし,6人を招待した理由を聞く。謎の手紙が来て,6人を招待するように依頼されたという。その手紙の筆跡は,残った4人の誰のものでもないと五十嵐は判断する。
    〇 6人の共通点探し。田島を除く5人は,中央線を利用して通勤していたことが分かるが,そこまで。五十嵐は戸部を脅す。五十嵐が死ぬ。
    〇 連続強盗の捜査本部に匿名の手紙が届く。小柴兄弟が銀行を襲うことが書かれている。また,郵便は宛名を書かずに差出人のところに自宅を書くことで,数日後に郵便を手に入れることができると書いてあった。
    〇 郵便局員がお金を取っていたことが分かる。
    〇 観雪荘で,戸部と太地の言い合い。「かくて第4の復讐がなされた」というカードが見つかる。電話がつながる。早川は,警察を連れてくるように町に電話をする。
    〇 警察が観雪荘を目指す。中央新聞の西崎という記者を始め,記者も同行する。
    〇 観雪荘では早川が死んでいると太地が戸部を呼ぶ。戸部は自分の部屋にこもり,観雪荘で起こったことを書き記す。
    〇 小柴が銀行強盗をするが,警察は事前に計画を知っていたので捕まえる。小柴が撃った弾に少女が当たり,死ぬ。
    〇 ヘリコプターが観雪荘に向かって飛ぶ。着地はできない。女性二人の生存を確認する。
    〇 小柴兄弟の取り調べ。兄弟は犯行を認めるが,犯行計画を記した手紙が誰から届いたかは知らないという。
    〇 警察とマスコミが観雪荘に着く。5つの墓から死体を確認する。遺体の顔が潰されていた。矢部,森口,五十嵐の死体は家族が確認する。早川の死体と思われる死体は誰も確認できず(顔は潰されている)。戸部の死体(顔は潰されていない)。太地は「私が間違えていました」と書かれた遺書のようなものと一緒に死体で見つかる。
    〇 警察は戸部が書いた手記を見つける。しかし,一部が欠落していた。
    〇 一人の人間が雪の中を逃走する。
    〇 連続強盗犯の捜査本部に「かくて全ての復讐は終わった」というカードが届く。
    〇 観雪荘の電話線は,切断されたあと,一時的に接続されていたことが分かる。また,観雪荘からは宿泊客や早川の指紋が一切見つからなかった。
    〇 逃走していた謎の男は雪の中で…死亡する。
    〇 ボウリングのピンは,警察が観雪荘に到着したときは9本あったが,誰かが1本持っていった様子。1本足りない。
    〇 工藤と沢木刑事の推理
    〇 観雪荘の連続殺人と小柴兄弟の連続強盗事件の黒幕は同一犯。なぜ,小柴兄弟はホテルに呼ばなかったのか。
    〇 なぜ,電話が一時的につながったのか。
    〇 なぜ,犯人は,観雪荘の指紋を消したのか。
    〇 中央新聞は,犯人を太地亜矢子と断定という記事を書く。
    〇 工藤の捜査。やはりミッシングリングは中央線だと推理する。
    〇 中央線でラッシュ時に老婆が転んでけがをし,病院への搬送が遅れ死亡したという事件があったことを知る。
    〇 中央新聞の西崎記者は新聞社を退社する。
    〇 警察の捜査で,早川が双子だったことが分かる。
    〇 観雪荘で見つかった早川だと思われていた死体が早川の死体ではなかったことが分かる。
    〇 早川と西崎が双子だったことが分かる。早川は西崎とすり替わり,観雪荘を抜け出すために電話で警察を呼んだ。
    〇 警察が,早川=西崎の入れ替わりに気付いた5日後,早川が警察にやってくる。早川の告白。動機は警察の推理どおり,中央線で母親が死んだこと。早川は中央新聞に事件のときの写真が載ったことを利用し,駅に張り込んで被害者達の住所などを見つけた。
    〇 早川は警察に,「僕たちが犯行を行った」と言っているが,自分が犯人だとは言っていない。実際に殺人をしたのは西崎だという。
    〇 早川達の用意したトリックは,全て時間稼ぎのため。勝ち誇っている早川に,工藤刑事は,小柴兄弟の銀行強盗の巻き添えになって死んだ少女の名前(日下部ユカ)を告げる。早川を心理的に追い詰めるシーンで終わる。

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著者プロフィール

一九三〇(昭和五)年、東京生れ。鉄道ミステリ、トラベルミステリの立役者で、二〇二二年に亡くなるまで六〇〇冊以上の書籍が刊行されている。オール讀物推理小説新人賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞など、数多くの賞を受賞。

「2022年 『十津川警部と七枚の切符』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西村京太郎の作品

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