幻想博物館 (講談社文庫 な 3-3 とらんぷ譚)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061361959

感想・レビュー・書評

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  • 脳が見せる目眩く幻覚と妄想の世界が広がっていた。美しい言葉の渦に飲まれ、それらは大変魅力的に映った。
    絡み合う薔薇の園を備えた精神病院。ここは奇妙な物語に捕らえられた患者たちの永遠の楽園みたいなところだ。ここでならずっとその夢を見ていられるから。
    患者それぞれの物語がどれも苦痛に満ち何かに執着している姿を現していればいるほど、薔薇は甘美に咲き誇り患者たちを迎えるような気がする。
    繋がりを持つ作品集なのでどれかを選ぶのは難しいが、『聖父子』の結末、『黒闇天女』の奥様のカッコよさ、『地下街』の美少女の妖しさ、『公園にて』の穏やかさ、ラストの『邪眼』で目の醒める感じ。どれも良かった。

  • 虚無への供物 講談社文庫版の次に購入した本。
    何年か前に読了。
    以来重複の憂き目にあっても重宝されてきた文庫本。理由は澁澤龍彦氏の解説が掲載されている事と旅行のバックに携帯されているからである。

  • 中井英夫を知らぬまま手に取り、流砂に足を取られるかのようにのめり込むきっかけになった一冊。

  • 何度読んだかわかりゃしませんが。
    時々無性に読み返したくなる本の一つ。
    どこを取っても不気味で美しくて怖いんですが、
    昔、初めて読んだときは「チッペンデールの寝台」の
    サブタイトル“もしくはロココ風な友情について”で
    軽くお茶噴きましたね(笑)。
    確か一番最初に触れた中井作品は、
    この本の中の一作「牧神の春」だったかと記憶しています。
    『幻想小説名作選』というアンソロジーを
    ふと気が向いて買ったら、そこに採録されていて。
    そのときは、
    後になってこの作家にどっぷりハマることになろうとは
    予想もしませんでしたが。

  • 280
    日常的な人間世界を超え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは反地上的な夢、濃密な幻想である。それを蒐集して構築される幻想博物館の妖美さ。著者が熱愛する短篇形式への供物として捧げた十三の幻想譚は、手作りトランプのように装飾にみち色鮮やかに語られる。(連作「トランプ譚」?)

  • 幻視者たちの棲む世界。
    濃密な幻想の短篇集

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著者プロフィール

中井英夫(なかい ひでお)
1922~1993年。小説家。また短歌雑誌の編集者として寺山修司、塚本邦雄らを見出した。代表作は日本推理小説の三大奇書の一つとも称される『虚無への供物』、ほかに『とらんぷ譚』『黒衣の短歌史』など。

「2020年 『秘文字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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