ナポレオン狂 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1014
感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061362352

作品紹介・あらすじ

自らナポレオンの生まれ変りと信じ切っている男、はたまたナポレオンの遺品を完璧にそろえたいコレクター。その両者を引き合わせた結果とは?ダール、スレッサーに匹敵する短篇小説の名手が、卓抜の切れ味を発揮した直木賞受賞の傑作集。第32回日本推理作家協会賞受賞の「来訪者」も収録する。

感想・レビュー・書評

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  • 1979年に直木賞を受賞した短編集。2024年に読んでもエッジは失われていません。

  • R1.9.8 読了。

     昭和のブラックユーモアな短編集。どの作品も落ちが私の想像を超えるものであって欲しかった。
     そんな中で「来訪者」「裏側」「甲虫の遁走曲」が面白かった。

  • ゾッとするオチや、どんでん返しが多いショートショート集。星新一とは違った作風が楽しめる。表題作『ナポレオン狂』、『来訪者』、『甲虫の遁走曲』がおすすめ。

  • 久しぶりに恐怖で鳥肌が立ちました!
    グロに頼らず、純粋な恐怖で攻めてくるのがすごく好き。
    中でも代表作の「ナポレオン狂」は一作目で心の準備ができてないという事もあってか読み終わった瞬間にゾワゾワ〜と背中がざわつきました。

    後から考えれば考えるほど恐怖を感じる作品もあったり、考えさせられる作品もあったり…
    全編通して楽しめました。

    「後は読者の想像におまかせ」がこれほど怖いとは…

  • 父に勧められて。
    日常の裏側に潜む薄暗くて不気味な世界が非常に淡々と描かれています。それが余計に怖い。
    これで阿刀田作品にハマりました。
    「サン・ジェルマン伯爵」「透明魚」が好き。

  • ちょっと不気味な話を集めた短編集(怖くないものもある)。解説にあるように、正面からはっきり描かないからこそ恐怖は際立つのだろう。

  • ブックチューバーのベルちゃんが最近同作家の「冷蔵庫より愛をこめて」を読んで面白かったと言っていたので、私もどれかを読んでみようと思って手にとりました。「ナポレオン狂」というタイトルは聞いた事があったので、まずはこれを読む事に。

    全体的な印象はダークですね。おまけに女性の描かれ方がちょっと古いのもありました。ま、昔に書かれた本だし、それは仕方がないんですけど。
    オチにつながるまでの持って行き方というか、描き方というかが上手い!と感じました。オチは強いのも弱いのもあった気がするけど。

    全部読み終わって、頭に残っているのは、表題作の「ナポレオン狂」と「甲虫の遁走曲」と「縄―編集者への手紙―」かな。

    私はダークなショートストーリーが好きなので、ベルちゃんが読んだのも読んでみようと思います。

  • 昭和61年7月1日 第7刷 再読
    20代の頃通勤で阿刀田高さんの文庫に大変お世話になりました。ショートの先人ですよねー。

  • 子供の頃に読んだものの再読。結末は知っているし、今となってはどこかで見たオチも多いと感じるが、それよりも結末に行きつくまでの伏線の張り方、読者への揺さぶりのかけ方が巧みで、そちらのほうにより強く目を引かれた。表題作と「来訪者」の秀逸さは言うに及ばず、「サン・ジェルマン伯爵考」「捩じれた夜」「蒼空」「狂暴なライオン」等、時間をおいて読み返すことで登場人物の立場に共感でき、そこから導き出される後味の悪い結末も納得できるものが多くなった。他の短編とは少々趣の異なる「甲虫の遁走曲」「ゴルフ事始め」も好み。「自動車だってたまにはそのくらいのことはやります」のせりふがちょっとだけ可笑しい。

  • 筒井康隆著『将軍が目醒めた時』と混同して記憶していた表題作。ナポレオンに関することなら何でも集める蒐集家と、ナポレオンに激似の男が出会ったら……。本作も含め、結末にどんでん返しが用意された短編集。「捩れた夜」がSFっぽくて好みの作品だった。巻末の作品初出を見ると、多くの男性に読まれた小説誌。濡れ場が多いのも納得。

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著者プロフィール

作家
1935年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞。95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞。日本ペンクラブ会長や文化庁文化審議会会長、山梨県立図書館長などを歴任。2018年、文化功労者。

「2019年 『私が作家になった理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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