南の島の魔法の話 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.07
  • (20)
  • (6)
  • (14)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 102
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061381100

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「紀伊國屋書店文庫復刊フェア」の帯にひかれて購入しました。

    安房直子さんの作品は小学生の頃から本当に好きです。ただただひそやかに美しく、でも、絶対にハッピーエンドにならない。苦いとも切ないとも言い切れず、「夢は醒めるということを忘れていた」というか、「自分は決して手の届かないものに手を伸ばしてしまった」ことにはっと気がつく、プチ残酷とでもいいましょうか。

    表題作はある本を訳する翻訳家さんに起こる出来事です。話が入れ子になっていて、夢のように素敵。安房さんの作品にしては、結末がスイートだと思います。「さんしょっ子」は山椒の木の精、さんしょっ子と人間の三太郎、すずなのお互いに一方通行の切なさがフルスロットル(「ハチクロ」どころではない)で迫ってきて「お願いだから何とかしてあげて!」と読んでいてじたばたすることしきり(笑)。

    個人的なお気に入りは「鳥」と「夕日の国」です。「鳥」は入り口からただただうまくてうなります。「聞いてはいけない秘密を聞いてしまったから、それを耳から取り出してほしい」と耳鼻科に駆け込んだ少女なんて、森見登美彦さんじゃありませんが、ロマンチックエンジン全開です。その理由から少しずつ話が解き明かされて、「ひょっとして…」とお医者さんの思い当たったことは…というラストまで見事な美しさ。さわやかですがほわっとした感触です。

    「夕日の国」は、クレオパトラ美容院の女の子にもらった薬をかけてなわとびをすれば、70回でオレンジ色の砂漠を行くラクダが見えてくる、という体験をする男の子の話。人を寄せつけない過酷な昼間の砂漠ではなく、ただただやさしいオレンジ色。でも、この甘やかな体験もかすかにほろ苦く…。

    久しぶりに背筋まできゅーっとなってしまうやりきれなさを思い出しましたので、誰がなんと言おうとこの星の数です!

  • 中学受験が終わった後、塾の先生がくれた本。
    先生が私に本当に教えたかったことは、こういうことだったのだ。

  • 中学生の時、国語の授業で読んだ『鳥』の話しが載っていた。恋なんて知らない自分だったけど、叶わない恋はなんて苦しいのだろう…と思ったよ

  • ここにレビューを記入してください

  • 小学校の教科書で読んだ「きつねの窓」、中学校の教科書で読んだ「鳥」。
    好きだ、と思っていた2つの話、
    どちらも安房直子さんのお話だと気づいた時には感激したな。
    両方が入っている短編集、味戸ケイコさんの絵がまた素敵なのです。
    http://matsuri7.blog123.fc2.com/blog-entry-82.html

  • 小学校の教科書に載っていた話が含まれていたので
    読んでみた本です。
    童話以上の面白さがあり、安房さんの本をもっと読んでみたいと思いました。
    短編集だったので、たくさんの話が読めたのもよかったです。
    また、その中でも「きつねの窓」がすごく印象的でした。
    童話を読んで初めて感動した話です。
    読んでいるだけなのに自分が主人公になってその動作をしているみたいで、
    物語の主人公が見ているのと違う、自分から見える景色まで想像できました。
    これからこの人の書いた本をいろいろと探していこうと思います。

  • 切ない。

  •  紀伊国屋書店復刊フェアありがとう。すてきです。きれいです。でも、かなしさもひやりとするむごさもあります。ひとつひとつの話が珠玉。とくに「きつねの窓」と「青い花」大好きです。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

安房 直子(あわ なおこ)
1943年1月5日 - 1993年2月25日
東京生まれの児童文学作家。、本名:峰岸直子(みねぎし なおこ)。
日本女子大国文科卒業。大学在学中より山室静氏に師事する。作品に『まほうをかけられた舌』『花のにおう町』絵本『青い花』(いずれも岩崎書店)、『白いおうむの森』(筑摩書房)『やさしいたんぽぽ』(小峰書店)などがある。『さんしょっ子』で日本児童文学者協会新人賞を、『風と木の歌』(実業之日本社)で小学館文学賞を、『遠い野ばらの村』(筑摩書房)で野間児童文芸賞を、『風のローラースケート』(筑摩書房)で新美南吉児童文学賞を受賞する。ほか、『きつねの窓』が教科書採用されており、よく知られている。
1993年、肺炎により逝去。

安房直子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
ベルンハルト シ...
フランツ・カフカ
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする
×