武器としての決断思考 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385016

感想・レビュー・書評

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  • 理屈はわかったけど武器になったかどうかは… 読むだけでなくノートを使うとより入ってきそう。

  • この著者の本は面白いのだが、本作は人を選ぶか。思考の技法について、実践に近い形でレクチャーしてくれているが、そもそも、著者の説く思考法が身についている人には、何ら面白味の無い本である。

  • 京大客員准教授、エンジェル投資家の瀧本哲史氏のデビュー本。学生に分かるような事例と文体で読みやすい。内容はディベート思考。図書館で借りた。

    ⚫︎世の中に正解はない。
    ⚫︎正解が分からなくても、今の最善解を導き出しとにかく行動すること。
    ⚫︎根拠を比較して得た結論をとりあえずの答えにする。
    ⚫︎前提が間違っていたら修正してまた行動すればよい。
    ⚫︎自分の人生は自分で考えて自分て決めていく。

    以下メモ
    ⚫︎英文会計ができる人材はいくらでもいるが、その中でヘッドハント対象になるのは、例えば海外支社は頑張っているのに本社がダメで、もうこれ以上お金は出せないといったとき、支社のバランスシートなどをもとに地元の銀行にかけあってお金の借り入れまでできるような人材。
    ⚫︎エキスパートでなくプロフェッショナルを目指せ。プロフェッショナルは上位概念。専門的な知識と経験に加えて、横断的な知識と経験を持っている。そして、それらをもとに、相手のニーズにあったものを提供できること。
    ⚫︎道で仏陀にあったら、仏陀を殺せ。なんでも知っている仏陀に出会ったら、それは本物ではなく誰かに帰依したいという自分の心の弱さが作った幻影なので、すぐにその気持ちを消さなければならない。
    ⚫︎わざわざ議論なんてしないで、自分ひとりで考えて決めていけばいい。しかしなかなかそうはいかない。人の認識や意思決定は歪みやすいから。①慣れていることを重視してしまう②限られた情報や仕組みで考えてしまう③サンクコストの問題。
    ⚫︎ディベートのルール。特定の論題について議論する。日本は死刑を廃止すべきか、というテーマにおいて、いつの間にか、殺人は是か非か、に変わるのはダメ。
    ⚫︎ディベートのルール。賛成側と反対側に分かれるが、どちらの立場に立つかは、じゃんけんによってディベートの直前に決まること。
    ⚫︎ディベートのルール。相手を論破するのでなく、見ている第三者を説得すること。
    ⚫︎無思考で脊髄反射的にものごとを決めて行くよりは、どういった思考を経てその結論を導き出したか、が重要。
    ⚫︎イチローがブレてなくて素晴らしいのはスポーツの話だから。ルールがかわる社会ではすぐに戦略を変えること。ブレないこと、自体に価値はない。
    ⚫︎君子豹変す、というのは朝令暮改のような方針がコロコロ変わって当てにならない、という意味ではなく、優れた人は間違いを認めたらすぐに改める、行動を変える、という意味。
    ⚫︎議論は漠然とするよりは是か非か、などの二者択一に設定すべき。原発をどうするか、でなく、原発を10年以内に無くすべきか否か。結婚はいつしたらいいのかではなく、結婚は20代のうちにすべきか否か。など。
    ⚫︎他社の人間から、うちに来て欲しいと言われた時。海外赴任の話が出た時受けるべきか。プロポーズされた時に受けるべきか。人生の岐路で迷う時にディベート思考は役に立つ。やるかやらないかの二択のため思考が分散せず突き詰めれば結論に辿り着くから。転職は良いことが悪いことか、海外赴任は是か非か、結婚とはどうあるべきか、などと考え出すと毎日悩むだけ。結局直感や勢いで動いて、うまくいかないとくよくよ後悔。これは論題を政策論題にしなかったのがいけない。
    ⚫︎メリットとデメリットを考える。相談を受けた時は、大抵相手の中ですでに結論が出ていることが多い。メリットばかりに気を取られていることが多い。それを、僕もそう思うよ、などと適当に迎合しておけばいいのだが、意思決定の方法としては間違っている。
    ⚫︎いろいろ意見があってよくわからないから、とりあえずそのままにしておこう、と問題を先送りすることがあるが、実は情報をコントロールするような人間はそれが狙い。賛成と反対の意見を適当にばらまいて議論の収拾をつかなくし、現状維持の方向に持っていくのは情報コントロールの基本中の基本であり、そういった「腹黒い優秀な人」に好き勝手やらせない。
    ⚫︎詭弁に注意。政権交代が起きると景気がよくなるというデータ。新政権が前政権より優秀だから?選挙の前に負けるわけにはいかない前政権が、大衆にアピールするために、大きな景気対策を行う。選挙には間に合わず敗北。新政権が誕生して少し経ったくらいに、前政権の行なった景気対策の効果が出てきて景気がよくなる。新政権は自分らが政権を取ったから景気が良くなったと喧伝し、大衆もそれを信じる。
    ⚫︎ディベートというと、自分の主張を通すことに重点が置かれがちだが、実は逆。自分の主張を無理やり通そうとしている人に反論することの方が大事。

  • ひとつの専門分野に精通するだけでなく、横断的な知識と経験で顧客ニーズに応えることができるプロフェッショナルになれ!
    等は、本書のガイダンスに書いてあり、なるほど!という部分。

    肝心の内容はディベートの考え方で物事を考えて、行動するという内容。

  • 若者が反応しそうなワードが散りばめられている。しかしやっているエクササイズは正直めんどくさかったので、やらないと思う。力強い言葉、コピーの参考にはなった。

  • 意思決定を行う上で用いるディベート手法の入門書的なものと捉えた。命題をたてて、それぞれの根拠をいかに問うかいくつかの例を用いて説明されている。書かれている内容はごもっともなものばかりだが、例として挙げられている命題と反証がイマイチなものが多く、理解し辛く、内容が胡散臭く見えてしまう。

  • 個人の意思決定の方法に興味があり、大学の生協で大きく取り上げられていたので気になり手に取る。

    人間の意思決定において、問題を分析していく手法としてディベート手法を上げている。
    片方の側面だけではなく、常に対極にある立場から物事を考えることなどを取り上げている。


    授業はうけてみたいと思ったしこのお方がすごい方なのもよくわかる。
    言っていることも納得できることが多くあるが、この本を読んで武器を手に入れられるかといったら難しいと感じた。

    ひとつのツールや考え方として受け取るのはいいと感じたが、これを完璧に実践することで常に個人の意思決定が最適になるわけでもないと思う。

    そもそもこのような意思決定のハウトゥー本に汎用性があるかどうかは疑問だなと思うようになったのもこの本を読んでからである。

    一人一人の考え方にはその人たちが経験してきたものに裏付けられていて、その人にはその人の背景から意思決定に重要な要素や条件に重みづけをしていると思う。
    だから直観は非常に大切であると思うし、論理だけでの意思決定は表層的なものでしかないのではないかなと。
    もしくはある方にとっては自明であるとか。

    考え方は個性であると思うし、それを汎用性のあるツールで強制して没個性化するのはむしろ自分の意思決定を間違った方に導き、その可能性を狭めることになるなと感じた。
    もちろんその個人の意思決定が常にベストな選択かどうかはおいて。

    大切なのは、その経験に基づいて選択して得られた結果と期待した成果を比較して、また自分なりに原因を考えて改善まで落とし込む、習慣だとドラッカーが言っていたが、意思決定においては個人の最善のハウトゥー
    に関してこれ以上の答えはないと考えるのが自分の思うところである。

    ひとつの考え方として視点を養うにはいい本であると思う。

  • よくわからん
    字の大きさ変わるのにいちいち慣れなかった(笑)。

  • 『武器としての決断思考』
    瀧本哲史

     武器はもっているだけでは意味がありません。つかってこそのもの。
    教養も、座学ではなく、実践により磨かれます。(p17)

    ★読書で得た知識、実際に使わなければ読まないことと同じ。

     実学にも「知識・判断・行動」という三段階が存在します。(p27)

    ★この三段階を使い、代替品できない人材を目指すということ、本書ではプロフェッショナルと呼んでいる。

    ①専門的な知識、経験に加えて、横断的な知識・経験を持っている
    ②それらをもとに、相手のニーズに合ったものを提供できる。(p32)

    ★横断的とは 異なる分野・種類などを超えたつながりがあるさま。デジタル大辞泉より。

    ディベート思考の考え方
    ・正解ではなく「いまの最善解」を導きだす(p46)

    ★話変わってディベートの概念

    それを続けるか、はたまた新しいことに一からチャレンジするかをゼロベースで比較して決めていかないといけないのに、なかなかそれができないのが実情です。(p51)

    ★人の認識や意思決定を歪ませるものとしての例として。でも結果、過程として正しいとか間違いとかは後々にならなければ分からない。結局は自分の考え方次第になるんだろう。

    議論は異なる意見、複数の意見をぶつけ合うことで、正解ではなく「いまの最善解」を導きだす為のものであり、その条件として、「言っている内容」で判断する、反論をきちんと認める、ものでなければなりません。
     この掟が守られていないと、価値観の問題もあるので、議論は平行線をたどって、いつまで経っても結論が出ず、結局、声の大きい人の意見が通るということになりがちです。(p55)

    ★長文引用。議論のルールとして。戦争のルール。

    議論する相手を論破したり、相手側の意見を変えさせる必要などないのです。(p59)

    ★これを知らない、考えない人が多い

    「知識・判断・行動・修正」という4つのサイクルをまわしていくことで、より良い結論にいたることができるようになるのです。(p70)

    ★このサイクルを意識することは大切であり、自らに当てはめる必要がある。

    先送りというのは一見、決断を先送りしただけのように捉えがちですが、実のところは、「決断しないという大きな決断」をしたことに他なりません。(p71)
    ★こういう考えは素敵である。しっかり覚えておきたい。

    ブレない生き方は、ヘタをすれば思考停止の生き方になります。(p73)

    ★ブレたときに励みというか、奮い立たせる考え方。

    賛成側はメリットを提出して、それが反対側のデメリットを上回ることを主張します。反対側はその逆で、デメリットが賛成側のメリットを上回ることを主張することになります。(p103)

    メリットの3条件
    ①内因性(なんらかの問題があること)
    ②重要性(その問題が深刻であること)
    ③解決性(問題がその行動によって解決すること) (p103)

    デメリットの3条件
    ①発生過程(議題の行動を取ったときに、新たな問題が発生する過程)
    ②深刻性(その問題が深刻であること)
    ③固有性(現状ではそのような問題が生じていないこと) (p124)

    ★この条件を当てはめてゆき、「いまの最善解」を出す。

    価値観や哲学の問題には、自分自身で決着をつけるしかありません。(p237)

    ★まとめの言葉。その出た結果には責任を持たなければならない。どちら側にしても。

  • 本の論点があまりはっきりしなかった気がする。決断の仕方としてディベートを例にして進めるというのはかえって分かりづらかったような。。「僕たちは君たちに武器を配りたい」の方が本としては分かりやすかった。ビジネスマン向けの「会議の仕方」みたいな位置づけの方が筋が通っている気もする。

著者プロフィール

京都大学客員准教授、エンジェル投資家、教育者。1972年生まれ。麻布高等学校、東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用。専攻は民法。任期終了後は学界に残らず、マッキンゼーへ入社。3年で独立し、多額の債務を抱えていた日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家として極めて初期段階の企業を15年以上にわたって支援し続ける。京都大学では教育、研究、産官学連携活動に従事。「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気NO.1若手教官として「4共30」講義室を立ち見に。各界において意思決定を先導するリーダーを育てることを目標に、選抜制の「瀧本ゼミ」を主宰。著作物やディベートの普及活動を通して、次世代への教育に力を入れていた。2019年8月10日永眠。

「2022年 『瀧本哲史クーリエ・ジャポン連載集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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