20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385108

作品紹介・あらすじ

どうすれば自分の気持ちや考えを「文章だけ」で伝えることができるのか?この授業のスタート地点はそこにある。そう、僕らは「話せるのに書けない!」のだ。人に口で伝えることはできても、それを頭の中で文章に変換しようとすると、とたんに固まってしまう。メールの一通すら、うまく書けない。「話すこと」と「書くこと」はまったく別の行為なのだ。決して「同じ日本語じゃないか」などと思ってはいけない。この授業では、現役のライターである著者が、現場で15年かけて蓄積した「話し言葉から書き言葉へ」のノウハウと哲学を、余すところなく伝えていく。学校では誰も教えてくれなかった"書く技術"の授業をいま、始めよう。

感想・レビュー・書評

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  • 1章―リズムとは
    2章―文章構成
    3章―読者をひきつける
    4章―編集

    各章の最後に内容がまとめてあり、項目ごとにその都度整理できた。
    書くことは考えることだという主張に共感し、自分の頭の中が分からなくなったらとりあえず書いてみようという気持ちになった。
    主張、理由、事実の構成によって論理を組み立てるという内容は基本ながら自分には意識が甘かったように思える。また、各文章が正しくつながっているか接続詞を入れてみるという方法も実用的だと思った。試していきたい。
    細部の描写がリアリティをあげるということ、細部での矛盾は読者の反発を買うということに納得した。
    「起転承結」で自分の仮説の検証に読者を巻き込む。読者が置いて行かれないように自分で反論と再反論を行うなど、読者に自分事の文章にするといい。


  • 読書の感想や記録をつけるようになってから、
    何度も読みたいと思っていた一冊。

    古賀史健さん
    『20歳の自分に受けさせたい文章講義』

    文章を書くノウハウを細かく分解し、
    わかりやすい例をあげながら
    一つひとつ丁寧に説明してくれている本。


    〜この本を読んで自分は何を感じ、
    人に何を伝えたいか〜

    直接の会話でないから身振り手振りもない、
    アイコンタクトや声の調子を使って
    伝えたい言葉を補足できないのが文章。

    本を読んだ感想は頭の中に浮かんでいて、
    確かにそこに存在しているのに言葉に翻訳して
    文章にするのはとても難しい。

    だったら耳障りのいい表現で濁さず、
    しっくりくる言葉を見つけるまで、
    頭のなかのぐるぐると向き合ってみよう
    という気持ちになりました。

    思いを文章に換えるのは簡単じゃない。
    簡単じゃないからこそ、文字に書き換えて
    文章になったものを眼にするとに純粋に
    価値を感じます。


  • 文章術の本を本棚に載せるのは、3冊目なのですが、私はホント、なんで文章が上手くかけないのかと思います。
    この本は、第2講の「構成は眼で考える」のところに特徴があったと思います。
    〇文章の面白さは「構成」から生まれる。
    〇同じ素材であっても論の進め方、料理の仕方によって文章は全く違ったものになる。
    火の入れ方を間違ってもいけないし、塩と砂糖を間違ってもいけない。
    〇そして論理展開が違えば、文章の面白さ、読みやすさ、リズムにも明確な差が出る。ここには客観的な正解はない。
    だから難しいのである。
    〇論理的であるとは、すなわち「論が理にかなっている」ということだ。
    つまり、自らの主張が確かな理由によって裏打ちされたとき、その文章は「論理的」だと言えるのだ。
    〇すべての文章には「主張」が必要だ。
    文章を読むとき、読者は必ず「この人は何が言いたいのだろう?」と考えながら読んでいる。
    「主張」が明確になることで文章全体が読みやすくなるのだ。
    〇文章を書くことは、他者を動かさんとする「力の行使」なのである。
    以上抜粋です。

    なんだか、文章術の本というより、ちょっとした哲学を語る本のようにも受けとられました。
    第3講の「読者の椅子に座る」はまるで、私自身に直接、語り掛けられているような気持ちがしました。
    自分の心境にちょうど合っていたのかもしれません。

    文章術の本はここ3か月で3冊読みましたが、この本がどこをとっても、一番、面白味がありました。

    〇いい文章を書くのに文才などまったく必要ない。必要なのは「翻訳」の意識と技術だけだ。
    という結びにはげまされました。

  • ここまで本のレビューをたくさん書いてきたが、
    果たして自分の文章は客観的に上手く書けてるのか?
    とふと思い、それを確かめることができればと考え
    本書を購入。

    まず前提として、話せるけど書けないという人に向けて書かれている。彼らが書けるようになるために、また書いて思考を整理できるようになるのが、本書の目標とのこと。
    内容に関しては、
    リズムを生み出す諸ルール(一文の長さや句読点の位置、漢字、接続詞の使い方等)から、話し方の流れ(起承転結、序論本論結論等)など、文章を書く基本的な話がメイン。

    自分自身書くことに苦手意識がなく、
    また文章を書く上でのルールも就活のESで鍛えられたが故か、ポイントを抑えることができていると感じた。
    また、頭の中の混沌とした考えや感情を整理し、表現する力を鍛えたり記憶を定着させることができるということを「書くことのメリット」として挙げていた。
    これは自分自身が前から考えていたことであり、本書を読んで自分の考えが間違ってなかったことを確認することができた。
    これからも自信をも持って、納得いくまでレビューを書こうかな

    文末の「笑」は、会話における身振り手振りのような役割を果たす。つまり、言葉にし難い感情を文で表現することから逃げていると捉えることができる。
    僕はよくレビューで多用するので、以後なるべく言葉で読了後の気持ちを述べるようにします笑

  • 文章というのはいつまでたっても上手くなった気がしない。うまくなるためには書く必要があるのだが、上手くないから書く気にならない。

    この悪循環を断つためには、どうやって書くか?という指針が必要なのだ。文章法の本はたくさんあるが、この本はその中でもカジュアルでとっつきやすい本の一つだと思う。

    著者は書くことは、頭の中をぐるぐると回っている考えを「翻訳」する作業だという。
    なるほど、他の言語で聞いたことを誰かに日本語で説明する作業には、「この相手にこう行ったら伝わるかな?」というフィルターがかかる。書くことは伝えることなのだから、こういう観点で書けばいいのか。

    本書には、その翻訳のためにテクニックが紹介されている。例えば、著者は取材から帰ると誰かに5分でもいいからその内容を話すことによって、「翻訳」の第一歩を行うという。sの中で、話の内容の再構築・内容の再発見・自分の反応の再認識を行う。自分の言葉で捉え直すことで「翻訳」ができる。これは絵や地図を言葉で説明することによってもトレーニングできるという。

    本書での「翻訳」のための文章テクニックは以下にまとめられる。

    1.読みやすい文章はよい文体(リズム)で構成されており、それはすなわち論理展開が明快だということである。

    2.起承転結、序論・本論・結論などの全体の文章構成を意識する。その中でも論理的な構成として、主張-理由-事実という3段階の構成を考える。

    3.読者の「椅子」に座って書く。すべての読者は素人だと思って書く。

    4.推敲は「何を書かないか」が大事であり、もったいないを禁句としてハサミを入れていく。


    1に関しては、端的にいうと文章ごとの論理的なつながりをきちんと意識して書くということである。リズムと言っても音の話ではなくて、すんなりと頭に入ってくる文章とは文章ごとにつながりが明確になっているということ。

    2は、多くの文章本で言われていることだが、改めて重要だと思った。「考える技術書く技術」で言われてるピラミッド構造がそれに当たるが、著者はもっとシンプルな「マトリョーシカ構造」と銘打って主張-理由-事実の段階構成を説いている。
    特に「すべての文章には主張が必要である。(出ないと読んでいて面白くない。)」というところには感銘を受けた。当たり障りない、批判されない文章を書いてしまう自分であるが、そんな文章は読むに値しないのである。

    3は、読者の「椅子」というのがポイントで、ただ立場に立つ意識ではなく、同じ目線で見ることを強調している。特に、読者を特定の一人を想像して書くという点は筆を進めるためには良いアドバイスだと思った。

    4の推敲については、特に新しさを感じなかったが、重要な点が強調してあると思う。どうしてもせっかく書いた文章を添削、特に削るのには抵抗があるので、思い切って削る勇気を持てるかどうかがポイントになる。書いてから少し時間を置くのもテクニックの一つである。


    全体としてさらっと読めるのは、内容の通り文体(リズム)が良いからであろう。しかし、文章を書く際に意識すべきことが詰まっているので、書けないときに読んで見る一冊、きちんと文章の書き方を学んでこなかった人にまず勧める一冊だと思う。

  • 文章を書く上での、心構え〜具体的なテクニックに至るまで、わかりやすく説明してくれている。文章を書く職業ではなくても、一度は読んでおくといい気がする。

    この本の文章が読みやすくて、内容も理解しやすいので、「先生ー!ついていきます!」と思いながら読んだ。

  • 『#20歳の自分に受けさせたい文章講義』

    ほぼ日書評 Day497

    良書。新書版だが、各講ごと、いつもより余計に時間をかけて読んでみた。自分の備忘録も兼ねて簡単に内容をサマっておくが、興味を持たれた方は、ぜひ原著にあたられたい。

    ガイダンス
    書こうとするな、翻訳せよ。書くことは考えること★頭の中にある未整理な思考の渦を、目に見える形に変換するプロセスと理解した。

    第1講
    リズムの重要性。読点の打ち方や、漢字かなのバランス、同じ語の重複を避けること★筆者は当然のこととして書いているが、これらはあくまでも日本語の文章術である。

    第2講
    書くことの目的は読者を「動かす」こと。そのために構成(起承転結、序本結)を考える。「読んでもらう」ためには、特に導入部での引き付けが重要だ★筆者の論にそぐわず、本講の構成はイマイチだが、趣旨は100%同意だ。

    第3講
    読者に伝わる、読者を引き込む書き方のコツ。★導入のあと、いきなり自己ツッコミを入れる「起"転"承結」という構成のは、面白い。

    第4講
    映画撮影で学んだ編集の重要性。なぜこの一文がここに入る必要があるのか?なぜここに一文が入らないのか?をしっかり説明できねばならない。せっかく書いた文を捨てる際の「もったいない」は絶対に禁句★そこまでやってプロなのだと、我が身を振り返って反省。

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  • 頭の中のなんとなく思っていることを、伝わる言葉に『翻訳』したものが文章という。

    その翻訳の仕方や、編集の仕方を学べる。
    文章を書くということへの、考え方もだ。

    どんな時代になっても
    人の言葉をそのまま借りて話をすると、なかなかうまくいかない。

    自分の言葉、文章を磨く力になってくれる本である。

  • 自分が書いてる文章、読み返すと気持ち悪く、読めたものじゃない…。伝わる文章を書く姿勢改めたくて再読。

    難しく考えすぎず、上手く書こうとせず、まず「相手に伝える」基本姿勢を整えようと思う。

    私は専門知識ないし、得意もなくて死にた~と思ってた。ブログに必要な権威性もないし、ライターするにも専門性がない…。そんな時著者の古賀さんは「何者にも染まらない素人でいることが、僕にとって最大の強み」と言いきってあて、すごい勇気でた。
    クソ素人でも、学んだことをまだ知らない人が理解できるように、自分のことばで書けばいい◎

    そんな心構えをガイダンスとし、伝わる文章の基礎やコツを詳しく書いてある本。一気に全部は無理だから1つずつやってみる。

    ---
    ・書こうとするより「翻訳」
    →外国語のような専門用語を、未知の人にどう伝えるか。
    →分からないことがあればかく。自分の言葉に翻訳。解を得るために書き、解が分からないから書く。

    ・文章は論理展開で決まる
    →接続詞を意識。論理破綻してないか?確認
    →断定

    ・マトリョーシカ
    主張(大)、理由(中)、理由補強の客観的事実(小)

    ・構成は眼で
    →図解してみる。なぜ?を随所で。やじるしで論理確認

    ・読者と同じ椅子に座れ
    →誰かに何かを伝えたい、そのために書くんだから読者を忘れない
    →読者への説明怠らない(翻訳の意識)
    →読者はどんな姿勢で読んでる?

    ・生理的に嫌いな文章に注目
    →わがままで感情的な読者になる

    ・細部ほど手を抜かない、小さな嘘をつかない
    →自分が理解していることだけ書く。それ以外書かない

    ・起転承結、主張→反論→再反論

    ・編集作業ちゃんとする
    書く前の構成。いらんとこ切る

  • .
    20歳の自分に受けさせたい文章講義/古賀史健 著

    文章術関連の本はこれ一冊で良いんじゃないかというくらい良書でした。

    いや、さすがに一冊じゃ文章の作法を網羅できないでしょと思われるでしょう。

    たしかにおっしゃるとおりで、この本は著者のライターとしての経験則から語られる文章術なので、一般的なテクニックは少なめです。

    でも、断捨離して文章本は一冊だけ残すルールがあったら、これを残します。

    この本を読めば、世間一般に言われる、文章とはこうあらねばならないというイメージがガラッと変わると思います。

    いい文章の定義が変わり、文章を作る過程が変わり、文章の向き合い方が変わるはずです。

    この本の最後に著者の文才、才能に対する考え方が書かれていて、すごく良かったので紹介します。

    「自らの才能を問う人は"諦めの材料"を探しているだけだ。もっと言えば夢を諦める"言い訳"を探しているのだ。なぜなら、本当の"天才"は「自分に才能はあるのか?」などと考えない。あなたが本当に"天賦の才"を持っているのなら、自らの才能など1ミリも疑うことなく、ひらすら前に進んでいるはずだ。」

    何気なく買った本ですが、ずっと置いておきたいと思いました。

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著者プロフィール

●古賀史健(こが ふみたけ)
 1973年、福岡県生まれ。ライター、株式会社バトンズ代表。『取材・執筆・推敲』『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(共著・岸見一郎)、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』ほか著書多数。2014年「ビジネス書大賞・審査員特別賞」受賞。構成に幡野広志さんの思いをまとめた『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(ポプラ社)など。

「2021年 『雨は五分後にやんで 異人と同人Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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