僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385160

作品紹介・あらすじ

40年間ラットレース!→しんどい働き方は「根本から」変えていこう!

感想・レビュー・書評

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  • ダメ。全然ダメ。そもそもの課題認識から間違っている。多くの人が感じている所得に関する不満は、著者の言うところの「多少のプラスアルファ」にあるのであって、何も資本家と比較して自分の所得が低いと嘆く人はいない。

    第1章はいわゆる生活給の考え方。戦後日本の労働問題をかじった人なら知っている話。ただし現在は都合の良いところだけ成果配分原則を採用するようになってきて、管理職の給与から生活補助的な手当てがなくなったり、賞与だけでなく給与にまで成果(考課)を反映させているのは問題だ。
    第2章は労働価値説と剰余価値の話。150年も前の資本論に終始した説明で、限界効用理論を踏まえた議論になっていない。とても現代の経済社会に当てはまるとは思えない。
    第3章は上記を踏まえた『働き方指南』。とは言っても具体的な提言は何もない。価値と使用価値を同時に高めなさい、と言う身も蓋もない話。それをどうやってやるかが知りたいんですけど。。。
    第4章は自己内利益という概念から、売上(収入)を上げるのではなく費用を下げましょうという提案。これには一理あって、年収1000万円でもすぐにその生活レベルに慣れてしまうから収入を増やすのは意味がないというのは納得。しかしここでも具体策なし。いくら何でも次の章ではその秘伝が開示されるぞ、と期待しつつ次章へ。
    第5章でようやく解決策。やはり費用を下げましょう、と来た。その中身はと言うと。。。興味を持てる仕事に就け?!そんなことできるなら悩んでないわい。どんな仕事でも自分次第で興味を持つことはできる、という有難い精神論ですが、こういう言い方こそ資本家が搾取する時の常套手段でしょう。
    また日々の努力が蓄積されて投資になるような仕事を選べとも。これも難しいわな。特にもう定職についている人には。
    第6章、もうどうでもいい感じもする。蓄積した能力が長く活かせる変化の遅い業界を選べというが、そういう斜陽産業でどうやって満足できる収入を得よというのか?製鉄や電力のような過去からタップリ資本を蓄積してきた業界は特殊であって就職も難しい。それ以外のスローな業界は毎月給料が払われるかどうかも怪しいのが現実だ。

    とにかく価値はあるかも知れないけど使用価値の乏しい本でした。

  • 「金持ち父さん貧乏父さん」のような、不労所得で頑張ろう的な本かと思っていたけど、もっと大事な大切なことが書かれている。いい本だと思います。「資産」は決してお金や不動産だけでなく、仕事そのものも資産になるという考え方が根本にあります。そしてどんな仕事が自分にとって資産になるのか。流行りを追うのではなく、自分にとっての資産になる仕事。読後にズシッときました。

  • あなたの給料はこうやって決まっている、という話がすごい面白かった。
    だから、あなたの生活はすごく良くはならないのだと。
    「こんな働き方」から抜け出すためには、結局、コツコツと積み重ねていって、自分を高めていくしかない、という話に納得した。なにもストックされないことをしていても、前には進めないんですよね。
    自分にもこういうストックがあるなあというのは認識したので、その方向を突き詰めてみようかなと思った。

  • 必読書

  • タイトルから気になる本☆

    世の中では働き方改革が言われていますが、
    やるべきことは自分の労働の価値を上げていくこと!

    そのために、歴史的背景をしり、
    自分が努力の方向性を変えるひつようせいに気付く
    きっかけになります)^o^(

    労働の価値を上げたくなりました!

  • 土台になるような働き方をする

  • カールマルクス画出した結論は、「資本主義経済の中では、労働者は搾取され続ける。豊かになれない。だから、共産主義経済に移行しなければいけない。労働者よ、団結せよ、革命を起こせ」でした。一方ロバートキヨサキ画出した結論は「資本主義経済の中では、労働者はラットレースに巻き込まれて、豊かになる事ができない。だから、自分の労働と時間を切り売りするのではなく、不労所得を得なければならない。不動産投資や株式投資を行って資産を創ろう」でした。
    給料の決まり方には2種類ある。①必要経費方式②利益分け前方式(成果報酬方式)
    多くの日本企業では、給料は「必要経費方式」で決まっている。それは「生きていくのにこれくらいお金がかかるから、その分を給料として渡そう」という意味でした。ただし、「生きていくのに」とは、単に「声明を維持する」と言うことではありません。「労働者として生きていくのに必要なお金」、つまり「皆さんが明日も同じように働くために必要なお金」と言う意味なのです。
    学生時代と比べて金銭的に裕福になっているにもかかわらず、現在の生活に余裕をかんじていないのです。
    私たちの給料は、このように「必要経費の積み上げ」によってきまっているのです。
    ストレスフリーで生きる=俗世間から離れる、という発想をしていると、どうしてもハードルが高くなってしまいますが、現在のように社会のなかでちゃんと働きながら、「自己内利益」を高めていく方法を考えていくべきでウs。
    「働き方」のポイント1
    世間相場よりもストレスを感じない仕事を選ぶ
    「したい人10000人。始める人、100人。続ける人、1人」
    10年で出来ることを過小評価せずに、地道にロ価値を積み上げていけば、大きな資産を築くことができます。

  • 前半は、マルクスの「資本論」を下敷きに、資本主義の本質を説明していきます。
    たとえば、個人が仕事の成果を2倍にしても給料は1.2倍くらいにしかならない仕組みが理解できます。

    後半は、それを踏まえ、この資本主義世界の中での働き方を考えていきます。

    (ブログを書こうと思っているのですが、どう書こうか迷います。結論と言うかネタばれさせて書いてはそのあと読んでも面白らさは半減するし、かといってそこに触れずに書くのはどうしたらいいのか、と思っているわけですが)

    おそらく、為政者や富裕層の一部の人は
    「寝た子を起こすようなものを書きやがって」
    と苦々しく思っているだろうと想像しています。

    とにかく、読み出したら途中でやめないことをお薦めします。
    中途半端なところで読み終えると、ホントに絶望的な気分になって、仕事をするのがバカバカしくなる可能性がありますから。
    「ここは起業するしかないか」「外資だよね、やっぱり」
    という短絡的な結論に達しかねないので。
    キチンと、最後まで読めば、それが必ずしもベストではない、という理由もわかります。

    資本主義の中では、「雇用される者」は不利な立場なのだ、ということが分かってします本ではあります。知らないまま過ごした方が、疑うことなくがむしゃらに働くことができるかもしれません。だから「私は寝た子なんだから起こさないで」と思う人は読まない方がいいと思います。

    ですが僕は、
    「知った上であえてその境遇の中でより良い方法を考えながら働く」
    ことと
    「知らずにそのまま(不平不満をためながら)働く」
    ことには雲泥の差があると思います。
    だから、多くの人が読んで、そして考えてみることは大切だと信じています。

    そして、このろくでもない資本主義をどうすればいいのか。マルクスの分析は素晴らしいけれども、その解決策はダメだ、ということは歴史が明らかにしてしまっています。では、資本主義に代わるシステムはあり得るのか。そんなことを考えるきっかけにも成り得る本です。

  • この本を通じて、資本主義の考え方を鑑みることができた。
    経済学に疎い自分ではあるが、いちビジネスマンとして給料を稼ぐ上で大きな勘違いをしていたことを知った。
    自分と同じように勘違いしている人は少なくないと思われる。
    ということは、雇用者側からすればオイシイ話であると感じた。
    近年、雇われ側は損をしている系の自己啓発本が流行っているが、考えてみれば頷ける問題だ。
    雇われる以上、自分の裁量は限られた範疇に限られる。
    コモディティーな人材にならないことが雇われるうえで重要であるが、それを突き詰めると労働者の枠を超えていくのではないかと感じている。
    いずれにしても、駆け出しビジネスマンである私が、今後の人生を考える上で欠かせない問題を提起された気がする。

  • かなり仕事観に影響を受けた良著でした。
    今の仕事に対する不満は、昇給しても、転職しても解決しない。自分自身の考え方を変え、働き方を見直さなければいけない。

    結論としては当たり前だと感じることも、その結論に至るまでのロジックが見えてスッキリして良かった。

    「企業として」ではなく、あくまで「個人(サラリーマン)」の幸せのについて突き詰めた内容。

    ---

    使用価値=それがどれだけ役に立つか
    価値=それを作るのにどれだけ手間がかかってるか

    モノの値段も給料も価値で決められる。
    それに対して、使用価値=市場原理で調整される。

    ※マルクス『資本論』より

    ---

    ①満足感ー②必要経費=自己内利益

    ①をそのまま、②を減らす方法
    P226 「楽しい仕事」というのは、「興味を持てる仕事」のこと

    ②をそのまま、①を増やす方法
    P241 目先のキャッシュ(=残業)ではなく、将来の土台作りに投資する。

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著者プロフィール

1977年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。学生時代から複雑な物事を言語化し、シンプルに表現することに異常な執着を持ち、大学在学中に『資本論』の解説書を自作し学内で大ヒットさせる。リアルな現場と経済学の両面から、個人が幸せに生きるための働き方を分析し提言している。コミュニケーション、投資、個人ビジネスの立ち上げ手法を構造化・言語化し累計5万人以上に指導。また出版コンテンツへのコンサルティングも行い、延べ1000冊以上プロデュース。著書には、『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』(講談社+α文庫)、『カイジ「勝つべくして勝つ! 」働き方の話』(サンマーク文庫)ほかがある。趣味はハワイ。


「2022年 『その働き方、あと何年できますか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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