- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061385160
作品紹介・あらすじ
40年間ラットレース!→しんどい働き方は「根本から」変えていこう!
感想・レビュー・書評
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感想
労働は本来創造的。縮小する資本主義の中では手足を伸ばすことはできない。故に働き方は窮屈になり給与も様子を見ながら。脱出も困難。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本の会社員の給料の根拠は貢献度ではなく「この年齢なら家族がいてこのくらい必要でしょ?」に基づいている…!謎の「給与テーブル」に昇給阻まれがちな意味がわかりました。頑張ったら上げるよ!じゃなくて、このくらいあれば最低限生活できるよね?としてお給料決まってたんや。。。だから冠婚葬祭の時に会社からお金出るのね、、、「お香典出すのにいるでしょ?」ていう。
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発刊から10年以上経っていますが、面白い。
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資本主義が終焉を迎えているのは自明だが、沈む船の中に於ける前向きな生き永らえ方を示唆してくれる
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企業も個人も目指すものは同じで利益を増やすべき。年収・昇進から得られる満足感-肉体的・時間的労力や精神的苦痛=自己内利益の自己内利益をプラスにしよう。
そのためには満足感を下げずに必要経費を下げる方法か必要経費を変えずに満足感を上げる方法を選ぼう。楽しい仕事は興味を持てる仕事のこと。興味を持てる仕事を選べば精神的苦痛を減らせる。給料は低いが将来の土台作りをできる仕事を選べば自己内利益を増やせる。
仕事の反対は遊びであるべき。そのためにも賞味期限が長く、身につけるのが大変な会計の知識や営業力、人脈を身につけよう。10年でできることを過小評価しがちなのでゆっくりと労働力の資産を築いていこう。 -
賃金は世間相場によって決まるため
自分が相場よりも負担を感じない仕事は相対的に割が良くなる。
価値と使用価値を履き違えない
労働力をかけて価値を上げても使用価値が上がらなければ還元されない
回復にかかるお金が賃金 -
給料が少ないからと残業をしたり、成果を上げることはあまり意味がない。
面白い着眼点です。たしかに、成果や残業時間は、増減要因ではあるが金額自体を決めるものではないな。
【なるほどな点】
・「資本主義経済の中では労働者は豊かになれない」
・日本の給料は「必要経費方式」(社員が生活できる分の金額を給料として支払う方式)で決まる。
必要経費方式では生活に必要なお金しかもらえない。どんなに努力して会社に利益をもたらしても、基本的に給料は変わらない。「努力の量」「成果」によって給料の金額が決まっているわけではない。
・商品の値段は、商品の持っている価値(材料費+賃金+経費)で決まる。
・資格手当はその資格をとるのに労力がかかっているから準備にかかった労力分として支払われている。
・給料は「明日も同じ仕事をするために必要な一般的な金額」しかもらえない。=必要な金額が少なければ儲かる
・労働者の給料は、労働者が生み出した価値とは無関係に支払われていて、労働力の再生産コスト分が支払われている。
・企業が利益を得るためには、労働者に「自分の労働力以上の価値」を生み出させなければならない。
・「ぼったくり」とは「使用価値」(利便的価値)があるから買ってしまうが、「価値」(原価的価値)がないから納得感がないことをいう
・本は紙の束ではなく情報を買っているはずであり、その点では電子書籍でも通常の本でも同じ使用価値がある。
・労働者の自己内利益=年収・昇進から得られる満足感-必要経費(肉体的・時間的労力・ストレス)
・管理職になり、自己利益が減るのであれば、「現状」を好むほうが合理的
・年収の増加、昇進など「かつて目指していた場所」に実際たどり着くと、満足感は消えてしまう。=自己利益は必要経費の増加分減ることになる。
・一度あげてしまった生活水準は下げられない。
・世間相場よりストレスを感じない仕事を選ぶ。ただし得意な仕事・好きな仕事を選べばいいというものではない。興味を持てる仕事を選ぶ。
・単に残業したり、ノルマを達成しようとがんばるのは「あとに残らない努力」。同じ努力をするならそもそもの労働力の価値を上げる努力をする。
・労働力を「投資」する。自分の労働力の価値を上げるための仕事の積み上げをする。「長期的な資産(自分の労働力の価値)を作る仕事に目を向ける」
・仕事のやり方や知識、技術がどんどん移り変わるような職種では「過去の積み上げ」が評価されにくい。
賞味期限が長い知識・経験:会計の知識、営業力、人脈など
・商品(労働力を含む)の値段を高く認めてもらうためには、その商品に「価値」と「使用価値」の両方がなければならない。
・賞味期限が長く、身に付けるのが大変で、高い使用価値のある知識・経験をコツコツ積み上げる
・資産を使って稼いでいる人=「妥当な成果を出さずにお金をもらっている」のではなく、過去からの積み上げを使い、「その日」の労力を使わずに稼いでいる。
・資産を作る仕事を今日はどれだけやったか。 -
本書は、資本主義における労働についての仕組みから、個人としての労働についてどうあるべきかまで、構造的な観点から、理論的に説明してくれるものだった。
経済学チックな内容だけにスラスラ読めるものではなかったが、分かりやすく、非常に納得感のある内容だった。
資本主義社会に生き、そこで働く人ならば、読んでおいて損はないものなのではないかと思った。
以下、印象的だった部分の引用と感想
「価値」と「使用価値」の違いは、今まで意識していなかっただけにとても考えさせられた
→商品について考える上では、価値と使用価値の観点から考える必要がある。
→この価値と使用価値の違いを分かっていないからこそ、労働において、自分の市場価値をあげるのが使用価値ではなく、価値であることに気づいていないことが多い。
これは、自分自身、ハッとさせられたことだ。給料は基本的に、使用価値ではなく、価値で決まるということを意識しておくべきだ。
資本主義における給料が、その国での必要経費分であり、だからこそ、養う家族がいたり、病気のリスクが大きい年上の人が給料が高くなっていくという話は、とても納得ができるものだった。
本書を読んで、労働者は結局、資本家に搾取される側であり、ラットレースからは抜けられないのだということがよくわかった。
資本主義の構造的なところを、それぞれの用語から分かりやすく説明してくれる。働く、ということに携わる上で知っておくべきことが書かれた本だなと感じた。
人はどんな環境にも慣れてしまうため、働いていく上での自己内利益が常にプラスになるような働き方を考えていかなければならない。
→精神的コストに注目、自分にとって意義のある仕事であれば、自己内利益がプラスになりやすい
楽しい仕事、好きな仕事→興味が持てる
自分にとって意義のあるものになる -
読了