一億総ツッコミ時代 (星海社新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1155
感想 : 160
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385269

作品紹介・あらすじ

ツイッターで気に入らない発言を罵倒し、ニコ生でつまんないネタにコメントし、嫌いな芸能人のブログを炎上させる。ネットで、会話で、飲み会で、目立つ言動にはツッコミの総攻撃。自分では何もしないけれど、他人や世の中の出来事には上から目線で批評、批難―。一般人がプチ評論家、プチマスコミと化した現代。それが「一億総ツッコミ時代」だ。動くに動けない閉塞感の正体はこうした「ツッコミ過多」にある。「ツッコミ」ではなく「ボケ」に転身せよ。「メタ」的に物事を見るのではなく「ベタ」に生きろ。この息苦しい空気を打破し、面白い人生にするために!異才・槇田雄司(マキタスポーツ)による現代日本への熱き提言。

感想・レビュー・書評

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  • 良いか悪いかで生きている、確かにそうかもしれないと思いました。常に何かを評価することで自己認識を保っているというか。人間は好きか嫌いかで本来は生きているもので、面白い人生の方がいいじゃないか!という点はまさに自分が目指す方向性でもあるので、具体的な内容などはとても参考になります。ツッコミよりボケを。メタよりベタを。シンプルなメッセージ提起なのに、現在の日本社会ではこれがなんと難しいことか…

  • ソーシャルメディアのあり方を通じて社会を分析していく本かと思ったら、自己啓発本に近かったでござる。

    インターネットやソーシャルメディアの出現で、世間一般の人たちが様々な事に対してツッコミ(批評)を不特定多数に発信できるようになった。それに比べて自らボケる(行動を起こす)側って少なすぎじゃね?と世間に対してツッコむ本です。

    何か、2ちゃんによる炎上とか見てて思ってた違和感を見事に言い当てられた気がする。自分では何もせず影から石投げてるだけじゃ、安全だけど、つまらない。何もしない人間がわかった顔でいいたい事を言う、そんな世の中。

    「ツッコみ続けたまま、お前は死ぬのか?」
    ボケた方が、面白い。

  • 著者の芸名が「マキタスポーツ」であると知り即購入。
    文筆活動もなさっていたとは。寡聞にして存じ上げませんでした。

    現代の閉塞感を「お笑い」の観点から分析、そして提言。

    今の世の中、とにかく何にでも批評を加えたがる人(ツッコミ)が多すぎる。彼らがツッコみたがるのは、ツッコむだけなら楽だから。そして何より、自分がツッコまれる事を恐れているから。
    でもツッコまれる側(ボケ)の人達というのは、何かに夢中だったり一生懸命だったりするからこそツッコまれる余地があるのであって、本当はそっちの方がオイシくないですか?他人のアラ探しに終始するより、そんなの気にしないで主体的にガンガン生きた方が人生楽しくないですか?っていう。

    完全に他罰的・攻撃的になってしまった「ツッコミ」の蔓延、という指摘に目から鱗。いやそれ通り越して猛省。やってる。私超やってる。テレビ見ながらめっちゃツッコんでる。違う、それはツッコミではなくただの文句。愚にもつかない感情的な言い掛かりをツッコミと混同している。恥じろ私。

    槙田氏の仰る「減点法ではなく加点法による面白がり方」、ホント今日から実践します。

    ちなみに星海社新書というレーベル自体も初体験だったのですが、目録に記された編集長の檄文「武器としての教養」にシビれました。

  • あとがきにあった、成功したいよりも失敗したくない、勝ちたいよりも負けたくないという話が腹落ちした。インターネットが普及して、匿名でバッシング=ツッコミできる環境があることが、その一因なんでしょうか。
    もっと、自分を開示して、どんどん失敗して、成長して、成功や勝利を勝ち取ろうぜ(ツッコミじゃなくて、ボケ側に回ろうぜ)という著者の熱い想いのこもった本だったと思う。
    若い人が紹介してた本なので興味を持って読んでみましたが、若い人が読むと刺さるのかな。オッサンにはイマイチ刺さりませんでした。せめて若者にいらぬツッコミをして邪魔をする老害にはならないように気を付けたいと思うこの頃です。

  • 真面目な説明会などでもなんだかバラエティ番組みたいな話し方をする人がいて、気になっていました。「ハードル上げました?」「スベりました?」「サムい」「そこはツッコまないと」など、真面目に聞いてる人もそこそこウケる話し方をしていますが、バラエティ番組の受け売りでなんだかつまらない。全身全霊で自分の言葉で自分の得意分野やアピールポイントを語れる人の話の方が感動するし、心底面白いと思います。確かに私は関西人なのでその話、オチがないとかよく思ってしまいますが、オチがない話とバラエティ用語を使ってツッコミで笑わせるのとは違うと思います。この本は私が思っていたことを代弁してくれたようで面白かったです。テレビをほとんど見ないのでマキタスポーツさんは存じ上げなかったですが、入試問題に取り上げられていて興味を持って読みました。

  • 本書でツッコミといわれている、批判やちょっとしたイジリが普通のひとたちの会話のなかでも広まってしまっているっていうのは、すごく共感。
    批判するのではなく、自分からおもしろいこと、ベタなことをしていこう、と。確かに、もっと気楽に自分のこと、他人からの眼を捉えたほうがいいのかもしれない。
    お笑い芸人さんが書いたものとは思えないくらい、学問的なことばが飛び交ってる。
    言いたいことがありすぎてまとまってない感があったので、あと何度か読んだほうがよさそう。

  • この本を読むと最近の日本って生きにくく、殺伐とした世の中になってしまったと感じる。リラックスをし、人に対して無意識にツッコミを入れる事をやめるよう意識せねば。インターネットの発達の弊害って恐ろしい。

  • 的確にいまの時代をあらわしててすごいです超納得。全力でボケられる人間になりたいですね

  • 行動する側と、それを見て感想を言う側。最近はツイッターなどの各種SNSが発達したことにより、圧倒的に後者が多くなった。その傾向を、ボケとツッコミに例えて批評していく評論。最近の状況を、自身のニコニコでの出演などの体験と共に語りながら、ツイッターなどで自分を守る人間にまで広めていく。そして、情熱的な生き方の素晴らしさや、理不尽を受け入れて生きる、ボケとしての立場に回る生き方を提唱する。

  • 超良書。というか驚いた。社会を分析している本で、これほどまで「痛切」に語ったものはないからだ。
    要するに「みんながみんなネットで細かいことを突っ込みまくって、ツッコミ役だらけになっていて面白くない。ボケが足りないのだ。ツッコミにまわるだけでなく、勇気を出してボケてみよう」というもの。だが、ボケの概念が実にいいし、言い回しも素晴らしい。
    ボケとは、夢中になること。何かに夢中になっている人に、人はツッコミしやすい。ボケは間違えたりもするからだ。ツッコミ役は何か小言をいいはじめる。だが、ツッコミはツッコミ役にまかせておいて、とことんボケようじゃないかという。
    それゆえボケとは、欠点を認めること。間違えるのだから。誰が生きることに間違えてはいけないと、ボケてはいけないと言ったのか。誰も言ってない。
    ツッコミとは防御であり、ボケとはノーガード戦法だ。
    ハゲを例にしているが、それがとても良い。
    ほんとうにノーガード戦法をとれるようになるにはどうすればいいか。それは、「自分からハゲをネタにするのはいいが、人からハゲをネタにされるのは嫌だ」というプライドに立ち向かって勝つということだ。それがボケの本質という。
    すんばらしい指摘だ。
    他にもいろいろととにかく言いことを書きまくっている。
    ネットリテラシーの本でもあるし、どんな「夢をかなえる系の本」よりも、この本の持つ、地に足をつけた感がもっとも納得がいった。
    教科書にしたいくらいの良書だ。
    あと、松本人志についての分析も実に鋭い。ほんとーに頭の良い奴が書いた本という感じ。何かボケられなくなってるなと感じたら、この本に立ち返りたい。たぶん、何度も何度もあると思う。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ボケとはノーガード戦法だ。」
      ナルホド!
      ツッコミは瞬発力だけど、混ぜっ返すには持久力が必要ですからね。
      「松本人志についての分析も...
      「ボケとはノーガード戦法だ。」
      ナルホド!
      ツッコミは瞬発力だけど、混ぜっ返すには持久力が必要ですからね。
      「松本人志についての分析も」
      そこだけ、読んでみようかな。。。
      2014/07/24
    • ハタハタさん
      猫丸様
      ほんと面白かった本ですし、2時間か3時間あれば通読できます。ツッコミばかりになる怖さがよく書かれていて、たいへん重要な問題にも触れ...
      猫丸様
      ほんと面白かった本ですし、2時間か3時間あれば通読できます。ツッコミばかりになる怖さがよく書かれていて、たいへん重要な問題にも触れています。
      2014/07/24
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      西瓜さんの熱い売りに、感動してます。此の本もチェックしよう、、、
      西瓜さんの熱い売りに、感動してます。此の本もチェックしよう、、、
      2014/07/24
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著者プロフィール

槙田雄司(まきた ゆうじ)1970年生まれ。芸名:マキタスポーツ。芸人×ミュージシャン、コラムニスト、俳優、音楽制作ユニット「マキタ学級」リーダー。バンド『マキタ学級』を率いるミュージシャンでありながら、ビートたけし、浅草キッドも支持する実力派芸人であり、又、独自の批評的見地から音楽や時事問題を考察、論評するコラムニストでもある。2013年、映画『苦役列車』での演技が高く評され、ブルーリボン賞・新人賞及び第22回 東京スポーツ映画大賞・新人賞を受賞。TX系連続ドラマ「みんな!エスパーだよ!」での怪演ぶりが業界関係者に止まらず強烈なインパクトを与え続けている。著書に、『一億総ツッコミ時代』(星海社新書)、CDに『推定無罪』(ビクターエンタテインメント)など。

「2013年 『アナーキー・イン・ザ・子供かわいい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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