- 本 ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061385498
作品紹介・あらすじ
制作進行を知れば、アニメがわかる!
50年の歴史を積重ね、週に50本以上の作品が放送されるまでになった、世界一のアニメ大国日本。作品評価やビジネス的価値についての議論は数あれど、その制作工程について詳しく説明がされる機会はありません。本書は、アニメがどのようにして作られているかを、作品制作の全工程に関わる唯一の役職「制作進行」の視点からお伝えします。お届け元は、『キルラキル』、『リトルウィッチアカデミア』等を制作し、アニメファンの気持ちを鷲掴みにしている制作会社TRIGGER。事例に不足はありません。アニメを見るのはもちろん楽しいけど、作るのはもっともっともっと楽しい!(そしてしんどい!)
感想・レビュー・書評
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アニメ業界、制作進行の仕事について
30分の作品でも多くて300人のスタッフが関わるから、礼儀、常識、コミュニケーション能力、正直さが必要
制作進行の仕事は主に
①作品素材の管理
②スケジュールの管理
③作業環境の管理
そして暗黙の実務である人間関係づくりなど
エンターテイメントの役割は
感動を与えること
感動とは
ハラハラ・ドキドキ、おもしろい、悲しい、気持ち悪い、怖い、おかしいなどの感情の揺さぶりのこと
制作進行も中間成果物に目を通し、どのように視聴者の心を動かそうとしているのかを理解して仕事を回すことで、ただキャラクターが動いているだけではなく視聴者が感動する生きた映像になる
原画マンや、演出、作画監督とは顔を合わせて会話しておくことで作業がスムーズに回る
クリエイターとの繋がりを作っておくことでデスク、プロデューサー、演出、監督へとステップアップしたときに幅広く懐の深い作品を作ることができるようになる
以下に気をつけてチーム作りをすることで現場の雰囲気が良くなり、作品のクオリティが上がり、スタッフ同士のコミュニケーションが円滑になり、制作進行の作業負担が減る
①目的を1つにしてスタッフ全員が共有する
②スケジュールの中で作品のために努力する
③作品に対してスタッフ間の意見交換が気軽にできる環境にする
④若手とベテランがバランスよく常駐している
⑤全てのスタッフがアニメ作りにのみ集中できる環境にする
アニメは多くの視聴者に感動を与えることのできる総合芸術詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アニメは業界本多いですよね。他だと門外不出のネタですが、多種多様出ているので何でもコンテンツにしてやろうという強い意思を感じます。
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制作進行という仕事が何をするのかという大枠が掴めた。
暗黙の実務は実際に働き始めて積極的に活用する。 -
アニメの制作に纏わる作業のアレコレを現場目線から如実に書き出されており、一連の活動の流れを追うことができ参考になりました。
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アニメや映画の実際に目に写るような、例えば作画や演出担当などではなく、彼らをまとめ作品がきちんと完成するように管理する、それが制作進行の仕事。
個人的には制作進行とはアニメ制作に関わりたいが、画力がない、ストーリー構成力がないなどでその道を諦めざるをえないように人の受け皿のようなイメージを持っていた。しかし、だからといって誰でもできるような簡単な仕事ではない。
2014年にSHIROBAKOというアニメ制作会社の仕事をアニメにした作品があり、その主人公が制作進行だった。彼女は高校の頃の友人と自身たちのオリジナルアニメを作ることを夢見て制作進行としてアニメ制作会社に就職している。とてもコミカルなストーリーだが仕事は真夜中まで外注に仕事を確認したり、締め切りに間に合うように時には巨匠に真夜中でも頭を下げに行ったりなど、とても忙しく仕事をしている。アニメでこうなのだから現実ではとても生半可な覚悟ではできないだろう(どの仕事でも同じだが)。特にアニメ業界は薄給という話は有名である。
本書に描かれている内容は、もちろん別の仕事にも当てはめることができる。
例えば、スタッフ間の意見交換が気軽にできる環境を目指すなど。
社長とはいかなくても目上の人に対して話すということは多少なりとも怖く感じてしまうことがある。フランクにとまではいかなくても気軽に話ができるということは、報連相というお馴染みのことがしやすくなることにもつながるはずである。
巻末に主にこれから就職する人たちへ向けた言葉が載っている。
私はこの本を発売日当日に買ったが、これまで積読していて読んでいなかった。もっと早く読んでこの言葉に触れていたら、と思う。 -
3.7
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アニメの制作過程が「制作進行」という役職を軸に記された本。「制作進行」てのは、この本を読む限り、マネージャみたいなものらしい。
知らない業界のことを知るのは楽しい。 -
<b>包括すると仕事のやり方は普通のビジネスと何らかわらない</b>
アニメスタジオの「製作進行」というお仕事にスポット
ブラック企業の中のブラック職種というイメージを覆す内容を期待したが、そこまでの内容ではなかった。
作品作りの根幹ではあろうが、さばかなければならないモノ人がともに膨大、軽自動車で西東京エリアを素材集めに奔走する労力・時間など相まって、進んで人に勧められる職ではない。
前から思っていたが、アニメの製作進行って懐石割烹の厨房の追い回しなのだと思う。
権威のない若手が、ひたすら料理人たちのもとを駆けまわって膳をこしらえていくような。
著者は、女性の進出、ステップアップでの収入向上などを推薦しているが、やや引いてしまう。
現状より抜本的なネット活用での省力化(大容量通信導入、在宅原画マンにはスキャナー提供してデータで送信してもらえないの?)で軽自動車運転をなくしてあげたい。また、製作進行担当者のみならずアニメ製作関係者の極限まで切り詰めた給与水準を底上げすることが最初だろう。
(→それが困難だから、競争に勝ち抜いてポスト者になれという論法になるのでは?)
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アニメ制作進行の実務的な教本のような内容だけど、ほとんどポジティブなことしか書かれてない。まさにネットのいろんな情報で気が滅入っている制作進行志望者のための本という感じだ……
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チームの一人一人が最高のパフォーマンスを発揮して最高のものを作る、そのためのお膳立てを整えるのが、まとめ役、本書で言うところの、製作進行の役割。クオリティの追求とスケジュールはトレードオフで、それはどの業界でも同じで悩ましいところ。動画との連携はコンピュータ系の本でもあれば喜ばれるのでは?