ディズニープリンセスと幸せの法則 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385634

作品紹介・あらすじ

ディズニープリンセスがあなたに教える幸せの法則
あのディズニーが『白雪姫』を制作した1937年から現在に至るまで、一貫して使い続けてきた「夢見るプリンセスが幸せをつかむには?」という不変のテーマ。本書では未曾有のヒット作となった『アナと雪の女王』を中心に、移りゆく時代とともにプリンセスたちの「夢」や「幸せ」がどのように変化してきたかを読み解きます。誰もが知っている劇中歌や名台詞の分析を通じて、ディズニー映画の現在・過去・未来を見通し、作品に隠された「幸せの法則」を明らかにしてゆきます。それではさっそく、ディズニープリンセスにまつわる魅惑の歴史を紐解いてゆきましょう。

感想・レビュー・書評

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  •  娘がご多分に漏れずディズニープリンセスものが好きなもので、お付き合いで見ている程度の知識しかありませんが、なかなか面白い切り口の作品です。

     白雪姫からアナと雪の女王、マレフィセントまでのディズニー作品とそれを取り巻く他社作品などの変遷とプリンセスの変化を追っていきます。
     特定の「あるべき方向」へどう進んでいるかという視点なので、人によっては違和感を感じるかもしれませんが、社会の変化をディズニー作品を媒介として感じられるんだという見方はしたことがなかったので、実に興味深かったですね。

     ただ、校正に失敗したのか、誤字が多すぎるなあ、と。これは出版社の問題ですが。

  • 欠点があるとすれば、誤字が多いこと。内容は充実していて、「ディズニーは、ここまでこだわっているのか!」と考えさせられる。

  • ディズニーがヒロイン像をどのようにアップデートしてきたのか,その80年の流れをネタバレ全開で描き出した快作。これは多くの人におすすめできる。
    古くさい男女観と思われがちな初期の『白雪姫』『シンデレラ』も原作翻案にあたって(当時としては)大胆な改変を行っているという指摘は納得だし,「白人中心主義,受身なプリンセスと王子様,嫉妬深いビリアン」から「積極的なヒロイン,人種や身分より内面,権力欲は悪」を経て「恋愛より自由,悪役にも一分の魂」的な現在のディズニーコードに至る変遷を,多くの作品とともに丁寧にたどっていくところは読みごたえがある。プリンセス作品ではない『トイ・ストーリー』やアンチディズニーの『シュレック』にも触れていて,より深い作品理解につなげているのも良かった。

  • おもしろい!けれど誤字脱字が余りにも多いですね。笑

  • ストーリーという点で白雪姫(1987年)からマレフィセント(2014年)までの変遷を探ります。作品を分析するような本をあまり読んだことがないのですが、こういう本を読むと「あのシーンにはそういう意味があったのか」と作品に対する驚きが多くて面白いですね。これまで見てきた作品を改めて見たくなりました。この本を読んでみて、ディズニー作品の魅力はシンプルなストーリーでありながらも、議論を呼ぶような緻密なストーリー設計がされていることにあるように思えます。だからこそ、子供だけでなく大人にも受け入れられるのでしょうね。

  • 知人から借りました。タイトルを見て自己啓発的なものかと思いきや、ちゃんとした批評でびっくり。三度の反復という観点が新鮮でした。ディズニーだけでなく他の映画を観るときにも使えそうです。

  • ディズニー映画のハッピーエンドを系統立てて分析し、プリンセスにとっての幸せを解説。
    もう一歩深く、ほしい。

  •  ディズニー映画のヒロイン像がどのように変遷していったかを分析した本。ディズニーコード1.0は、従順なヒロイン、王子様が救ってくれて、優しい人は善、悪役は嫉妬深い。2.0は、ヒロインは自分で夢をつかもうとし、チャンスは異性から与えられ、悪役は権力欲が強く、身分の違いやハンディキャップを乗り越えるが、人魚が人魚のまま人間と結ばれることはない、人間にならなければならないという課題は残される。3.0はヒロインは恋より自由が欲しい状態。チャンスは他者との対話から生まれ、多様性を認めない社会こそが悪。ありのままでハッピーとなれる。悪役にも心があり、共存できる新しい秩序が望ましいとなっている。
     ポカホンタス、ムーランの失敗として、「悪と正義。こうした二元論的な見方が、史実を織り込んだ作品と安易に結びつくと、政治的な反発も招く」という指摘部分が面白かった。
     アナ雪では、それでも、氷の能力を、スケートリンクにするなど、あわせてしまっているのだが、ベイマックスでは、能力はあわせるのではなく、いかんなく、おもいっきり能力が発揮されている。
     4.0はなんだろう。読んでいて、議論の土台となるような、たたき台となるような、語れる本だった。あと、ディズニー映画を片っ端から観たくなる本だった。

  • ネズミだけじゃ食っていけないから、いろいろ頑張っているんだね。

  • 白雪姫からアナと雪の女王まで。ディズニーは映画世界でどのようにプリンセスを描いてきたのか、を考察した一冊。新書なのでスラスラ読めました。

    プリンセスをその特徴からディズニーコード1.0〜ディズニーコード3.0に分類してそれぞれ分析しているのですが、「あー、確かに!」と納得の連続でした。「プリンセスが幸せになるまでを描く」という大枠を変わらなくても、その「過程」や「幸せ」はこんなにも変化しているということがよく分かりました。原作があるものについては原作とディズニー作品の違い、またそこに隠された意図についても分析されており、興味深かったです。

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著者プロフィール

1981年生まれ。評論家。メディア論を中心に、政治経済、社会問題、文化現象まで幅広く論じる。NPO法人ストップいじめ!ナビ代表理事。ラジオ番組『荻上チキ・Session-22』(TBSラジオ)メインパーソナリティー。同番組にて2015年度、2016年度ギャラクシー賞を受賞(DJパーソナリティー賞およびラジオ部門大賞)。

「2019年 『ネットと差別扇動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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