中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 (星海社新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 91
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385658

作品紹介・あらすじ

6億人のユーザーを抱える独立国が、ネット上に出現した!
2014年末、中国政府はGoogleを完全に遮断し、ワールドワイドウェブから独立を果たしました。Twitterなどの西側サービスを拒絶し、国外サイトへのアクセスを制限された世界は不気味にも思えます。しかし、そこでは6億人が、パクリ的な国内サービスを使ってインターネットを楽しんでいます。では、このネット上の独立国はいかにして成立したのでしょうか? その過程を探ると、いくつもの興味深い事実が明らかになりました。ネット導入は政府主導だったこと、パクリでも国産サービスが選ばれること、しかし国内のIT企業は常に世界を目指していたこと……。さあ、ネット上に国境線が引かれるまでの20年を、共に辿り直しましょう!

感想・レビュー・書評

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  •  近いようで遠い中国。独自のネット文化を持っている国。ネット文化の開花から「金盾」によるWWWからの独立まで、その時々に台頭したサービスや製品、ネット民の動向まで追った本。見栄っぱりで実利的、同朋思いの中国人の生活、中国政府のインターネットに対する捉え方。今まで考えたことの無い視点で読めた。

  • 中国のインターネットがWWWから独立を果たすまでの経緯をサクッと読み込めた。ネットにおける糞青と小資といった属性の成り立ちや、微博がいかにして凋落していったか等、通史的アプローチの流れの中で微に入り細を穿った解説を元に理解することができて満足。

  • 正にタイトルの通り、中国のインターネット史を振り返る内容です。インターネットに付随してAV機器やゲームなど周辺の話も語られています。インターネット史よりもインターネットを使う中国人の特徴が印象的でした。安くて便利なら海賊版を使うという実利的な一面が一貫して存在することを感じます。日本では結果より過程が重要視されることがありますが、この本を読んだ限り、中国では結果が圧倒的に大事に思えます。そうなると、クラウドファンディングのような過程の段階から応援するタイプの課金が難しかったりするのかなと疑問に感じました。

  • ガラパゴス化もその絶対数が多ければ新しいスタンダードになる。

    輸入して、マネをして、囲い込む。日本が高度成長期にやってきたことを中国のインターネットは10年ほどで成し遂げた。

    その間、日本の通信業界はどうだったか。日本製ガラケーが席巻していた10年前からは考えられないほど縮小した。
    反対に、今現在中国では小米のスマホが世界三位の売り上げを誇っている。

    さて、なぜ日本のガラケーは絶滅して中国のスマホは売り上げを伸ばしたのか。

    国内市場の絶対数によるものだ。

    日本市場はこれからの成長が見込めない。世界に打って出よう←グローバル化の波で討死

    対して中国市場は13億強の人口を誇る中国では北京上海などのメガシティに加えて、内陸部の無数の百万都市という市場が残っている。
    市場開放せずとも国内市場で賄える圧倒的絶対数だ。

    ガラパゴスも絶対数が多ければスタンダードになる。

    そして、スタンダードになったからこそ言論統制や検閲も、それが当然ののこととして市民に受け入れられているのだろう。


    終章で気になったことがある。

    「90年代生まれを中心に中国のアニメを受容する世代が出現したのです」
    「21世紀生まれに対しては、さらに日本のコンテンツの影響は薄まり、中国の閉じたコンテンツ環境で育つでしょう」

    クールジャパンって、ほんとに海外で受け入れられてるの?

    日本の電気製品大人気、とか言っておきながら、いつの間にか衰退してたでしょ。

    もしかしたら、日ごろ新聞ニュースで言われる景気のいい輸出話は大本営発表かもしれないね。

    無意識に「日本の○○こそ世界に輝く素晴らしい技術」と思ってる日本人はうま~くシビリアンコントロールされてるのかもね。

  • インターネット普及発展の裏側にある中国(人)の習慣、制度、事件について知ることができる一冊

  • 中国のインターネットについて書かれた本があまりないのでありがたい本

  • 中国のインターネットの歴史に関するステレオタイプを払拭してくれ良書、急成長する中国のインターネット業界を俯瞰し、情報を整理するためのベースになる。

  • 1990年台から中国のインターネット周りの歴史を振り返る一冊。
    基本的に中国人はゲームが好きということと面子が大事って事は分かりました。
    あとメインはGFWの話ですかね。これにより中国はワールドワイドウェブから独立し、独自のインターネット進化を進めている。

    また、どうでも良いけど中国のサービス名は漢字だと覚えられなくて脳内で読めないのでルビ振ってほしかったなぁと。

    以下メモ

    ・IBMのThink padは面子商品だった。
    ・アリババはアリペイのエスクローサービスでブレイクした。人を信用しない国民性。
    ・中国でもアングリーバード流行ってた。
    ・2014年に中国は4億2000万台スマホを出荷した。その時日本では2569万台。

    11月④

  • 先日聞いた登さんのVPN Gateの話も非常に刺激的だったが、独自進化を遂げている中国のインターネット空間。90年代の中国のIT事業から、「中国のインターネットのワールドワイドウェブから独立」に至る流れを、中国に滞在する著者の膚感覚から描かれている。

  • 人口が多いからと言って
    これから先、本当に可能性があるの??
    信用できるの??と日本人がいつも半信半疑で見ている中国という国について
    ITの視点から整理している。

    中国では本音と建前の二重人格が当たり前

    流行っているものをパクりでてきた問題点を切り捨て、さも最初っからそうだと言い張ってサービスを改良していく。なるほどそういうコトなのねと膝を打ちまくり。

    海賊版というのはある意味合理的で皆んなが欲しがっているものを流通させて何が悪い?という取り方もできる。

    良いものが残るのではなく、残ったものが良いもの。

    ただそう行った一見無法地帯のように見える秩序も中国政府という大きな規制があるからこそと考えると薄ら怖いものは感じる。

    明らかに巨大化して手のつけられなくなってきたその市場を日本的な感覚で見るのではなく、何が自由で、何を不足と感じているかを読み取らなければならない。

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プロフィール

アジアITライター
1976年東京都出身。東京電機大学卒。システムエンジニアを経て、中国やアジアを専門とするITライターとなる。現地の消費者に近い目線でのレポートを得意とし、バックパッカー並の予算でアジア各国を飛び回る日々を送っている。「ITMedia」「ASCII」「東洋経済オンライン」「ダイヤモンドオンライン」などを中心に多数の連載を持ち、単著に『新しい中国人 ネットで団結する若者たち』(ソフトバンク新書)などがある。本書は、2002年に中国雲南省の省都・昆明のスラム街に居を構えてより、足掛け14年にわたる中国IT観察の中間決算である。ツイッターは@YamayaT

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