内定童貞 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385665

作品紹介・あらすじ

本質を見極めれば「就活」はそこまで怖くない
学生は、就活への恐怖を肥大化させ過ぎている。インターンに行かなくても内定はとれるし、面接で話す内容は立派でなくてもいい。合否は能力ではなく、相性で決まる。第一志望に通らなくても、中途採用で入ればいい。面接官にもバカはいるし、人事は味方だ――。大切なのは、美辞麗句に隠れた「企業の本音」を知ることと、社会人と「普通に」話せるトレーニング(方法は本文にて紹介する)をしておくこと。そして、すぐバレるような「ウソをつかない」ことだ。これさえできれば、就活は怖くない。誰もが未経験(=童貞)であるがゆえ、不安まみれになる就活。キツイ数ヶ月になるが、本書を読んで気持ちを軽くし、乗り切ってもらいたい。

感想・レビュー・書評

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  •  就職活動で三つ思い出がある。
     一つ目は、「就職する気がなかったので活動だけしていた」ということだ。面接に落ちても何も思わなかったし、まわりが何社も受けているのを見て「こいつらはいったい何をやっているのか?」と思っていた。「先輩訪問」とかしているらしいのだが、そんな立派な人間がこの世界にごろごろいるわけがないし、また、そんな立派な会社にいけるほどの大学でもない。僕が就職活動中やっていたことは、卒業論文と制作とゼミ活動を同時進行させながら、本を乱読することだけだった。議事録やら連絡やら、事務仕事を分担してするのだが、恩師の(演技でやってる)パワハラがきつくてメンバーがみんな辞めて行った。そんなゼミの恩師から「君は九時五時の職場に着きなさい。他の時間は趣味に使いなさい。院のあの○○君には推薦書かないけれども君には書きますよ」と言ってくれてそれが励みとなり「おお、推薦かいてくれるのか! 学会発表みたいなのにも出て賞状もらったし、自信がついた! よし、実家もこれで許してくれるだろう。ニートになろう!」とガッツポーズをした。
     二つ目。
     だが、親には就職活動している風に見せなければならない。で、受けたのが、謎の絵画を売る会社だ。巨大な会社だった。売っているのは「いのまたむつみ」とか「ラッセン」とかそういうのだった。わけわからん絵画を何百万で売る会社だ。しかも入社したら合宿を山奥でするという。洗脳である。なんとかアートとかいう会社だったのかも。説明会会場にいくと、立派なホテルみたいなホールに、何百人と、就職先がまだ決まってない若者たちがうんうん頷きながら、社員の言葉を聞いている。相当遅い時期だったので、ここに残っているのはもう後がない、落ち続けた人々だ。体はぎくしゃくし、トイレですれ違っても、僕に会釈したりした。みんなとにかくペコペコしていた。ロボットよりロボットという感じだった。もう「説明会の時点で見られている」、「面接が始まっている」という緊張感があった。メモも、特にメモすることがないのに、みんなしていた。教祖に出会った人みたいに、大げさに頷いて、賢そうな顔をしようとしていた。僕はとにかく眠くて、メモした内容がまったく読めないし、エントリーシートとか資料は帰宅したらすぐに捨てた。寝汗で体がびっしょりだった。
     母に「説明会あかんかった」と言った。普通は「面接あかんかった」というものであろう。だが、あまりのめんどくささに「説明会あかんかった」ととりあえず言った。「ごめん、あと何年かニートやるわ。でもがんばるから」「そう、頑張んなさい。ホットケーキ作ったげようか」母は右手で夕飯の支度をし、左手でホットケーキを焼いていた。なんてすごい母親だ……とあらためて思った。
     三つ目。
     唯一面接を受けたのはナカバヤシという文房具会社だった。すごくめんどくさそうに面接されていたが、「これできますか? あれできますか?」と質問が来たので、「できます、できます」と答えていたら、奥の部屋に通された。質問されたような内容はすべて恩師が僕に課していたことだったからだ。その後、「企画につきたいです」と僕は言った。「もし違う部署に行けと言われたら行きますか。いきなり企画は無理です。営業とかやれますか」「行きませんし、やりません」と答えたら「お父さんを見てごらん。上からの命令とかきちんと聞いてるでしょ」「父はよくわからないですけど社長ですし、人の言うことをまったく聞かない人です」
     これで面接を落とされてしまった。僕は父親に「ナカバヤシ、頑張ったけど落とされた~。この番組のスポンサーになってる会社に受けたんやで~」と言ったら「そうか」と父は頷いて新婚さんいらっしゃいを観ていた。これで僕の就職活動が終わり、その四年後か五年後くらいにハローワークへ行くと、緊急の求人が一つあり、九時五時の職場でしかも家から十分くらいの距離にある事務仕事に就いた。みんな親切で、社会人として生きて行けているのも、この会社の人に育ててもらったおかげだ。「封筒を切ってください」と言われた時、自分が、今まで生きて来て封筒を開けたことがないことに気が付いたのだ。指でバラバラにちぎって開けていたのだから。

     だから、この内定童貞の本は、不思議な気持ちで読んだ。一流の人々は大変だなあというのと、「私は納豆です」とかいうのは確かにマニュアル本とかにあった気がするのと、マニュアルやネットの情報はほとんど使い物にならないくらい宗教化している(ノックは3回とか2礼2拍手1礼みたいだ)ことに気づかされる。

    それと、
    ・これまで一番うれしかったこと
    ・周囲の人はあなたをどんな人だと言いますか?
    ・これまで一番腹が立った経験
    で人物像がわかるというのは本当に素晴らしい指摘だ。これで清廉潔白を書いたら、ミスになるし、正直に書かれたものは実にその人の本質が浮かび上がるようになっている。OBに対しても「なんだ、カネ持ってる以外、自分とあんまり変わらないじゃん」という気持ちで畏怖が消えるところは「宗教化」してしまわないためのいいアドバイスと思う。
    「面接官にとっては、いかに立派な人間であるかストーリーが完成しているかよりも、会話が成立するか、興味を持たれるか、未知の世界の話を持っているかが重要」というのは、小説にも言えることだ。人は知らないことに興味を持つ因果な生きものである。
     著者のおすすめネタ10選とかどれも興味深いし、ツイッターのフォロワーの増やし方とか「近頃はツイッタアというものがはやっているのかね?」みたいな上司が食いつきそうだ。離島の生活も知りたい。自分のことなんて対して話せないけれども、こういうことは少し調べて話すだけで一時間ぐらいやれるものなので、とてもいい提案だと思う。仕事人として大成するのは口のうまいやつ。うまく口を動かせるものを多く持て、ということだ。

    「これを合コンで言ったらどうなるか」で履歴書や面接を考えるというのも良い指摘だと思った。「志望動機」というカテゴリーそのものが馬鹿馬鹿しく、「合コンで会った瞬間になんで俺の事好きなの?って聞くのおかしいでしょ」と著者は突っ込んでいる。カエルの絵のエピソードで、汗だくになった男性が印象に残った。面接官は意地悪しようとしているのではなく、加点しようとしているのだということも「宗教化」によってわからなくなる点だろう。
     それと、マッキンゼーのトンチ面接(東京の緑を2倍にする方法)で「鉄道のまわりに木を植える」応えは華麗だった。
     自己分析も「何が好き」「何が嫌い」「どんなとき幸せ」「どんなときに腹が立つ」「ある程度自分が優れていると思う点」に従って書けばいいというのも納得。あと、パワハラ面接とか、学生を見下すような会社は、その学生が将来の顧客になったりすることを考えない、考えることのできないクソなので入らなくて正解とか、「就職活動」というのが一種のパニックで、会社を神格化し、宗教化してしまい、それによって、面接官も、学生もふらふらになってしまうことを解決する良書だと思う。
     それからこの本は「転職」についてのアドバイスもしてある。過去の経歴でもっとも効いたのは「博報堂にいた」ことであるとか、「なんとしてもやってみたい仕事のときは、多少のはったりをかましながらも、とにかく「できます」と言い切ってしまったほうがいい」とか。人から振られた仕事は極力文句を言わずに唯々諾々と従ってやることの大切さを説いている。

  • 文章がバカっぽいけど言ってることはまとも

  • これを読うことができる現役就活生、これから就活をする大学生は幸せものだと思う。何度でも読み返したい。
    納得できることしか書いてないな!と思える本。

  • タイトルが恥ずかしいから、外で読みにくいねん!
    ただ、内容は読みやすくてよかった。
    就活中の私は、暇つぶしに読みました。
    「就活は準備が大事」だと思うが、最終局面に近づくほど「雰囲気」みたいなところで見られてるんじゃないかなと思った。もちろん業界とか会社によるとは思うけどね!

    ・会社の雰囲気ってあるよね
    ・就活がうまくいかなくても人生悲観することはない
    ・なんだかんだ仕事は楽しそう

  • 現実を見れる

  • 社会人となった今では納得できる事ばかりだった。(学生時代に知っておきたかった。)・面接では、何が好きか、ある程度自分が優れていると思う点など5つの質問に本心から語ればいいだけである。・自己PRも同様で、自己分析は必要ない・通るかどうかは、明らかに優秀、会話が楽しい、可愛げがあるといったようなところで、あとは相性が合うかどうかである。など… 著者が会社を辞めた理由として、自分が本当はその場に不要な人間なのに、いるのが嫌だったことを挙げているが、こう確信してしまったら誰でも会社を辞めたくなるよなと思った。

  • 読みやすい、面白い。就活をしたことがない人でも就活の実情をちょこっと覗き見できる本。

    結局は会社との相性だから正直になることっていうのが1番なのかな〜自己PRと志望動機が皆同じになる現象は自分も実際に感じてた
    最初から目標の企業には入れなくても後でチャンスはいくらでもある、て言われると人生なんとかなっちゃいそうな気もする

  • 面接官は味方。会話をしろ。自分を売り込むのに必死になるな。
    「東京の緑を二倍にするには?」→誰からの要望か考える。二倍に見えるにはどうするか考える。
    何が好きか、何が嫌いか、どんなときに幸せか、どんなときに腹が立つか、ある程度優れてる点を話せるようにしろ。
    語った内容でどんな人間か伝えろ

  • 本当の意味での失敗という言葉は、人生においてはあまりないのではないだろうか。あくまでもコース変更というだけであり、常に人生は軌道修正の連続なのである。

  • 笑いながら読ませてもらった。就活前に読みたい一冊。

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著者プロフィール

編集者、PRプランナー、ライター
1973年生まれ。東京都立川市出身。大学卒業後、博報堂CC局で企業のPR業務を担当。2001年に退社し、しばらく無職となったあとフリーライターとなり、その後『テレビブロス』のフリー編集者に。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などを経て『NEWSポストセブン』など様々なネットニュースサイトの編集者となる。主な著書に、当時主流だったネット礼賛主義を真っ向から否定しベストセラーとなった『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『ネットのバカ』(新潮新書)、『夢、死ね!』『内定童貞』(星海社新書)など。無遠慮だが本質を突いた鋭い物言いに定評がある。

「2020年 『意識の低い自炊のすすめ 巣ごもり時代の命と家計を守るために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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