広岡浅子 明治日本を切り開いた女性実業家 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385764

作品紹介・あらすじ

波瀾万丈の生涯を送った女傑、初の本格的伝記!
明治時代は、人々が新しい国作りに燃えた熱い時代でした。そんな時代をたくましく生き抜いた一人が、本書の主人公である広岡浅子です。浅子は、大坂の豪商・加島屋の経営を助け、銀行業・炭鉱業・生命保険業などに関わった実業家でした。また、女子教育の後援者として日本女子大学の設立に関わるなど、当時はよく知られた女傑でした。けれども、いつしかその存在は埋もれてしまっていました。本書は、歴史小説家が史料に基づき、浅子の真実の姿に迫った初の本格的伝記です。さらに、背景となる明治時代を分かりやすく記述し、八〇点を超える写真を収録しています。さあ、明治時代にタイムスリップし、浅子の波瀾万丈の生涯をともに旅しましょう!

感想・レビュー・書評

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  •  加島屋に嫁いだ浅子と、天王寺屋に嫁いだ春との、明暗。何もそれについて語らない矜持。それから小前亮氏による夫の解釈が良い。【妻にここまで言わせるのは、むしろ夫の器の大きさではないか。そもそも、男尊女卑の時代に妻に勉強することを許し、仕事を任せていた男である。浅子と同じくらい、いやそれ以上に、信五郎は誹謗中傷を受けていたはずだ。それでも、妻の能力を信じて、すべてをゆだねた。なかなかできることではない。】
     また、豪商たちが明治新政府にどれだけ返されるあてのない金を取られたかの部分も興味深かった。あまりにも頼りない不換紙幣の写真が生々しい。

     浅子が卒業生に、「大学で学んだことを忘れるな。下女となってもそれでよろしい。各自その責任を全うせよ」と述べたところは素晴らしかった。うまくいかないのは多くある、そこからベストを尽くせ、落ち込んだり、やけになるなと、言っているように思う。
     とにかく筆者の信五郎評価が妙に目立つ。信五郎が壮絶ないじめと嫌味にあいつつ、巧みに動いていく様を、小説で書いてほしいように思った。

  • ●三井家に生まれて広岡家(加島家)に嫁ぎ、銀行や炭鉱の経営に手腕を発揮して、傾きかけていた加島屋を支えた。また日本女子大学設立に大きな貢献を出し、女子教育の普及にも努めた。晩年にはキリスト教に入信して、講演活動などを通じて後進の指導を行った。
    ●大名は収入が年一回の収穫で、しかもお金になるまでの時間がかかる。大名貸の利子は、年利約10%前後。彼の足りない権力者に貸すわけなので貸倒の可能性は高い。
    ●新選組が大阪の豪商達から借り受けた金学は現在の金額で約14億円。
    ●明治31年の民放には「妻は無能力である」との規定が存在した。これは財産を持ったり契約したりできないと言う意味だ。だから加島銀行を設立をしても役職にはつかなかった。
    ●浅子が大学を設立するために説得をした面々。伊藤博文、西園寺公望、大熊重信ほか渋沢栄一など。
    ●明治14年に明治生命、21年に朝日生命(現在の朝日生命とは別)、22年に日本生命と次々に創業された。買収した仏教系生命保険会社と3社が合併して大同生命が誕生した。

  • 「竜馬がゆく」を読んだ自分にとって、明治時代の話はRPGクリア後に待っている「その後の世界」みたいな感じです。まず、女性かつ商人という当時では二重に苦しい立場の視点から描かれた明治時代は新鮮でした。そんな苦しい立場だからこそ、広岡浅子の女傑ぶりは一層輝いて見えました。炭鉱参入、女子大設立、生命保険会社設立など次々と新しい分野を切り開いていくので、淡々と進んでいく伝記とは違って小説のようなワクワク感を読んでいて感じました。これは、筆者が歴史研究家ではなく小説家であることも関係していると思います。

  • 朝の連ドラ「あさが来た」のモデルとなった女性がどんな人だったのか知りたく、この一冊を選んだ。
    残されている資料と共に、実際の広岡浅子さんの姿や明治と言う激動の時代の様子がよくわかり、とても面白く読めました。経済面での明治維新がどのようなことだったのかほとんど知らない世界を知ることが出来、ためになる一冊でした。

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著者プロフィール

小前亮/1976年、島根県生まれ。東京大学大学院修了。専攻は中央アジア・イスラーム史。2005年に歴史小説『李世民』(講談社)でデビュー。著作に『賢帝と逆臣と 小説・三藩の乱』『劉裕 豪剣の皇帝』(講談社)、『蒼き狼の血脈』(文藝春秋)、『平家物語』『西郷隆盛』『星の旅人 伊能忠敬と伝説の怪魚』『渋沢栄一伝 日本の未来を変えた男』「真田十勇士」シリーズ(小峰書店)、「三国志」シリーズ(理論社 / 静山社ペガサス文庫)などがある。

「2023年 『三国志 5 赤壁の戦い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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