今すぐ中国人と友達になり、恋人になり、中国で人生を変える本 (星海社新書)
- 講談社 (2015年12月25日発売)


- 本 ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061385818
作品紹介・あらすじ
なぜ日本人と中国人の“人付き合い”はすれ違ってしまうのか?
自身も中国に在住中の大ヒットエッセイ漫画『中国嫁日記』の著者・井上純一が、これ以上ない“明確なルール”に基づく中国人の人付き合いの論理と極意をあなたに直伝。一般的な日本人の感覚とはある意味では相容れないイメージのある中国社会を読み解くキーワードは、“利害関係”と“身内”。本書は、この二つのキーワードと密接に結びついている中国人のルールを軸に、彼らという存在の深層を解き明かしていきます。日本人にとって最も巨大で不可解な隣人である中国人とも、このルールさえわかれば、きっと今すぐ仲良くなれる。さあ、今すぐ中国人と友達になり、恋人になり、中国で人生を変えよう!
感想・レビュー・書評
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本著は、中国人との付き合いにおける、日本と価値が真逆であるポイントなど、数々書いてあり、大変勉強になった。
数年前、中国人留学生や韓国人留学生とセックスしまくり、アジア制覇を目指す!とギャグを言ったりして意気込んでいた居酒屋で出会った水商売の女性が、「中国人はどこにでも家族がいる」と訳の分からないことを言っていたが、本著を読めば何となく意味はわかる。「一族」「身内」というものがあり、その繋がりさえあれば、どこへ行ってもそこが「家」となるのだ。(多分)
あと、気づいたのは、中国人にとって、日本人女性と付き合うことはほとんどなんのリスクもないが、日本人男性が中国人女性と付き合うとなると、プレゼントやご飯のおごりや「身内」「面子」のことを含め、たいへんな思いをすることになる。東南アジアに留学している夜の女性も、外人が日本人と韓国人と中国人でナンパするならまず日本人といっていて、他の国の女性は気が強いという。その「気が強い」の根本は、この「身内」(格)の概念にあると思う。
「友達の友達は友達」と身内社会であることや、「自分の家族や好みなどの情報を開示し、相手に理解してもらうことを中国人は非常に大事にします」とか、友人としての基本的なつながりの土台は「自分とあなたの力を合わせれば、これだけのメリットがある」ということ。そこから、最初は一緒に外食をし、次に家に招いての食事になるといったその「段階」についても興味深かった。一度は食事代を自分が出して、「貸し借りの連鎖」を作り出すことにより「身内」となる。「自分は強い」が中心であること。そして経済力と人間的な有利はほぼイコールであること。日本だと「自分の尻も拭けないやつ」は悪口になるが、中国では「自分の尻も他人に拭かせられない」となること。同格の間柄で上下をつけてはダメだが、同格でなければ上下はつけられるということ。その格の中心が経済力であること。借りを作らない=心をオープンにしていないとなるとか、一人っ子政策についても、一族という構造をいったん破壊して、巨大な一族を作るためのものだっただのではという指摘や、女性がめちゃくちゃ強いこと(これはベトナムも同じ)とかも、毎ページ毎ページ大変面白く読んだ。
あと、やっぱりこの本における、そしてこの本に出てくる日本人の「外国人感」がすごい。ナショナリズムな議論抜きにして「日本はアジアではない」がなんとなくわかる本。
最後に、語学力はパートナーがあわせてくれるかどうかで決まるという指摘とか、その通りだと思う。ある人から、英語を話せるようになりたかったら、外国人と付き合いなさいと言われたのを思い出した。その人は超頭良いので、別に外国人と付き合ってはいないが、フランス語も英語もぺらぺらでドゥルーズを原著で読んでいる。頭の悪い私ができることはただ一つである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中国嫁日記の著者による実用書。
中国の人の付き合い方の基本というか、常識がはっきりして面白い。
よく世の中でいう「ここが変だよ中国人」の謎が解けたというか。
もちろん、この本に書かれていることがすべてではないだろうし、異なることや思い込みもあるのだろうが、そういう考え方があるのかーと楽しく読めた。
けど、中国の人と友達になるきっかけ、むつかしい! 大学にいくしか!? -
本としては面白い。しかし、中国の方々は、難しいと思います。最近、ウチのマンションに中国の方が入って来ましたヨ。46世帯の中に1世帯。中古ですが、未だ未だ金額は6千万弱。今後が一悶着ありそうです。
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デザイナー・漫画家の井上純一が中国に住んでみた実感を語った本
かなり面白いし、中身が結構深い。
もちろん、この人の個人的体験に基づく語りなので、一般化できるわけじゃないけど。 -
中国人との付き合い方の一般論
幇という身内の概念、貸し借りの作り方、人間関係の維持、タブーとなる行動など
具体的に著者がどのように中国人コミュニティで人脈を築いたかが実例で示されている -
嫁さんに惚れてるからでしょうが決断の思い切りの良さが爽やかに感じます。国がどうだとか変なフィルターを通さないところに好感もてます。
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レビュー省略
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体験に裏打ちされた「中国人とつきあうための本」、説得力があります。
中国・東アジアから日本を訪れる観光客は増え続けているが、日本では嫌中・嫌韓をあおる言説が大はやり。なんとも困ったものです。
そうした風潮に一石を投じる役割りを果たしているのが『中国嫁日記』シリーズです。
『中国嫁日記』の著者井上純一が、編集者のすすめで書いた本書は、タイトルからして「これはお気楽な冗談ですからね。あまり本気にしないでね」というスタンスの本です。
中国を意識の外に押し出すのではなく、いますぐ友人としての対話を始めようという井上のよびかけ、いいですね。
著者プロフィール
井上純一の作品





