今すぐ中国人と友達になり、恋人になり、中国で人生を変える本 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
3.52
  • (6)
  • (8)
  • (16)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 92
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385818

作品紹介・あらすじ

なぜ日本人と中国人の“人付き合い”はすれ違ってしまうのか?
自身も中国に在住中の大ヒットエッセイ漫画『中国嫁日記』の著者・井上純一が、これ以上ない“明確なルール”に基づく中国人の人付き合いの論理と極意をあなたに直伝。一般的な日本人の感覚とはある意味では相容れないイメージのある中国社会を読み解くキーワードは、“利害関係”と“身内”。本書は、この二つのキーワードと密接に結びついている中国人のルールを軸に、彼らという存在の深層を解き明かしていきます。日本人にとって最も巨大で不可解な隣人である中国人とも、このルールさえわかれば、きっと今すぐ仲良くなれる。さあ、今すぐ中国人と友達になり、恋人になり、中国で人生を変えよう!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  本著は、中国人との付き合いにおける、日本と価値が真逆であるポイントなど、数々書いてあり、大変勉強になった。
     数年前、中国人留学生や韓国人留学生とセックスしまくり、アジア制覇を目指す!とギャグを言ったりして意気込んでいた居酒屋で出会った水商売の女性が、「中国人はどこにでも家族がいる」と訳の分からないことを言っていたが、本著を読めば何となく意味はわかる。「一族」「身内」というものがあり、その繋がりさえあれば、どこへ行ってもそこが「家」となるのだ。(多分)
     あと、気づいたのは、中国人にとって、日本人女性と付き合うことはほとんどなんのリスクもないが、日本人男性が中国人女性と付き合うとなると、プレゼントやご飯のおごりや「身内」「面子」のことを含め、たいへんな思いをすることになる。東南アジアに留学している夜の女性も、外人が日本人と韓国人と中国人でナンパするならまず日本人といっていて、他の国の女性は気が強いという。その「気が強い」の根本は、この「身内」(格)の概念にあると思う。
     「友達の友達は友達」と身内社会であることや、「自分の家族や好みなどの情報を開示し、相手に理解してもらうことを中国人は非常に大事にします」とか、友人としての基本的なつながりの土台は「自分とあなたの力を合わせれば、これだけのメリットがある」ということ。そこから、最初は一緒に外食をし、次に家に招いての食事になるといったその「段階」についても興味深かった。一度は食事代を自分が出して、「貸し借りの連鎖」を作り出すことにより「身内」となる。「自分は強い」が中心であること。そして経済力と人間的な有利はほぼイコールであること。日本だと「自分の尻も拭けないやつ」は悪口になるが、中国では「自分の尻も他人に拭かせられない」となること。同格の間柄で上下をつけてはダメだが、同格でなければ上下はつけられるということ。その格の中心が経済力であること。借りを作らない=心をオープンにしていないとなるとか、一人っ子政策についても、一族という構造をいったん破壊して、巨大な一族を作るためのものだっただのではという指摘や、女性がめちゃくちゃ強いこと(これはベトナムも同じ)とかも、毎ページ毎ページ大変面白く読んだ。
     あと、やっぱりこの本における、そしてこの本に出てくる日本人の「外国人感」がすごい。ナショナリズムな議論抜きにして「日本はアジアではない」がなんとなくわかる本。
     最後に、語学力はパートナーがあわせてくれるかどうかで決まるという指摘とか、その通りだと思う。ある人から、英語を話せるようになりたかったら、外国人と付き合いなさいと言われたのを思い出した。その人は超頭良いので、別に外国人と付き合ってはいないが、フランス語も英語もぺらぺらでドゥルーズを原著で読んでいる。頭の悪い私ができることはただ一つである。

  • 中国嫁日記 を読み、作者に興味が湧き購入。
    日本と中国の文化や慣習の違いを学び、考え方の幅を広げるには読みやすい一冊でした。

    概要としては、中国人の嫁と日本人の作者が中国に在住し、そこで感じ、学んだ慣習、文化について書かれた一冊。

    特に面白かったのは、日本と中国の土地や環境の違いについての考察。

    日本の場合隣人との物理的な距離が近い上にそれなりに土地が豊かなので、生きていくのにそこまで困りません。だから軽い繋がりで得られる助力でも多少の苦境は乗り越えて来られてきたんですよ。でも、中国、とくに昔の中国の場合はひとりではどうやっても生きていけない。力を合わせようにもすぐそ側に人がたくさんいなかったりするし、食べ物も豊富でないことが多かったから。(中略)こういった理由から、信頼できて大きく力を出し合える"身内"という関係が重要になっていったんだと思います。 p42

    どちらが良いではなく、それぞれの事情による結果が現在に至っただけだと思った。
    中国人だから…日本人なら…というのは、勿体無いと。そういう考えを自分の中でどう捉え、どう活かすかが大切ではないかと。

    例えば、

    日本の場合禅宗の思想的影響か、整理整頓をしっかりしよう、とか自分のやったことは自分でなんとかしようって考えが結構根付いているところがある。だからこそ、「自分の尻も拭けないやつ」っていうのが貶し言葉になりうるわけですが。ところが中国ではお金のある人間は、自分の身の回りのことや後始末は雇った人間にやらせることになるわけで、それこそ「自分の尻も他人に吹かせられないような貧乏人」のほうが悪いとなるわけです。 p52

    上記の本文から思ったのは、
    日本人は、自分のことは「すべて」自分でやる精神。
    中国人は、他人に任せられることは任せて、自分が「やるべきこと」に集中する精神。
    自分も他人に任せることが苦手なので、仕事がアップアップしている。任せられる仕事とやるべき仕事に分けて考える必要があるなと感じた。
    また、こういう考え方の幅を広げるには、異文化と触れ合うのが一番勉強になるなと感じた。

    最後に「経験」について印象に残った言葉を転載する。

    実際に住んでみるからこそ、過剰思い入れの部分が取れて、ナチュラルにいいところがわかってくると思うのです。そしてその経験は、静かに確実に あなたの人生を大きく変えていく と思うのです。
    p169

  •  中国嫁日記の著者による実用書。
     中国の人の付き合い方の基本というか、常識がはっきりして面白い。
     よく世の中でいう「ここが変だよ中国人」の謎が解けたというか。
     もちろん、この本に書かれていることがすべてではないだろうし、異なることや思い込みもあるのだろうが、そういう考え方があるのかーと楽しく読めた。
     けど、中国の人と友達になるきっかけ、むつかしい! 大学にいくしか!?

  • 本としては面白い。しかし、中国の方々は、難しいと思います。最近、ウチのマンションに中国の方が入って来ましたヨ。46世帯の中に1世帯。中古ですが、未だ未だ金額は6千万弱。今後が一悶着ありそうです。

  • デザイナー・漫画家の井上純一が中国に住んでみた実感を語った本
    かなり面白いし、中身が結構深い。
    もちろん、この人の個人的体験に基づく語りなので、一般化できるわけじゃないけど。

  • 中国人との付き合い方の一般論
    幇という身内の概念、貸し借りの作り方、人間関係の維持、タブーとなる行動など
    具体的に著者がどのように中国人コミュニティで人脈を築いたかが実例で示されている

  • 「中国嫁日記」の作者としてのジンサンが好きで、読んでみた本。
    読みにくかったり分かりにくかったりはしないけど、やはり、中国に移住を考えている人でないと、あまり需要がない本かなぁ…
    周りに中国人もいないしなぁ。
    いたらまた違うのだろうか。

  • 嫁さんに惚れてるからでしょうが決断の思い切りの良さが爽やかに感じます。国がどうだとか変なフィルターを通さないところに好感もてます。

  • レビュー省略

  • 体験に裏打ちされた「中国人とつきあうための本」、説得力があります。
    中国・東アジアから日本を訪れる観光客は増え続けているが、日本では嫌中・嫌韓をあおる言説が大はやり。なんとも困ったものです。
    そうした風潮に一石を投じる役割りを果たしているのが『中国嫁日記』シリーズです。
    『中国嫁日記』の著者井上純一が、編集者のすすめで書いた本書は、タイトルからして「これはお気楽な冗談ですからね。あまり本気にしないでね」というスタンスの本です。
    中国を意識の外に押し出すのではなく、いますぐ友人としての対話を始めようという井上のよびかけ、いいですね。

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

漫画家、TRPGデザイナー。玩具会社「銀十字社」代表取締役。1970年、宮崎県生まれ。1990年代からTRPG制作を開始。また2010年からブログにて連載した20代中国嫁と40代オタ夫である自身の日常を描いたエッセイ漫画『中国嫁日記』が、KADOKAWAより書籍化されベストセラーとなる。他の著書に、中国嫁・月サンが通う日本語学校の日常を描く『月とにほんご 中国嫁日本語学校日記』、月サンの「お金に関する素朴な疑問」に答える経済マンガ『キミのお金はどこに消えるのか』(ともにKADOKAWA)などがある。

「2023年 『逆資本論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井上純一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×