下水道映画を探検する (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385856

作品紹介・あらすじ

下水道から映画を観る! 前代未聞の映画ガイド
下水道は、私たちの生活を支える身近なインフラであるのと同時に、この現代に唯一残された未知の地下空間でもある。本書は、「映画に登場する下水道」をつまびらかに見ていくものだ。暗く、隠匿され、じめじめとしたその場所に想像はかき立てられ、誰もが知る名作からB級作品まで、下水道は名脇役として数多くのシーンを彩ってきた。時に怪物が巣食い、時に逃亡者が駆ける。世界各地の下水道の特色が、作品の雰囲気を高める。逆に、誤解や調査不足から、でたらめな描かれ方をされることもある。下水道という細部に着目することで、映画はまったく新しい姿を浮かび上がらせるのだ。それでは、探険を始めよう。

感想・レビュー・書評

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  • 『下水道映画を探検する』(講談社) - 著者:忠田 友幸 - 柳下 毅一郎による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    https://allreviews.jp/review/4071

    『下水道映画を探検する』(忠田 友幸):星海社新書|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000025442

  • 下水道にのみ注目した映画鑑賞

     著者の肩書は「水PR研究家」。名古屋市の下水道局に長年勤務して、2015年に定年退職された方。
     この本は雑誌『月刊下水道』(あるんですよ、そういう雑誌が!)に連載された記事をまとめたもの。下水道のシーンのある映画を鑑賞し、この下水道はどういう構造になっているかとか、セットなのか本物の下水道なのかを、専門家の目から分析するのです。

     こういう本って、ついつい「あれが入ってないぞ」と文句をつけたくなるもんですが、この本にはそんなツッコミどころがほとんどありません。
    『第三の男』のような名作が入っているのは当然としても、『アリゲーター』『ミミック』『ブロブ 宇宙からの不明物体』『美女と液体人間』『放射能X』『グエムル 漢江の怪物』『スピーシーズ』などのモンスター映画までしっかり網羅されています。確かに、『美女と液体人間』も『グエムル』も、下水道が印象的な作品でした。
     もちろん、『ボルケーノ』も『黄金の七人』も『ミュータント・タートルズ』も『ミニミニ大作戦』も『バットマン リターンズ』もみんな入ってます!
     東映の劇場アニメ『わんわん忠臣蔵』も、言われてみれば下水道のシーンありました!

     なぜ「ツッコミどころが<u>ほとんど</u>ない」と書いたかと言うと、2016年出版の本なのに、2015年公開の園子温監督の『ラブ&ピース』が入ってないんですよ。うーん、惜しい!  あれも下水道が重要な役割を果たす映画だったんですけどね。

     映画の中の下水道にのみ注目するという視点がとにかく面白い。読んでると下水道に詳しくなってきます。

  • 映画

  • 2018/2/25購入
    2018/11/17読了

  • 大阪・鶴橋駅界隈に行くたびに、駅前にある高坂書店に立ち寄って必ず何か1冊買います。書店がなくなるのは寂しいから。これもそんな1冊で、映画が大好きな私としては手に取らざるをえないタイトル。「下水道映画」とはなんぞやと即買いしました。

    著者は国立大学の工学部を卒業後、名古屋市下水道局に技師として入局。下水道の建設業務に従事し、最終的には同市上下水道局営業部営業所長として2015年に定年退職されたそうです。もともと映画好きだった著者は、勤め始めてから映画を観れば下水道が気になるように。下水道の出てくる映画を集めたら誰かに読んでほしくなり、業界唯一の専門誌『月刊下水道』にコンタクトを取ります。編集長は快諾、「スクリーンに映った下水道」という名前で2009年から毎月、一度たりとも休まずに連載を続けているとのこと。このマニアックさ、おかしいんちゃうかと思ったりもしますが(笑)、私は好きですねぇ。

    冒頭でまず下水道に関する専門用語のいくつかが解説されます。まずこの時点で私には未知の世界。解説を読んでもなんとなくのイメージしか湧きませんが、それでも昨日までよりは下水道についてわかった気が。

    収録されている「下水道映画」は59作品。下水道や下水管が映し出された瞬間、著者は「これは本物かセットかCGか」と真剣に考える。劇場で観て、DVDで観て、その特典映像を入念にチェック。それでもわからないときは原作にも当たる。そして、セットやCGだと判明した場合は、どれだけ本物を再現しているかをまたチェックする。下水道を知らない者にとっては、そもそも映画自体がフィクションなわけで、嘘でもええやんと思うのですが、著者にとっては偽りの下水道が描かれるのは許しがたい。この真剣さには脱帽します。

    59作品のジャンル分けがまた面白い。ネズミ編、災害編、モンスター編、逃走路編、強奪編、隠れ家編、脱獄編、歴史編。最初のネズミ編は想像できるでしょう、下水道からネズミがぞろぞろ出てくるタイプの映画です。ネズミのみならず、生き物が出てくる映画の場合は、はたしてこれが下水道に生息しうるものなのかも解説。ネズミやゴ◯ブリやワニの種類についてまで詳しいったらありゃしない。凄いです。

    序盤に登場するのはB級どころかC級作品ばかりでしたが、よくよく考えれば下水道をきっちり再現したパニック映画というのもなくて普通か。逃走路編あたりからはメジャー級が続出、20世紀のオールタイムベストに選出されたような作品もいろいろ登場します。

    基本的には映画の良し悪しではなく、映し出される下水道や下水管の出来がどうかが本作では問題になっているので、これを読んでもその映画が面白いのかどうかはわからないのもなんだかイイ(笑)。そんなわけで、読む人を選ぶ本ではありますが、日頃から映画をわりと観ているという人であれば、取り上げられている作品をもう一度観ようかなという気になるでしょう。

    世の中に「下水道映画」というカテゴリーはないのですから、これだけ集めるためには相当な数の(普通の)映画を観なければならないはず。著者に敬意を表します。

  •  これぞ星海社新書!という本。下水道がちょっとでも出てくる映画を片っ端から取り上げて評論していったのをまとめた本で、こんなマニアックな企画、そりゃ「月刊下水道」でないとありえない。本が真っ黒なのもいい。この本を読んだ人は必ず「第七天国」という映画を観たくなるようにできている。
     時々知っている映画が出るのが楽しい。下水道がセットなのか、実際の現場で撮影しているのかどうかを見抜くこと。下水道では実際にはありえないこと……などなど、水道局一筋に生きた男の、フィクションの中の下水道とは何かを追及した一冊。彼の中で常に意識されているのは、「第三の男」。下水道映画の最高峰と評されている。最後の場面は、作曲できなくて、映像にあわせて弾いてただけっていうのは知らなかった。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784061385856

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著者プロフィール

水PR研究家
1954年名古屋市生まれ。金沢大学工学部土木工学科卒業。1977年、名古屋市下水道局に技師として入局、下水道の建設業務に従事する。2015年、同市上下水道局営業部緑営業所長として定年退職。下水道と映画への思いが高じ、本書のもとにもなった連載「スクリーンに映った下水道」を2009年より『月刊下水道』誌にて開始する。同連載は、現在に至るまで毎月欠けることなく続く人気コンテンツとなっている。「下水道映画」以外では、水に関連する映画や旧街道歩きの旅についても調査を実施中。

「2016年 『下水道映画を探検する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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