戦国大名武田氏の戦争と内政 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385900

作品紹介・あらすじ

「戦争」と「内政」から見えてくる、新たな戦国大名像!
本書では最新の研究に基づき、甲斐が「乱国」になったとされる明応元年(一四九二)から、約一〇〇年間にわたり甲斐武田氏の興亡を追っていきます。また、甲斐で書かれた年代記『勝山記』にも注目し、災害や飢饉の時代を生きた民衆の動向もご紹介します。戦乱が続いた戦国時代、戦国大名は地域の平和を維持する「公権力」と見なされていましたが、真の姿を、戦争と内政の両面から検討していきます。武田氏はいかにして領国を形成し、戦国大名化していったのでしょうか? 近世大名真田氏にも受け継がれたという領国支配は、いかなるものだったのでしょうか? これらを確認する中で、新たな戦国大名像も見えてくることでしょう!

感想・レビュー・書評

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  •  かなり専門書にあたるので、さっぱりかないませんでした。なんとか読み通し、最後のまとめの部分で、やっと見えてくるものがありました。
     「災害や飢饉、戦争が恒常的に起こり、「自力救済」(武力による紛争の解決)が当然とされていた戦国時代の社会において、戦国大名が果たした役割は、領国内の平和を維持し、住民の生命や財産を保護することであった。それを遂行するために、戦国大名は領国内から紛争地域(境目)をなくすことを目指し、さらに公平な裁判を行って領主や村の「自力救済」を抑止することで、室町幕府や鎌倉府など既存の政権に替わる新たな「公方」「公儀」(公権力)として、支配の正統性を獲得していったのである。」境目の領主(国衆)や拠点の帰属をめぐって戦争が行われ、その実態は境目における人や物の奪い合いであったことが、150年間戦国時代が続いた理由であるという。また、根本的な問題としては、戦国大名同士の戦争を止める存在がいないというのが、最も大きな特徴であった。それから豊臣政権になり、各地の戦国大名に対する「惣無事」(自力から中央政権への従属による動員と保障)と、民衆に対する「喧嘩停止(ちょうじ)」(武士以外の刀等の武器禁止)は、戦国時代の「自力救済」を終息させる結果をもたらし、近世のはじまりをもたらすきっかけとなった。近世とは、中央政権ができて、「天下統一」ではなく「天下一統」を成し遂げて、大名領国を内包しながら成立していた。地域は地域の裁量で支配をさせつつ、中央は中央で併存しているというまとまり方だ。戦国大名と従属国衆のその上の存在が入れ子のように出来上がったのが近世で、明治の廃藩置県によってようやく近代となる。
     本著の特徴は、災害が歴史に非常に大きく影響を与えていて、復興のための停戦がよく起こったことが書いてある。なぜか戦国が身近に感じてしまう。

  • 武田氏の財政・統治方式などおもろい!

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著者プロフィール

戦国史研究者
1976年東京都生まれ。駒澤大学大学院人文科学研究科歴史学専攻博士後期課程修了、博士(歴史学)。現在、東京都江東区芭蕉記念館学芸員、戦国史研究会委員。元駒澤大学非常勤講師。戦国・織豊期の社会経済史、特に戦国大名武田氏や織田・豊臣政権の支配構造を専門とする。著書に『戦国大名武田氏の領国支配』(岩田書院、2015年)、編著に『戦国大名と国衆8 遠江天野氏・奥山氏』(岩田書院、2012年)があり、共著は武田氏研究会編『武田氏年表』(高志書院、2010年)、柴辻俊六・平山優・黒田基樹・丸島和洋編『武田氏家臣団人名辞典』(東京堂出版、2015年)、大石泰史編『全国国衆ガイド』(星海社新書、2015年)ほか多数。

「2016年 『戦国大名武田氏の戦争と内政』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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