- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061388048
作品紹介・あらすじ
他人の欲望を糧に暮らすネットアイドル。復讐のために死体を切り刻む女子中学生。忌まわしき過去を百円硬貨で清算するビジネスマン。ウェブに渦巻く無数の"悪意"を源にして静かに稼働を始める処刑システム「i‐KILLネット」…。謎の管理人・小田切明の終わりなき"仕事"の果てに待ち受けるのは、"救い"か、それとも…。あなたにかつてない戦慄を呼び覚ます「iKILL」シリーズ第一弾。
感想・レビュー・書評
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※相変わらず表現はグロいです。苦手な人注意。マジで。作家を知っているなら通常運転。 1日の大半を、家中のそこかしこに置かれたカメラに映る自分をネットで公開している女、ネットアイドル。 いじめっこに復讐を誓うぢょしこーせー。 誰が中に入っているかは誰も知るよしもない、季節外れのサンタ。 スナッフvtrを見てはワンコイン・ワンクリックで投げ銭し、誰も手を出さずに罰をリクエストし遂行される。 ころしやの思惑。掴み所のない男、小田切。グロテスクな描写がこれでもかと続く。 最後のドンデンに驚かされた。なるほどなー
ネコップ‥‥のやり方については【令和元年のゲーム・キッズ 23「自殺はやめよう」】にも。【https://privatter.net/u/kozysan】詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゲーム感覚で人を殺していく一見理解し難い殺し屋の主人公による殺しの一部始終を読んでいくにつれて同調し、まるで自分が人を殺していくような背徳感がスリリング。人物の個性が気持ちよくすっきりまとまっていて惹きつけられる。容赦無い残酷描写に手に汗握らされ最後まで動悸が鳴りっぱなしだった。
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殺し屋小田切が手掛けた事件を追う短編集。どれも、インターネットやゲームが話に絡んでいて、トリックの解決方法も、それに準じたものになっていたりした。虐められっこの少女が、死体の解体を通して強くなっていく「狼なんてこわくない」が特に面白かった。
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表装が気になって購入。
i kill(私が殺す:生きる)というタイトルも
ありきたりですが、なかなかに秀逸。
現代司法のやるせなさをテーマにしていますが、
残虐な描写がそれをぼやかしてしまっている感じもあります。
逆に暴力小説として読めばそれなりのインパクトがあるかも。
着想は面白い。
ただ文章としては
少々読みにくいです。
雰囲気は最高でした。 -
星海社FICTIONSの初期ラインナップがファンタジー、SF、純愛と来てその後発売された4冊目が本作。
以前講談社BOXで出版された物のFICTIONS化らしい。
殺し屋・小田切が主人公の連作短編といった感じ。
なんかタイトルとあらすじ見ると「i-KILLネット」なるものが重要になってくるのか、とか思ってたらそれが出るのは最後の章で、しかもなんか2巻出すための繋ぎ要素にしか見えないのが残念。
若干グロ強め。一つ一つの話は面白いが、シリーズということでやっぱり次どうなるかが大事。
個人的には2巻はi-KILLネットよりも未久がどうなるかの方が気になるんだが・・・ -
小田切という殺し屋が章ごとにターゲットを殺すという物語。
とくにその中でストーリが続いているわけでなく、完結しているため。
短編小説のような読みやすさ。
内容は過激?で多少グロい話もあるがそこまで苦い顔をするわけでもなくといった感じ。なんだろうケータイ小説のような内容の浅い感じ。
いちおう2が出ているようなので見つけたら読んでみようと思う。 -
すごく気になるタイトルだったから見つかって嬉しかったんだけど、思ってたよりラノベっぽい(よくない意味で)。印象に残らなかった。挿絵はすき。
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初めての星海社フィクションズ。なるほどね。
フレーフレーミヤノンが狂気だった。 -
売り物としては残酷(グロ)描写が強く、こういう描写が嫌いじゃない私としてはそれだけで大いに楽しめた。
4つの章で成り立っている中で、個人的に一番面白かったのは[1 猿は猿を殺さない。]アイドルに熱を上げられる人は凄いと思う。と言っても、オタクだ何だといった嘲りの意味ではなく、仮想現実を一つの現実として積極的に受け入れられるという点。どうしても、所詮演技なんだよなぁと思い醒めてしまう自分がいる。アイドルの振る舞いを見て、「演技じゃないか!」と思うのは間違ってはいないだろうが、そんな当たり前を指摘したところでメリットがあるわけではない。それこそ、「見物客に囲まれた檻の中にいる猿を殺そうとしている」(p.46)くらい間抜けなことだろう。
アイドルに興味を持たないからといって困ることがある訳でもないし、別に進んでなろうと思うわけでもない。但し、自分の中にいくつもの現実を持つことができない、と広く捉えると、が嫌でへらへらしているほど簡単なことでもないような気がする。
内容とは関係ないが、2006年末に講談社BOXで発売されたものらしい。最前線を謳うレーベルで4年以上前の本を出すってのはどうなんだろうと一瞬悪いことを思ったが、オンライン公開その他いろんな意味での“最前線”なのだろう。