ベッドタイム・ストーリー (星海社FICTIONS)

著者 :
  • 星海社
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本棚登録 : 335
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (44ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061388147

作品紹介・あらすじ

短編の名手、乙一が未来の夜空へ向けて放つ傑作SFラブストーリー。声優・坂本真綾の朗読が胸に迫るピクチャーディスクCDと、釣巻和が手がける切なさ全開の美麗なイラストレーションをフルカラーで収録したハードカバーブックレットをパッケージ化した星海社朗読館シリーズ第三弾。

感想・レビュー・書評

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  • 乙一さんの短編を坂本真綾さんが朗読するCD付きの本。
    星海社朗読館シリーズの3冊目らしい。

    眠れない夜に彼女が聞かせてくれるベッドタイム・ストーリーは遠い宇宙のお話。
    優しい声で語られるそのほら話を「僕」はきっと愛していただろう。

    流星群の夜、彼女はいつもとは少し違うベッドタイム・ストーリーを語り始める。
    それは彼女の思い出話であると同時に懺悔であり、「僕」に対する熱烈な愛の告白でもあった。

    朗読を聞き慣れていないので、これが普通なのかどうかよく分からないけれど、すごく静かな朗読だなと思う。
    2人きりの静かな部屋の中で交わされる言葉は、沈黙という宇宙に浮かぶ惑星みたい。
    「先輩」と語りかける彼女の声に「ん?」と応じる「僕」の声。
    そのたった一言の裏にたくさんの気持ちがあるんだと感じられる。とても好きなシーンだ。

    彼女の話は一体どこまでが真実なのか?
    「僕」はそれを聞いてどうするのか?
    止めるのか?頼むのか?

    ドキドキしながら、目が一足先に次の言葉を読もうとするのを制しながら、ゆっくりゆっくり、声と同じペースで読み終えた。

    運命という言葉を気軽に口にしているけれど、信じるかと言われたら答えられない。
    運命があった方がいいのか、ない方がいいのかさえ決められない。
    もちろん私が決めることではないけれど。

    何かとても大切なものを失う時、それが運命であると考えることは慰めになるのだろうか。それとも絶望なのだろうか。
    それもやっぱり分からない。
    きっとその時に信じたい方を選ぶんだろう。
    運命だと言った次の瞬間に、運命などないと断言することもあるかもしれない。
    それでもいい。
    だって本当のことなんて分からない。意味がない。大切な人の涙の前では。きっと。

  • ”星海社朗読館 『ベッドタイム・ストーリー』”乙一著 坂本真綾朗読 星海社FICTIONS(2011/09発売)
    (イラスト:釣巻和)

    ・・・病の彼氏に少女が語った衝撃のストーリー。”
    少女が持つ、”自分から離れれば離れるほど大きな物を動かせる”能力は何を動かしたのか?

    ・・・微笑ましい運命改変ラブストーリー。

    ・・・あれっ?どの短編集に収録か調べてみましたが出ない・・・。
    書下ろしかもです。よい話だったのでどこかに収録されて沢山の人に読んで欲しいものですが。

  • 坂本真綾による朗読CDつき。

  • 文学×朗読
    というわけで星海社朗読館ですね.
    相変わらず坂本真綾さんの声が耳に心地いい.
    イラストも多いし,なんだろう.
    絵本の読み聞かせをされているような?
    いやー,いいわー.

  • 乙一のあったらいいなって夢物語を、坂本真綾が読む。
    文書とはまた違った世界を楽しめる一品でした。

  • 星海社『最前線』における特別企画『坂本真綾の満月朗読館』で生まれた作品の待望の書籍化。リアルタイムで聴いていたが、これはもう一度聴きたいと思っていたので嬉しい。
    夜―――難病を患った少年に、少女は秘密を告白する。少女には超能力があり、念じるだけで対象を動かすことができる、と。それは夜空に輝く星だって例外ではない。つまり、超能力と占星術を使えば、あなたを病気から救うことだってできる……
    少女の言っていることが真実かはわからない。しかしとても心が温かくなった。声もめちゃくちゃ心地良い。

  • 坂本真綾も良い。SFと乙一のコラボレーションが絶品。

  • CDの朗読の方から 先に聞いて。
    間の取り方や しっとりした雰囲気が
    自分で黙読するのとは また違った感じで
    よかったな。
    でも ちょっと長かったな。

    そのあとで文章を読んだら
    惑星ビリヤードの絵が印象的だった。

    最初と最後の文が同じなのに
    ニュアンスが違うように受け取れるのが 不思議。

  • 朗読では終盤の椎名の「いえ」の演技が良かった。

  • 「白血病」という、使い古されたお涙頂戴の設定をあの乙一が使うのは正直がっかりした。わざわざ白血病を出す意味もないし、ここは原因不明の不治の病とだけ説明して具体的な名称は伏せたままでも良かったと思う。これならセカチューの方がまだマシ。挿絵はきれい。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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