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本 ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784061388246
作品紹介・あらすじ
人とエルフ、異なるふたつの種族の血を分け合う身であるがゆえに蔑まれて育ち、メラネイド伯爵の嫡子・アーウィンに謀られた半エルフの娘・アルシア。
抜け殻となっていたアルシアの絶望を言祝ぎ、復讐の願いを受け入れた謎の旅人・ラゼィルはアルシアの故郷・谺谷(こだまだに)のエルフたちと共謀し、人間への意趣返しを提案する。ラゼィルの白貌の裏側に秘められた“混沌”が妖しくきらめく――!
虚淵玄の“闇代表作”として名高い戦慄のダーク・ファンタジーが、人気イラストレーター・あきまんとの超重量級タッグにより、今再び伝説の幕を開ける――。
刮目せよ! 虚淵玄×あきまん、これぞ究極の“狂乱劇(エンターテインメント)”!
感想・レビュー・書評
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白貌の伝道師は、2012年に刊行された虚淵玄の代表作のひとつであり、混沌と破滅に満ちたダーク・ファンタジーの傑作です。
あらすじ
人間とエルフの血を引く少女アルシアは、伯爵の嫡子であるアーウィンに裏切られ、野盗に陵辱された末に、白貌のエルフ・ラゼィルに助けられます。彼はアルシアの故郷である谺谷のエルフたちと共に、人間への復讐を計画しますが、その裏には混沌神グルガイアへの狂信と殺戮への快楽が隠されていました。そんなラゼィルの正体とは・・・
本作の特徴とテーマ
本作の特徴は、その残酷さと狂気にあります。実際に登場人物たちは、互いに裏切り、嘘をつき、殺し合うことを厭いません。エルフやダークエルフといったファンタジー要素に彩らいていますが、それらは美化されず、むしろ醜悪さや邪悪さを際立たせる役割を果たしています。例えば主人公のラゼィルは、混沌神グルガイアへの献身という信念を持っており、そのためならば何でもする冷酷なキャラクターです。彼は自分の美しい容姿を利用して人々を騙し、殺戮や陵辱を楽しみ、彼が最も愛した存在であるアルシアも例外ではありません。
本作は虚淵玄が得意とする「絶望」や「狂気」を描いた作品であり、その点では『魔法少女まどか☆マギカ』や『Fate/Zero』などと共通するテーマが見られます。そして、それらがより過激かつ過剰に表現されており、読者の心理的な耐性を試されるのが本作の特徴と言えます。救いや希望はなく、最後まで暗闇に包まれたまま物語は進行します。
どんな人におススメ?
本作は、虚淵玄の初期の作品であり、彼の作風や思想の原点を垣間見ることができる作品です。また、あきまんの挿絵も本作の雰囲気に合っており、美しくも恐ろしい世界の表現に一役買っています。虚淵玄の闇の深さを知りたい人や、ダークファンタジーのファンにはおすすめできます。一方で、その内容は非常に残酷であり、ダークファンタジーに耐性のない人は、読む際に注意が必要かもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
8/10.
全てのラノベがこんなに面白かったらいいのに。 -
盗賊に襲われた『エルフ』は、彼らの荷馬車に
ハーフエルフの少女を見つける。
どうしてこうなったのか、何があったのか。
少女を連れて、彼は事件の元へと向かう。
最初が血まみれなのかと思ったら、最後まで
この状態が続きます。
むしろ嬉々として続きます?
話の最初としては、よくあるパターンで
迫害を受けたハーフエルフが甘言によって
住んでいた村を危機に陥れてしまった…という。
そこからが、まったくもってよくあるパターンに
当てはまらない物語。
いっそ、ここまでよく綺麗に事が運ぶな…と思ったら
目的はそこではなかったと。
いや、そこも目的ではあったようですが。
まったくもって前振りもない真実が
次から次へと出てきますが、そんなものか、と
読み進めていけば気にもならず。
分かりやすく、読みやすい話ではありましたし
救出された少女は一応幸せ? なようですし
いいのではなかとでしょうか? -
これぞ虚淵.
ウロブチズムがコレでもかと注ぎ込まれた一冊.
超面白かった! -
ダークファンタジーの正統派。「され竜」が好きな方にはオススメ。
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次回作を期待させるために伏線を張りすぎてる印象。Fateみたいに、(虚淵にとって、というか読者にとっての世界観が)明示されているときは強いけど、オリジナルでの語り部の能力が本当にあるのかは、あらためて疑問に思った一作。
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ゴテゴテした表紙イラストとは対称的に、内容はシンプル。
犯して、辱めて、殺して殺して殺し尽くせ!
暴虐のダークファンタジー。
著者プロフィール
虚淵玄の作品





