星の海にむけての夜想曲 (星海社FICTIONS)

著者 :
  • 講談社
3.72
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本棚登録 : 181
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061388314

作品紹介・あらすじ

「奇跡は起こるよ」。夜空を見上げると一面の花。地面には屍体の山。未来永劫変わらぬはずだった空に突如咲いた、色とりどりの"花"。その花から地上に舞い降りた花粉は、人々を殺戮へと駆り立てた-が、死に尽くさなかった人びとは、それでも日々を生き続けた…。彼らがふたたび"星の海"を見ることができる世界は、いつ訪れるのか?あの3.11を生き抜いてしまった僕らのために佐藤友哉が描く、"空が消えた世界"の千年紀。

感想・レビュー・書評

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  • 星や空の無くなった世界で
    それぞれの願いを託す奇跡の話。
    奇跡というととても陳腐なものに聞こえてしまうけれど、
    単純に訪れるものじゃなくて必死にもがいた末に手に入るもの。
    今まで絶望の反対にあるものは希望だと思っていたけど、
    そこにある一つに奇跡があるのかもしれない。
    その根底には欲望がないと
    奇跡も希望も絶望も生まれない。
    先生が好きだった。

  • 3.11を「生き抜いた」んじゃなくて、「生き抜いてしまった」​に置き換えたら今の日本のグチャグチャが心にストンと収まった。

    あの日流した涙が今につながるなら、こんな滑稽で無様で残酷な仕打ちはない。
    何億年前の光が現在に降り注ぐように、ずっと先の未来にあの時の涙が届いてほしい。

  • 想像していたよりも素敵な話だった。花と星と人の話。奇跡は起きる、とても馬鹿げている行為の結果であっても奇跡は起きる。

  • 濃密な狂気に酔ってしまうような作品。薄暗くどこか後ろ向きなストーリーはラストまで変わることないが、読後感は清々しく心地よい。青春小説として楽しめるものであった。

  • 設定の所々に3.11の影響が多々見受けられた。廃墟となった街や、地下シェルターに住む人々など、ポストアポカリプス感を感じる作品だった。

  • 石田衣良や百田尚樹のように、一文が短いのでとても読みやすかったです。

    話は面白かったんですけど、結局何がいいたいのかわからなかったです。


    空には花。
    花粉病になったらころされる。

    2011年に少女を助けたのは2036年の先生。

    2036年の生徒の姉は先生と星を見て死んだ。
    生徒は自ら軍に捕まり、遺産を残した。

    2048年の少年は、2011年に少女だったお母さんの子供。
    少年は花粉病患者を殺す仕事をしている。
    少年は花粉病になった幼馴染を15歳の時刺した。
    その少女は生きていて、少年とともに女医として仕事していた。
    花粉病になった子は、花粉病者から殺されないと言う。

    2102年の老人は2036年の先生。
    地下に住む少年少女が、先生の家を訪れ、生徒のAIを作ったという。箱に書いてある住所へ届けることに。

    2880年AI男女のやり取り。
    仮想データがなくなり消滅。

    3011年花粉と放射線に蝕まれた地球。

  • (直感)
    空を埋め尽くす花、花、花。
    それはきっと想像できないほど綺麗で色鮮やかなものだと想像してしまう。(笹井さんの挿絵は夢のように美しく幻想的で、画集が欲しくなった)
    だって僕らの花を見る目はいつだって–
    ---
    (本題)
    時を超えて登場人物が繋がっていく。思いが繋がり希望を託していく。暖めていく。育てていく。開発していく。捨てていく。掴んでいく。ハナシテイク。
    つくりものの物語、SFとして本作を語りたくない。
    現実に起こり得ること、起こったこと、起こっていることのようにのめり込んだ。
    偶然にも、成田を発った機内で読んだ。
    その時の空は、読後の空は、それはもう美しく輝いていた。
    誰かに勧めたい1冊。
    ---
    (余談)
    アニメ調、朗読劇を思いながら読んだ。

  • 空が本来は綺麗な物であるはずの花で覆い尽くされ、それが人類への脅威となる未来を、幾つかの時代に切り取って、星を希求する様々な二人の物語。最後には核爆弾という荒事でどきっとしたが、人間て強い!これって福島へのメッセージも込められているのかな。

  • SF。短編が関連しあって、終章を迎える。短編もそれぞれ文章表現を変えてあるので、誰のことが語られているのか、読みながら考える必要がある。

  • ifの世界の救済を描かなければならないほど
    切羽詰まった現実の圧を感じる。
    息苦しかった

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著者プロフィール

1980年生まれ。2001年『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』(講談社ノベルス)で第21回メフィスト賞を受賞しデビューする。2007年『1000の小説とバックベアード』(新潮社)で三島由紀夫賞を最年少で受賞。近年では純文学をメインフィールドとして活躍している。『ダンガンロンパ十神』シリーズ、『星の海にむけての夜想曲』(星海社)、『俳優探偵』(角川文庫)、『ベッドサイド・マーダーケース』(新潮社)など著作多数。

「2019年 『転生! 太宰治 2 芥川賞が、ほしいのです』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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