ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)

著者 :
  • 星海社
3.18
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本棚登録 : 684
感想 : 130
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061388376

感想・レビュー・書評

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  • そうか、これがラノベなのか・・・。

    なかなか感想が難しい本である。

    面白いことは面白い。さすが筒井康隆だな、と思うことも間違いない。あと、いとうのいぢの絵はやっぱりかわいい。

    この本を読んでいると、いかにごく普通の「ライトノベル」が未成熟か、ということに気がつく。でもまあ、その部分も含めてライトノベルだよなぁと、個人的には思っているので、なんとなくもやもやした感触は受ける。

    後書きにもあるが、ライトノベルというよりはメタライトノベル的に読むのならば、あまりそういうもやもや感はない。

    やはりしゅっと感想の書けない本だ。もちろん、それは書き手の私が力量不足であるというだけにすぎない。

  • デタラメだ!? デタラメに面白い!?

    元祖「時をかける少女」、元祖「未来人」ここにあり!?

    小松左京の「日本沈没」をパロディ化した、
    「日本以外全部沈没」を思い出しました!?

    各章のタイトル付けや、
    各章での同じ書き出しでの繰り返しなど、
    細かいディテールまで表現されているところなどは
    書き手としての力量をいかんなく発揮されています。

    最初は面白おかしいだけかと思われましたが、
    最後はしっかり現代人やラノベへの皮肉たっぷりで考えさせられますね~

    後書きを見ると、もう疲れた…的な発言ですが、
    これはもう絶対、反対のことを言っているな、
    って感じたのは自分だけでしょうか?

  • ライトノベルにライトノベルばかり読んでいてどうすると叱咤された気分。
    ただのライトノベルとしては読めませんでした。
    さすが筒井さんです。

  • 最初はなんだこりゃという感じで読み進めたが、あとがきにもあったがこれはメタラノベなんだということに気づいたら、途中から面白くなってきた。やっぱり筒井康隆らしさ全開で面白い。77歳のじいさんが書いたとは到底思えない。

  • 「筒井康隆御大の書いたラノベ」と知られる一冊。アニメ・ラノベ好きの好む萌えイラストを挿絵として入れてきているが、文体というか着眼は完全に筒井作品。

    「メタ筒井御大」的な見方をすると大いに楽しめる作品。つまり「時をかける少女」に代表される強く美しく自信もあるんだけどどこか脆いヒロインが、今のラノベ時代の男性たちに囲まれたらどうなるんだろうか、という意味でのSF作品。
    筒井作品を数作読んだだけの人間ですら、「このあたりの設定はあの作品にあったな~」的な愉しみのある一作なんですが…いかんせんラノベ読者に合わせよう、と作者が意識的に文章の難易度を下げていおり、アホみたいに早く読み進めることができてどこか読み応えがない、そこが難点かしらん。

    「時をかける少女」あたりの過去の有名作に、今時はやりのラノベ絵師の挿し絵を入れて新装版として売った方が読み応えもあっていいし、絵師狙いで分かった気になるラノベ読者も釣れていいんじゃないか、そんなことをちょっと考えてしまう一作でした。

  • ビアンカはなんか涼宮ハルヒの匂いがする、ただし、別のベクトルの。こんな異色なラノベはおそらく今後でないんだろう。

  • 恐るべし、筒井康隆。御大が、ラノベ。しかもイラストは、いとうのいぢ。ということで、初ラノベ。中身はぶっ飛んでて、楽しく読んだ。が、ふと、対象は誰かと考えると、あまり低年齢層には問題あるし、年いってる人が喜んで読んでるのもどうなんだ?と、感じちゃいます。

  • 筒井康孝が描くメタラノベとしてのラノベエンターテインメント。
    あとがきにもありますが、77歳にしてこのような新しい試みをしているのは偉大です。
    そこかしこから感じる筒井臭が「これ、ラノベなのか?」と思わせられるものの、よく研究されてるなあと思います。特徴的な名前、執拗な繰り返し、扇情的な描写、でも本番は決してない、バトル展開、やけに短い一文、未来人、御都合展開などなど上げればきりがないほど。できれば筒井という名前を知らない状態で読んでみたかった。いとうのいぢさんもラノベ業界では大御所ですが、そのためにこの作品をラノベ感を高めています。でも、のいぢさんにキンタマとか自慰直前のシーンとか間接的に書かせていいのかなあと心配にもなりました。

    軽く読んでいたのに、ラストで唐突に出てくる草食系男子批判と原子力問題の話でガツンとやられました。
    ぜひとも次回作「ビアンカ・オーバーステップ」を書いていただきたいが、出す気ないんでしょうなあ。それもこれも、太田が悪い。

  • 美少女ビアンカは、生物実験が大好き。
    彼女を崇拝する男子生徒に実験材料を提供してもらうためなら、多少の手伝いは厭わないほど。
    そんな彼女の前に未来人が現れて――というお話。

    色んな要素をこれでもかと詰め込んで、それでもちゃんと形になるのがすごいなあ、と。
    ところどころ、台詞回しが古臭いなあ……という気分になってしまったが、まあ楽しめた。

    それにしても登場人物が全員変人であった。

  • 女の子が可愛かった。続きも出て欲しいな。

著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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