サエズリ図書館のワルツさん 2 (星海社FICTIONS)

著者 :
制作 : sime 
  • 講談社
3.93
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本棚登録 : 337
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061388727

作品紹介・あらすじ

天命、みたいな、仕事って、この世にきっと、あるはずだ――
“図書修復家”、それは本を“未来”へと繋ぐ、強く、孤独な職人たち。
就職活動に全敗し、頼みの綱でもあった「LB(リストベース)管理者採用試験」も体調不良による棄権を余儀なくされた千鳥さん。ただ、自分にとっての天職を見つけたいだけなのに……。自分に自信がなく、といって好きなことも思い浮かばず、回復しない体調に苛立ちながら、なやみ、うなだれていた彼女に差し伸べられたのは、人々の羨望を集めた“神の手”を持ちながらも、紙の本が稀少化したこの世界に絶望した、ひとりの“図書修復家”の手だった――。
“本の未来”が収められた、美しく、不思議な図書館を、紅玉いづきが紡ぐ待望のシリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  •  読んでて死ぬかと思った。発狂するかと思った。
     胸にグサグサ刺さって泣きそうになった。

     今回のお話は、就職に惑っている千鳥さんのお話。
     千鳥さんは、人よりちょっと病弱で、すぐに身体を弱くしてしまっていて、うまく嘘も吐けなくて、なかなか就職先が決まらない。
     皆が皆、就職先を決めていく中、千鳥さんだけ決まらない。
     そして千鳥さんはひっそり願うのでした。
    「天職のような仕事がしたい」

     ……中二だ……中二病だ……。
     でも思い出した。千鳥さんがそう言い出した時に、私も就職活動をしていた時にそう思ったことを。
     仕事を選ぶ時にそう思って悩んだことを。
     そして今、このタイミングでこの本を読んでしまったことをちょっとだけ、本当にちょっとだけ呪った。
     仕事に疲れて、休職中に読む本では間違いなくなかった。
     まさかこんな話の内容だとは思ってなかった。
     いっそ仕事を辞めてしまって転職したいと思ってる時期に、読む本ではなかった。

    「やりたい」ってなんなのだろう……。
     つかみ取るってなんなのだろう……。
     そんなことを考えたらちょっと一瞬ぐるぐるした。

     結局千鳥さんは、今までやろうとしていたことができない理由が見つかって、あっさり「天職」だと言う言葉を他の人間から引き出してしまって。
     その仕事を自分の物にしたけれど。

     私は一体何がしたいんだろうなー……って思うと、涙しか出て来なくて、苦しくて悲しくて……。

     そういう話でした。
     何だかここに書くべきことじゃないことばかりをダラダラと言葉を重ねてしまいそうになるので、別のところでそっと吐き出すので、ここには書かないことにしておきます。

    「やりたい」って気持ちは大事。
     でもその「やりたい」に何人が従えているのか……
     そんなことを考えさせられました。

     なんだか今はちょっとうまくレビューが書ける自信がないのでこの辺りで。
     ちょっと読む時期と読む場所は考えた方がよかったと思いました。

  • 司書の私にはツボな一冊。

  • ワルツさん、第2巻
    でも今回の主役は、就活中・ボランティアスタッフのチドリさん、という感じ。
    図書修復家をめざす、連続短編(?)
    最後、すごいね、頑張ったね!
    これからも頑張ってね、と思っていたところ
    最後にサトミさんの短いお話が残ってました。
    そうだったんですかー!?

  • 就活中で電磁波に弱い千鳥さんのお話が3話と、最後にサトミさんのお話がありました。

    近未来の話で、大体のものが電子化されたこの世界に、電磁波に弱いというのは死活問題。
    就活中に倒れて、老人が世話をしてくれた時に居座った先が、老人の職場。本の修繕。
    それからその老人に弟子にしてくれってお願いし続け、老人の思い、千鳥さんの思いを物語っています。

    この時期になっても就活中の私には少々痛い話でもありましたが、とても楽しく読めました。
    ”働くことは、生きること”
    ハケンの品格にもありましたが、常々そう思います。
    20年学生をしてきましたが、長い休みになると「働いてない人ってどう生きてるんだろう」とよく考えていました。
    それもあって、”生きることは、働くこと”であって、”働くことは、生きること”だと思っています。

  • 図書修復家になりたいチドリさんの目と口を介して、本への愛が丁寧に綴られます。
    電子書籍ではなく、紙を使う本の媒体としての魅力。

    作中人物の誰もそんな解釈をしていないけど、国立国会図書館が焼けてもテキストデータが残ったからよかった、という市井の人のセリフは、データがあればまた本が作れるからよかったという意味じゃないのかなと思います。

  • 今回は本の修繕と自分の天職について悩む女の子が中心。紙の本や図書館が好きな人にはたまらないシリーズ。
    著者が図書館に勤務経験があるだけに、丁寧に扱っていて読んでいるとうれしくなる。
    あと、星海社のこの本のスピン、読むのが楽しくなる。収納には困るけどね。

  • 本がほとんどなくなり、皆はデータの「本」を利用しているだけの世界。そんな世界の「本の図書館」が舞台の「書籍」を愛する人々のためのシリーズ。今回は、卒業を目前として就職活動をしている千鳥さんが主人公。
    今回は、本というよりは「仕事」について思いを寄せる巻となりました。ワルツさんにとっての仕事、千鳥さんにとっての仕事、師匠にとっての仕事……それぞれの仕事と、仕事に対しての気構え。おすすめです。

  • 紙の本が貴重とされる世界の設定の私設図書館。国立国会図書館の所蔵資料もデータ化。就活に悩む女子大生が本と関わって天職を見つける。職はともかく、体調トラブルの原因がわかって良かった。

  •  朽ちない本はないし、死なない人もいないのだろう。
     けれど、それは、大切にしない理由にはならない、と千鳥さんは思う。一冊だけの本。ひとりだけの、あなたと。
     命の限り、生きて行くために。
    (P.231)

  • なりたいものが見つからなかった大学生と有能なスタッフさんにスポットを当てた2巻目。
    暖かくて冷たい雰囲気と本というテーマがよくあっていて、読んでいて気持ちがいい。
    紅玉さん独特の絵本みたいな空気がとても好き。
    ま、まさかサトミさんが…!という衝撃。

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著者プロフィール

1984年、石川県金沢市出身。金沢大学文学部卒業。『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞・大賞を受賞し、デビュー。その後も、逆境を跳ね返し、我がものとしていく少女たちを描き、強固な支持を得ている。

「2018年 『悪魔の孤独と水銀糖の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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