- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061388727
作品紹介・あらすじ
天命、みたいな、仕事って、この世にきっと、あるはずだ――
“図書修復家”、それは本を“未来”へと繋ぐ、強く、孤独な職人たち。
就職活動に全敗し、頼みの綱でもあった「LB(リストベース)管理者採用試験」も体調不良による棄権を余儀なくされた千鳥さん。ただ、自分にとっての天職を見つけたいだけなのに……。自分に自信がなく、といって好きなことも思い浮かばず、回復しない体調に苛立ちながら、なやみ、うなだれていた彼女に差し伸べられたのは、人々の羨望を集めた“神の手”を持ちながらも、紙の本が稀少化したこの世界に絶望した、ひとりの“図書修復家”の手だった――。
“本の未来”が収められた、美しく、不思議な図書館を、紅玉いづきが紡ぐ待望のシリーズ第二弾。
感想・レビュー・書評
-
サエズリ図書館シリーズ。
今回は図書修復家のお話し。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
司書の私にはツボな一冊。
-
図書修復家になりたいチドリさんの目と口を介して、本への愛が丁寧に綴られます。
電子書籍ではなく、紙を使う本の媒体としての魅力。
作中人物の誰もそんな解釈をしていないけど、国立国会図書館が焼けてもテキストデータが残ったからよかった、という市井の人のセリフは、データがあればまた本が作れるからよかったという意味じゃないのかなと思います。 -
今回は本の修繕と自分の天職について悩む女の子が中心。紙の本や図書館が好きな人にはたまらないシリーズ。
著者が図書館に勤務経験があるだけに、丁寧に扱っていて読んでいるとうれしくなる。
あと、星海社のこの本のスピン、読むのが楽しくなる。収納には困るけどね。 -
前回からの期待をしっかり超えてくれる作品で良かった。切なさと儚さがすごく好き。
-
「サエズリ図書館のチドリさん」
就職活動は難航して。
生きていくうえでは必要な嘘というのもあるだろうが、馬鹿正直にしか受け答えが出来ないとなると生きるのが大変だろう。
「サエズリ図書館のチドリさん Ⅱ」
ここにいれば逢える。
始めから頭の片隅にでも考えていたのであれば語った言葉に嘘偽りはなかったのだろうが、落ち着けば話せるのではないか。
「サエズリ図書館のチドリさん Ⅲ」
少しずつ学んでいく。
どれだけ頑張って技術を身につけたとしても、それが失われつつあるもので変わりはないからこそ慎重に選ぶべきだろうな。
「サエズリ図書館のサトミさん」
待っていればいつか。
諦めることが出来るのであればいいが、そうでもないのに年齢などを理由に断念しようとしても心残りが多すぎるだろうな。